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全国柔道整復師連合会が設立されて
整骨院振興協同組合
代表理事 近藤昌之
平成23年12月18日に念願であった全国柔道整復師連合会が設立されました。会長には柔整小委員会設立のキーマンでもあった田中威勢夫先生が選出されました。これで社団、すなわち日整以外のいわゆる第2組合といわれている多くの組合や組合に所属しない柔道整復師の受け皿が出来たことになります。この設立は全柔道整復師、5万人にとって誠に意義深いものと思われます。これでやっと柔整師の業としての発信場所を手に入れたことになるのです。
設立経緯
いままで全柔整連合の話はことある毎に出現しては消滅していたように聞いています。業界としての統合団体の必要性は強く感じていながら総論賛成、各論反対の歴史ではなかったのではなかろうか?もしくは個人的我の張り合いで設立にいたらなかったのではなかろうか?と想像できます。
今回も発起人会を何度も何度も積み重ねていきました。多くの団体からご意見を伺いました。各団体の長には各団体の長として、当然のことながらいろいろな意見があります。私たちはそれらの違いを解消するのに討議を積み重ねる必要がありました。この連合会は、それらの違いを克服する大いなる度量の積み重ねが必要でした。参加団体の皆様の度量の大きさに感謝すると共に、やはり業界が一つになる必要性の強さをそれぞれが痛感した賜物と思われます。
- 1.
- 臨床整形医学会のバッシング
- 2.
- 保険者から患者さんへの柔整師診療への受診抑制
- 3.
- 柔整師数が10年間で170%になったことに伴う業界の質の低下
- 4.
- 不正請求問題に伴うメディアからのバッシング
- 5.
- 変更されることのない柔整を取り巻く法制度
数え上げればきりがないようなこれらの逆風が、今業界が一つにならなければ業界消滅の危機に扮している、という共通の認識が各団体の長にあったからに他なりません。
言葉も武器も持たない柔整業界
日本の戦後のすばらしい復興はご承知の通りです。しかし、日本の戦後復興は経済成長に傾注され、日本や日本人としてのアイデンティティーは消失し、社会制度や外交防衛に大きな問題を残しています。同じように日本の医療制度も国民皆保険の恩恵を受け、柔整業界も発展の享受を受けてきました。しかし、その発展も経済的側面のみを享受することばかりに終わり、本来業界が行わなければいけない業務の啓蒙・啓発、業権・職域の拡大等の活動をおろそかにしてきたことは否めない事実です。
時代や市場が大きく変化する時代を迎えて、業界が大きな逆風に見舞われているときに、嵐が過ぎ去るまでじっと耐え忍び何もしないでいることが正しい選択なのでしょうか?昭和11年からおおきな変更なく続いた我らの制度にすがりつくのでしょうか?「行政を怒らせるな」「医師会の指示に従え」「保険者の言うことを聞け」この姿勢が今、業界におおきな逆風をもたらしているのです。「行政と協議する」「医師会としっかり協力」「保険者とのコミュニケーション」は当然です。業界としてのしっかりした意志を持ち、行動指針を確立し実績を残していくことが今、業界にはどうしても必要なことなのです。
連合会理念
私たちは行政や保険者のために存在しているわけではありません。国民のために柔道整復師は存在しているのです。国民のために必要な、国民医療の一翼としての柔道整復師でなければいけないのです。これを守り育て促進する団体が全国柔道整復師連合会であるということです。
今、時代は大きく変わりつつあると思われます。国民の医療環境は大きく変化をしてきています。傷病から健康へ、治療から予防へ、一元的医療から多元的医療へ。これらの国民的要望を真摯に受け止めなければいけません。現在の硬直した、ほころびかけている制度を、わたしたち業界と行政や保険者と、共通認識として論議を進め、新しい仕組みつくりを勧めなければならないのです。そのためにも業界が大同団結して一つになることが必要なのです。