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特集

内外からみた「柔道整復」

2011/02/01

明治国際医療大学 長尾 淳彦

現在「柔道整復」業界は、制度的・業態的に様々な変化が急速に起こっている。 その急速な変化に柔道整復師が対応するためには、もう一度、原点に立ち戻り「柔道整復」とは何かを検証し、業界内外の関係者が現状の「柔道整復」をどうみているかを知ることが必要である。

内なる柔道整復師ですら法的な我々の置かれている立場を理解していないことが多い。

例えば、「柔道整復」は「医業類似行為」とされているが「患者(国民)」側からは痛いところを治す「医療(医業)」の分野と位置づけている。広義、狭義別の解釈でない「医業行為」「医業類似行為」とは何かを知る必要があり、このような用語が出てきた時代背景を知る必要がある。何故今までこのような失礼千万な用語を放置していたのだろう。
「医業行為」と「医業類似行為」の位置付けが判れば業界として「医業類似行為」という意味不明な用語を撤廃させることも出来るであろう。是非、撤廃させたいものである。

また、接(整)骨院では「健康保険が使える」といってもその財源は「療養費」である。それも特異な「受領委任払い制度」を使ってのことである。「医療費」は現物給付であるが療養費は現金給付であり、支払いの最終決定者は保険者である。

この数年「保険管理センター」「保険事務センター」「健康保険給付管理センター」などと称する外部委託調査会社が保険者名を名乗り「個人情報保護」「守秘義務」無視の「受診抑制」を狙った調査票や電話での聞き取り調査を行っている。平成18年1月12日付の厚生労働省保険局保険課よりの事務連絡によると「保険者又は保険者の職員(以下「保険者等」という)に限り認められていると解せられる法令上の権利・能力については、外部委託によって行使することはできないこと。なお、権利・能力の行使に伴う事務、例えば、療養費支給申請書にかかる施術内容を照会する文書の発送や取りまとめについては、外部委託することも差し支えないが、その場合、被保険者等に誤解を生じさせないよう、権利・能力を行使しているのは保険者等であることを明確にすること」「外部委託している事務の内容や委託先等については、必要に応じ被保険者等への周知を図ること」「外部委託した事務の実施に伴う被保険者等からの質問等については、健康保険組合が責任を持って対応すること」「個人情報の保護については、個人情報保護法等に基づく適切な措置を講じること」としている。

 

 

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