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公益社団法人日本柔道整復師会第30回東京学術大会開催!
午前の部では『画像読影法』と題した、サヴァイクリニック院長・田中卓雄氏による特別講演が行なわれた。
田中氏はCT、MRI、超音波などの画像診断装置の様々な違いや夫々の特徴、読影法についてスライドを用いて解説し、〝画像診断の基本は、あるものはある、ないものはない。その異常をきちんとチェックしていけば診ることが出来る。治療は経験学であるから、色々な治療を経験して、その経験の中に学問的な裏付けをとることで経験がより確かなものになっていく〟と、近年提唱されているEvidence-Based Therapy(根拠に基づく施術)における画像検査の有用性を主張した。さらに、画像検査を導入することにより見落としを防ぐことが出来るが、〝例えば、腰痛で来院した患者が疾病であるのか外傷性疼痛であるのかを知るためには、ある程度病気のメカニズムを知っていなければ正しい施術は出来ない。医療で検査しなければ原因がわからないこともある〟ため、必ずしも自分の経験学だけではなく、色々なものを判断材料にすべきだとした。また、柔道整復師は医療の窓口になることが多い為、論拠に基づいた医療を徹底するためには〝医師との連携を図ることが重要。医師から信頼されて、患者を送ってもらえるような柔整師になってほしい〟と語った。
午後の部では、東京有明医療大学保健医療学部学部長・関寛之氏が『頚肩腕障害について』と題した特別講演を行なった。
首や肩の痺れ等の頚肩腕障害は、腰痛関連障害に次いで多い。この多くは過用症候や廃用症候である場合が多いが、なかには腫瘍や感染症等、早期に治療を施さなければ取り返しのつかないような重大な疾患が含まれていることもある。関氏は多くの症例画像を用いて、頚肩腕障害で痛みや痺れが起こる機序、治まる機序について生理学的観点から解説した。
その後、(社)神奈川県柔道整復師会・横山健二氏から『高齢者の上腕骨外科頚骨折の治験例―認知症を伴う患者様の治験報告―』の発表があり、会員発表へと続いた。
会員発表は、東京有明医療大学・久米信好氏『脛骨粗面の疼痛について』他16題、ポスター発表は5題が行なわれ、日頃の研究成果が発表された。
最後に、発表者等の表彰が行なわれ、(公社)東京都柔道接骨師会副会長・伊藤述史氏が閉会の辞を述べ、閉会となった。