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ついに第一回柔道整復療養費検討専門委員会開催!

2012/10/20

近藤昌之委員からは〝地域格差について、我々が提示した参考資料を見ていただきたい。(資料[1]参照)まず何を以て6ヶ月を長期とするか。外傷を扱っていれば長いものも短いものもある。ひとつの治療を以て長短の判定ができるのであろうか。尚且つ長期6ヶ月以上のものはすべての県で10%以下となっている。特に長期施術が問題なのではなく恣意的に長引かせるかどうかが問題ではないか。同様に頻回についても25%以下、すなわち75%以上は少ない回数で治癒しているという事になる。つまり、この資料は我々の医療が長期・頻回・多部位だとする根拠にはならないと考える。実際の医療費から見ても我々の業界はかなり下がっていて、医療費を上回っているという事は全くない。全体の医療費を下げるためにも柔道整復を活用していただけるとよろしいのではないか。やはり制度の見直しをもっと検討していただかないと、柔道整復師の伸びが高い等のひとつの側面だけで判断されるのはいかがなものかと感じている〟と異論を唱えた。(全国柔道整復師連合会が委員会に提出した全資料はこちら

資料[1](提供:全国柔道整復師連合会(柔整ユニファイ))

さらに工藤鉄男委員は〝秋までに料金を設定しなければいけない。そこでひとつ皆さんにお願いしたいことは、今まで国民医療費の伸び率を上回っているから、色々な方法を取って削減しましょうと言ってきた。しかし今度は保険者の財政が非常に厳しく、健康保険組合の赤字を理由に削減していく。我々団体に対しても下げなければならない根拠をもう少し明確にしていただきたい。今回の改定についてはできれば2年間改定率ゼロの現状のままにして頂いて、その後、制度の問題も含めた中で新しい料金制度を作っていく。その間に我々も療養費を使う事によって如何にして医療費の削減に繋がるのかというエビデンスもしっかり出す。そして何よりも問題なのは、この中に国民の考え方がひとつも入っていないということではないかと思う。国民にこの療養費の取扱いや我々の業務が果たしてこれで良いのかどうかも踏まえたアンケート調査等をする必要もあるのではないか〟と改定の具体的な数値を提示した上で、引き下げの合理的根拠の説明を求めた。

松岡保委員は財源がないという保険者の事情に一定の理解を示しながらも〝引き下げるのではなく、審査基準とか審査会の権限等を全国統一したものにしていくという事がひとつの方法ではないか〟と発言し、続けて工藤鉄男委員が〝平成7年度の療養費の改定時に審査会の充実、審査内容をしっかりしなさいと指摘された。審査会も色々な努力をしているが、我々が色々な審査をしたり医師に協力を依頼してもなかなか実行されない。それが実行されるようになると、料金を引き下げるよりさらに削減率が高くなる。その辺をこの2年間の間にしっかりと互いに出し合って問題がないようにした方が削減率の幅も広がるだろう〟と付け加えた。

その後、嘉数研二委員から〝根本的な問題が3つある。1つ目は柔道整復師の数が多すぎること。柔道整復師養成校の問題も含めて、何とかしなくてはならない。2つ目は、柔道整復師法という法律があるが疾患名や部位の問題を含めて、実際にその通りにやっているのかいないのかといった実態の検証も必要ではないか。3つ目として支払方式もきちんとした検討が必要。どういう方法が一番良いか、質の問題、数の問題、柔道整復師法などとの整合性がきちんと取れるのか。そういった点を検討していただきたい〟と今後話し合われていくであろう中・長期的課題が挙げられた。村岡晃委員は〝保険者の立場からすれば療養費を含めた医療費の改定についてはなかなか厳しい現状があるというのが率直な意見。しかし双方納得のいく議論をしていくべきだろうと思っている。24年度の改定については、基本的にはプラスマイナスゼロということで据え置きながら、今後の中長期的な議論の中で適正にすべきところをお互いに議論し合って、より良い方向で判断を下していくべきではないかと思う〟と述べた。

最後に24年度改定について遠藤久夫座長は〝早期に結論を出さなければならないが、根本的に考えなければならない事柄も多い。算定要件上の変更が入るような形になると本質的課題とぶつかる形になり、改定率の議論が長引く虞がある。また施術側と支払い側では折り合わない部分もあるかと思われる〟として、次回の同委員会では厚生労働省事務局が作成する改定案をベースに具体的な議論が行われることとなった。次回の開催日は未定。

 

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