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「国民医療費の伸び率に比べて突出する柔道整復療養費の伸び率」について検証する

2011/04/16

明治国際医療大学 教授 長尾 淳彦

下記の表が平成22年12月に厚生労働省から出た各療養費の推移である。平成15年から平成20年までの金額と対前年度伸び率を記している。

柔道整復療養費はマスコミや異業種から「国民医療費の伸び率に比べて突出する柔道整復療養費の伸び率」と指摘されバッシングされている。民主党の事業仕分け時でも使われた言葉である。「突出する伸び率」とは何%をもってかはわからないが、国民医療費は平成18年を除き、毎年2%前後で伸びている。柔道整復療養費の伸び率は平均3%強であり確かに国民医療費より常に伸び率は上回っている。「これを突出する」というのなら、はり・きゅうやマッサージの平均15%前後の伸び率はどういう表現を使うのか教示してほしいものである。

 

柔道整復、はり・きゅう、マッサージに係る療養費の推移(推計)
 
H15
H16
H17
H18
H19
H20
国民医療費
315,375
321,111
331,289
331,276
341,360
348,084
対前年度伸び率
1.9%
1.8%
3.2%
0.0%
3.0%
2.0%
柔道整復
2,887
2,999
3,098
3,212
3,377
3,484
対前年度伸び率
0.1%
3.9%
3.3%
3.7%
5.1%
3.2%
はり・きゅう
134
152
179
207
230
250
対前年度伸び率
41.1%
13.4%
17.8%
15.6%
11.1%
8.7%
マッサージ
191
212
246
288
333
366
対前年度伸び率
13.0%
11.0%
16.0%
17.1%
15.6%
9.9%

(億円)

 

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