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公益社団法人日本柔道整復師会 第34回関東学術大会茨城大会が開催!
東日本大震災から1年を迎えた2012年3月11日、つくば国際会議場で公益社団法人日本柔道整復師会第34回関東学術大会茨城大会が、開催された。
朝9時から始まった開会式では、昨年の東日本大震災による死亡者・行方不明者と物故会員に対して黙祷が捧げられた。
はじめに(社)神奈川県柔道整復師会・吉田充孝会長が開会の辞を述べ、続いて主催者である(公社)日本柔道整復師会・萩原正会長が〝公益法人として公益に資する自覚と責任が従来にもまして必要となる中で、学術研鑽活動は大きな柱の1つです。富山大学大学院医学薬学研究部に「柔道整復学寄附講座」を開設して間もなく3年、柔道整復後療法の有効性を科学的に解明するため大学内研究機関での基礎研究に加え日常の臨床現場である接骨院での治療効果を統計学的に証明する作業が課題であり、現在多くの症例を集めるために大規模な調査活動をしておりご協力願いたい〟等、挨拶した。
また来賓祝辞の中で市原健一つくば市長は〝去年の3月11日に起きた東日本大震災に対して、皆さんがボランティア活動をはじめ様々な支援・援助を行っていただいたことに感謝申し上げます。私は市長ですが整形外科の医者で、皆さんとは同業者で常日頃同じような観点から患者さんを拝見しており、やはり接骨師の皆さんと整形外科を中心とした医療の連携が重要ではないかと感じています。現在、医療だけではなく福祉、介護という非常に幅広い分野で住民サービスを行うとなっており、お互いに手を携えて地域医療の向上に努めることが今後ますます求められる〟等、研究都市であるつくば市のPRも含めて祝辞を述べた。
続いて主管県である(社)茨城県柔道接骨師会・市川善章会長が〝本学術大会は宝の山がぎっしりつまった大会であります〟と冒頭に力強く述べた上で〝昭和49年に第一回目を開催、今年で34回の長い歴史の中で柔道整復師の医学的研究が研鑽され、大きな成果をおさめてきましたが、我々柔道整復師を取り巻く環境は益々厳しい状況にあります。問題解決に向けて柔道整復師一人ひとりが広く見識を高め、たえず人格の陶冶に努め、良質な医療を提供することが不可欠です。日本柔道整復師会の倫理綱領に〝柔道整復師の職務に誇りと責任を持ち、仁慈の心を以って人類への奉仕に生涯を貫く〟という文言があり、正しく我々は人類への奉仕を果たさなければならない〟等、歓迎の挨拶を行った。
『四肢外傷に対する超音波検査のススメ』と題した特別講演
有明医療大学柔道整復学科、学科長・柚木脩教授は、〝エコーというのは、放射能を使わないので今後ますます世界的に発展すると思われます。特に超音波検査の効果的使用が課題で、誰でもエコーを操作すれば観ることが出来るが、その画像をどのように使うかが大事であり、治療法の選択と治癒の確認は本当に楽しいという話をしたい。いま有明医療大学では、学生に整形外科学の中で超音波診断学を原理的な面も含めて教えているが、これは必ずしも柔整の問題だけではなく整形外科の治療に関わる判断の参考とするため超音波検査を行うことは、保険診療上の価値が高いと解釈している。エコー検査をする場合には何故それが必要かという理由を記さないと中々通らない。必要な症例にエコーを使うのは医者にも同じような環境があることをご理解いただきたい。柔整の先生方もどのように価値のある使い方をするか、それをやらなければエコーそのものの価値が下がってしまう。私はエコーの価値を下げたくない気持があり、これは非常に大事なことで、それを念頭に置いて聞いていただきたい〟と述べてから、四肢外傷の基本的な症例における軟部損傷を中心に多くの画像を解説、プレゼンテーションされた。