柔整ホットニュース

特集

「患者と柔整師の会」主催、第3回保険者会議が開催!

2010/10/01

最後に、JB日本接骨師会事務局から、〝労災保険の適用をしたがらない事業者さんに対して、保険者さんはどのような働きかけをしているのか〟等の質問があり、〝私どもは会社の人事に「労災の疑いがあるので、労災の申請をしてください、申請が認められなかったら、こちらが負担します」としている〟と保険者が回答。また〝受託会社による患者調査で患者さんが回答せずに何ヶ月も放置しているケースについて、保険者さんから積極的に促していただければ〟という要望に対し、I氏から〝以前、当組合も委託していたが、現在はやめた。理由は、健保が委託したとしても、第三者が組合員に聞くのはよくないとして、現在は従業員が行っている。また、当組合と他の健保で1年間行った結果、委託を使うより健保独自で活動したほうが療養費は減ることが判明した〟。保険者M氏は〝照会をかけて返ってこない場合は、督促を2回かけている。不支給というのは、給付が妥当ではないということで起きる問題であるため、一部不支給という対処をとろうとしている〟等、実直な意見が出された。

司会進行を務めた本多弁護士から〝毎日来ているという問題、保険適用ではないようなものに対しての請求が、膨大な数で保険者がそれを判断する作業や時間も大きな負担であり、非常に困難な作業を強いられているのではないか。全部不正に見えてくるという問題。これが実はこの検討会の1番大きな問題でもある。どこかで認めていくと拡大解釈で、なんの節操もない請求書が出てくることになる。社会常識からして許せるものではない。また、患者さん自身が本当に原因が分かってきているのかという疑問もある〟等、本会議の主要なテーマを述べた。本会議は、今後約1年くらいの期間を設けて、2~3ヶ月に1回の割合で開催される予定。

議論は噛み合っていたとはいえないが、保険者の思い、患者さんの思い、柔整師の思いを率直にぶつけ、これまでうやむやにされ密閉されてきたことを明るみに出して議論しようという主催者の姿勢はかつて無かったもので、お互いが主張する内容はたとえ僅かでも相手の胸に届いたのではないだろうか。こういった議論の場は三者の理解を深める上でも、そして信頼を回復する上でも非常に大切であることは間違いないと思われる。

 

 

前のページ 次のページ