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初鹿明博事務局長を直撃!柔整議連が専門委員会後、初の総会!
―先日放送されたNHKのニュースでは、「厚生労働省が専門委員会を設けたのは、会計検査院などから柔道整復師の保険請求の内容に疑いがあるという指摘が出ており、その適正化策を検討するため」といったような趣旨の報道がありました。先程、初鹿議員のお話にあった専門委員会の設立趣旨とは少しずれがあると思われるのですが。
確かに不正があることも事実ですし、行政刷新会議の事業仕訳や会計検査院から同様の指摘を受けているのも事実です。ただ、今まで不透明な方法で決められていた療養費改定について、透明な場で議論しようという経緯で専門委員会が設置されたのであって、不正があるから専門委員会が設けられたというのは間違いです。
―専門委員会から話は逸れてしまうのですが、最近、保険者や柔道整復療養費点検業務民間受託会社から患者さんに送られてくる調査票、ひいては患者照会の方法そのものについて、明らかに受診抑制ではないかと思われるものがあります。柔整議連では今後そのような問題を取り上げて行く予定などはあるのでしょうか?
我々が聞いている話では、一部には不信感だけで柔道整復師を見ている健保組合などもあるようで、療養費をきちんと支給してもらえないという話も伺っています。やはり適正な治療を行った場合は、療養費はきちんと支払われるべきであり、滞ることが無いようにしなければなりません。患者さんからしても、保険者からよく意味のわからない通知が来るというのは治療に行くことにブレーキをかけることにもつながり、好ましいものではないと思います。柔道整復術がここまで根付いてきたというのは、日本人に合っていて患者さんも信頼を寄せているという証です。そういう意味でもブレーキをかけるようなやり方は制度改正とともにワーキングチームなどで話し合い、是正していかなければならないと考えています。保険者や民間受託会社から意見を聞くことも必要になってくるかもしれません。
―平成24年3月12日に厚生労働省から保険者に対して「柔道整復師の施術の療養費の適正化への取組について」という通知が出されましたが、その中には柔道整復師の施術を最初から不正と決めつけているという印象を受けるものも含まれています。その点についてご意見をお伺いしたいのですが。
患者さんのところまで行って徹底して調査しなさいというやり方は変えるべきです。悪質な請求を行っているところはごく一部であって、殆どの方は正当な請求をしています。医師の中にも一部には悪質な人もいると思います。だからと言って保険者がすべての患者さんに「本当に治療を受けましたか?」と調査するのかといったら、やらないし到底できません。柔道整復だけを調査するというのは、やりすぎているように感じます。明らかにおかしな施術者はレセプトを突き合わせていけば自ずと見えてくるはずです。そこを徹底的に調査して不正を発見していくほうが遥かに効率的ではないでしょうか。
―今後、柔整議連はどのような活動を行っていくのでしょうか?
まずは平成24年度の療養費改定です。その後、研修制度や養成校問題、患者照会、不正請求などの柔道整復業界が抱える諸問題を、制度改正を含めて時間をかけて一つひとつ解決していきたいと考えています。法律を変えなくてもできることは速やかに行うと同時に、法律を変えなければできないことに関してはしっかりと腰を据えて、実際に仕事をされている皆さんの意見も聞きながら議論していこうと思っています。まずは、皆さんがきちんと仕事が出来る環境、不正が起こりにくい仕組みを作らなければなりません。
―最後になりますが、柔整議連の活動に期待をしている数多くの柔道整復師にメッセージをお願い致します。
昨今のバッシングがありながらも安定的に柔道整復師にかかる人がいることを考えると、やはり国民は、気軽に行けてきちんとしたケアをしてくれる柔道整復師に信頼を置いているのだと感じています。柔道整復師の施術を受けていた患者さんが、全員整形外科に行って同じ治療を受けたらどれだけ医療費が膨らむことでしょう。柔道整復を利用することは、結果として医療費を抑制することにもつながるのだということを忘れてはいけません。不適切な施術・請求を行う一部の柔道整復師の極端な例を以て、制度全体を見直していくことはすべきではありません。我々政治家としては、きちんと適正な施術が行われて発展していくように後押しをしていくことが必要だと考えています。
プロフィール
初鹿 明博
昭和44年4月15日生まれ
江戸川区立小松川第二小・中学校卒業
東京都立両国高等学校卒業
東京大学法学部卒業