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第16回柔道整復師小委員会が開催される!

2012/05/01

平成24年4月18日(水)16時より、参議院議員会館B104会議室において民主党統合医療を普及・促進する議員連盟「第16回柔道整復師小委員会」が開催された。

今回は公益社団法人国民健康保険中央会顧問・田中一哉氏も出席され、小委員会事務局長である大島議員より〝前回はなかなか保険者の皆さんとのやり取りが出来ませんでしたが今回は意見交換を中心とするように時間を取っておりますので、ご質問を頂きながら意見交換をさせていただくという形で進めさせていただきますのでご協力を宜しくお願い申し上げます〟と挨拶があった。その後、田中氏から国民健康保険団体連合会の現状及び問題点について説明がなされた。

 


国民健康保険団体連合会の現状及び報告書の説明

公益社団法人国民健康保険中央会 顧問 田中一哉氏

国保被保険者の職業構成は、昭和40年頃は農林水産業、自営業の割合が7割近くを占めていた。しかし平成19年度には農林水産業が4.2%、自営業17.4%と大きく減少し、第一次産業、自営業者の医療保険という形ではなくなってきている。一番増えているのは無職者で平成13年度からは無職者の割合が5割を超えている。被用者保険加入者はどの世代においても一定数がいるが、国保は高齢者を多く抱える構造となっている。被保険者の半分が年金受給者という事になり、高齢化社会の影響が表れている。今後、さらに年金受給者、いわゆる無職者が増える傾向になると思われる。

国保は基本的に赤字で財政の安定はない。日本の医療保険は社会保険という形で制度設計が構築されており、社会保険は加入者の保険料で賄われている。企業は一定の所得を補償し医療費があまりかからない年齢層の健康な人を雇用しているため、社会保険が成り立っている。要するに保険者は被保険者を選ぶという事になる。では国民保険はどうか。国保は医療保険者が市町村だが、国民健康保険法ではその市町村に住所を有する者は健保組合、協会健保、共済組合等の被用者保険加入者、生活保護受給者を除いて、全員国民健康保険に入るようにとされている。病気がちだから、保険料を払えそうにないからという理由で入るなとは言えない。これが国民健康保険の基本方針であり国民皆保険という構図の中で最終的に医療保障を任されている国保は、社会保険として存在するだけの制度設計になっていない。そのため財政状況も毎年赤字となっている。赤字は市町村の一般会計から補填されており、国民皆保険はその補填によって支えられていると言っても過言ではない。収入面の一番の苦労は負担の公平で、住民が不公平さを感じないように配慮している。一方、支出面についてはより厳しく査定していかざるを得ない。

柔道整復療養費に対する審査・支払業務の円滑化・効率化や、適正な柔道整復療養費の請求・支払を図るために必要な対策として、(1)施術所からの請求方法の統一化について、(2)審査の統一化について、(3)全国決済制度の導入について、(4)疑義請求対策について、(5)柔道整復療養費に係るIT化の推進について― の5項目を提言する。国保は全国決済制度を行っている。例えば皆さんの施術機関に他県の患者が来院した場合、今は他県に請求する必要があるが、国保の場合は自県の国保連合会に請求すれば当該県連合会は連合会間で決済し合うことができ、無駄な経費も発生しないシステムになっている。柔道整復師業界もシステム化すれば患者は全国どこでも安く施術が受けられ、皆さんも自県の慣れた連合会に照会することが出来る。そのような事務処理体制が出来ればと考えている。

日本の皆保険体制における医療システムの中で柔道整復師の皆さんの施術は地域においてとても必要な事であり、柔道整復師の世界にも大いに期待している。


 

次に【施術・受領委任払い】と、厚労省より出された通知【平成24年3月22日保医発0322第1号】に関して小委員会事務局に寄せられた質問に対し、厚生労働省保険局医療課保険医療企画調査室長の屋敷次郎氏から回答があった。

特に、3部位以上の施術を多部位施術、3か月以上の施術を長期施術、月10回以上の施術を頻回施術として重点的審査の対象とするとした審査要領(上記厚労省通知参照)については、国家資格を取得し結果を出すために努力しているにもかかわらず安価な無資格のマッサージ店よりも低い金額で施術をすることになりかねないと、柔整師側から不安の声が上がった。
これに対し屋敷氏は〝審査は全ての支給申請書に対して行われております。その中で、回数が少なくても支給申請内容として適正ではないと判断されて支給しないという結論に達するものもあるでしょうし、回数が多くても資格を持っておられる柔道整復師さんの施術として適正なものならば支給すべきだと思います。ただ審査する側から見れば、ある施術所から出された支給申請書は回数の多いものが占める割合が高い傾向にある等の見方は出来ると思いますので、そういう点について重点的に審査を行うということが考えられます〟として、月10回以上の支給申請全てが支給されないということではないと強調した。

 

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