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第52回教員研修会が開催される!
新しいメインテーマは「社会に求められる柔道整復教育」
平成22年8月28日・29日の2日間、(社)全国柔道整復学校協会第52回教員研修会がロイヤルパークホテル(東京日本橋蛎殻町)で開催され、約400名の教員が一堂に会した。
開会式では、(社)全国柔道整復学校協会理事・大麻正晴氏が〝今年度から新しいメインテーマは「社会に求められる柔道整復教育」としました〟等、開会の辞を行った。引き続き主管校である学校法人創志学園日本健康医療専門学校・学校運営統括・渡辺広二氏が〝皆様と共々に情報の共有、新たな発見、親交を深めていくネットワークを使い、学生・患者さんを含めて、ライフワークがより一層向上するような研修会として実を結びたい〟等、挨拶。次に (社)全国柔道整復学校協会会長・坂本歩氏は〝2日間の研修会で何かをつかんで頂いて、今日来られなかった先生方にそれを伝えていただきたい。柔道整復の教育に携わる皆様が一堂に会する機会は年に一度であり、お互いの交流を図って頂くことも教員研修会の重要な役割〟等、話した。 (財)柔道整復研修試験財団理事長・大澤進氏は〝この教員研修会が人間性豊かな社会に役立つ医療人育成に多大の成果をあげますよう期待しています〟等、述べた。最後に(社)日本柔道整復師会会長・萩原正氏は〝柔道整復が医療界の中で生きていくためには学の構築が一番大事だと思っています。昨年6月、富山大学医学部大学院に講座を開設。多くの養成校、大学等で研究を進めていかなければならない時に来ています〟等、柔整学の重要性を強調した。
【講演1】「スキー・スノーボード外傷の初期治療」と題して日本健康医療専門学校非常勤講師(整形外科学担当)・梅澤香貴氏が講演した。梅澤氏は、十数年前から毎年12月中旬~4月初旬までの約4ヶ月間毎週末、長野県の野沢温泉村と白馬村の2箇所で『スキー診療』に当たっている。特に白馬村は冬の行政事業の一つとして『白馬村スキー傷害診療』を村として予算を計上し、〝しんたにクリニック〟に一任、多くの怪我人の対応に取り組んでいる。スキー外傷で多いのが膝靭帯損傷で、他には下腿骨骨折、肩関節・肩鎖関節の脱臼や頭部顔面の切挫創等である。スノーボード外傷では、橈骨遠位端骨折、肩・肘関節の脱臼、肩周辺部の骨折等で、原因の約70%が「自分で転倒したことによるもの」である。19歳男性スキーヤーによる肩の前方脱臼、20歳女性スキーヤーの下腿骨折、25歳男性スキーヤーの足首骨折、26歳競技スキーヤーの前十字靭帯断裂、22歳スノーボーダーの肩の骨折症例などの整復法や外旋位固定について説明、フランス人男性の肩の後方脱臼やアメリカ人男性スノーボーダーの肩関節脱臼等も紹介。最近のスキー場では外国人が多く英語圏ではない人もいるが、保険診療に関しては、これらの外国人は旅行者保険に入っているので問題ないが、問題なのは、スノーボードで遊んでいるお金を持っていない若者が保険証を持って来ていないといった現場ならではの報告があった。
この後、2つの会場に分かれ、
【分科会1】では、柔道整復師学校養成施設指導要領が改訂され、10年経過した今日、臨床実習の問題点を検討、実習方法を考えるとして「臨床実習の実施方法について」をテーマに、「臨床実習の実施方法について~学生からの視点に立った臨床実習のあり方の検討~」東京医学柔整専門学校・牧内くみ子氏、「臨床実習の実施方法について」信州医療福祉専門学校・古川清裕氏、「本校における高齢者機能訓練実習~臨床実習の新たな取り組み~」関西健康科学専門学校・中村満氏、「当校の臨床実習の実施方法」日本工学院八王子専門学校・本澤光則氏ら4名のパネリストを迎えパネルディスカッションが行われた。座長は、四国医療専門学校・浪尾敬一氏が務めた。