柔整ホットニュース

特集

『いま、柔整業界に起きていることとは?』

2010/06/16

契約を交わされていたわけではないのでしょうか?

確かに今までずっと協力関係にありましたから、毎年開催される学会の展示会ということで慣例になっておりましたために、取り決め事項について会話だけの約束事で継続してきました。つまり信頼関係の上に成り立っておりました。過去にも又現在においても取り決め事項についての覚書、或いは契約書といった書面は全く取り交わされることなく引き継がれてきました。私自身が引き継いだ時も、マニュアルや覚書等そういったものがありませんでした。所謂伝統的なことを申し送り・伝達しながら発展的にやってきたということなんですね。今回のようなことが起こらないよう防止する意味でも今後についての取り決め、役割分担的なことを含めてお互いがしっかり話し合って決めることが大事で、出来る限り早急に取り組んで行きたいと思っています。当然、単独では解決が図れないことではありますが、ただし今まで協力体制で運営してきたことに対して行うことですから、不可能ではないと思っております。これまで私も「日整と日理工は両輪だ」ということをよく言われ、伝え聞いてまいりました。やはり、そのことは一方的に言っている意味ではないと解釈しておりますし、やはりお互い、持ちつ持たれつの関係ということが言えると思います。確かに買うほうはお客様たちですけど、平たく言えば提供されるから買えるんですね。生産されるから買えるんです。仮に食べ物であれば、買うことが出来なかったら大変なことになる訳です。従って、買うほうだけが偉いのではないということなんですよ。どちらが上でも下でもなく、本当の意味でどちらも大切なんだということをもっと認識し合うことが大事であると思います。両者に主権はあるはずで、また対等な意識が必要ではないかとも思います。ただし一般的に言えば、お客様は神様といわれるところがありますので、どこまでがそうなのかということも言える訳ですが、それにしても全てが床に頭をつける必要はあるのだろうかと。例えば車のガソリンというのは、消費者がガソリンを買うからといって、ガソリンが無かったら生活に困ります。つまり、そういった関係、お互い需要と供給のバランスで共存していることを分かっていただきたいと思います。

 

ここに来て何故全国の足並みを乱すようなことをされたと思われますか?

基本的には収益目的だということです。共存共栄ということでお互いこれまで協力し合って運営してきました。しかし展示会を運営するにあたって、その道で長年培ってきた経験と身についた職業的な感覚がなければ出来ません。こう言ってはなんですが、我々はこの道のプロです。今まで経験していない人がやろうと思っても中々難しいと思います。柔道整復師会や協同組合の先生達が自分たちでやると言っても、結局またそれを業者に丸投げするだけだろうと。イベント会社も沢山ありますが、収入にならなければやらないので、一つも良いことは無いと思います。今回のことで、ある面ではそういう問題提起をされたということでありますし、今まで全く予想もしておりませんでしたが、次の方々、業界の後継者に対して、日理工としては正にマニュアルやルールを構築しておかなければならないというのが現実ですね。

(文責・編集部)

甲斐新一氏プロフィール

甲斐  新一 

 日本理学療法器材工業会・会長

[HP] 日本理学療法器材工業会


 

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