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「日整元会長・原健氏に聞く!」

2010/09/16

近年、保険者が民間調査会社に外部委託するケースがどんどん増えて、この流れが止まらないようです。原先生はこのことに関してどのように思われますか?

協会健保は出先機関で委託を受けてやっている訳です。これに決定権は無いわけです。決定権があるのは、支払者は保険組合とか国保の市役所の国民課とがあるわけで、だからその人たちが仮にそういう調査を依頼するようなことがあるならば、これは日整が対応しなければならないと思います。リサーチという会社が昔ありましたが、仮にリサーチの会社みたいなものであるとすれば、その会社は実績を上げないことには潰れる訳ですから、どんどん柔整界を潰しにかかります。やはりキチッとした対応しなければいけない。当然これは日整が業界を代表して対応するべきことですから、私のほうから進言致します。

 

当時念願でありました柔整大学が現在11校、更に昨年国立大学である富山大学大学院に柔整講座が開学になりました。しかも2年前には、信原克哉先生のご尽力により柔道整復学が構築された訳ですが、業界では、政治的な意味での学の構築ということには、関心を寄せても、本当の意味での柔道整復という学問体系を更に進めようとする考えが少ないように感じますが。また大学関係者も、柔道整復学に関して意見が出ない、自分の殻に閉じこもっているように思いますが?これらについて原先生はどのような感想をお持ちでしょうか?

柔整大学が11校設立されたことは大変喜ばしいことです。柔道整復師の知的レベルの向上が図られるようになります。大学ができてようやくこの業界も一人前になったということです。医師の圧力によって抹殺されるようなことなく独自の道を歩めるとして国家的認知を得られたものとして喜んでおります。柔整学としての構築は、西洋医学としての仮の構築と受け止めております。伝統医療としての学の構築は、もっともっと長い年月を経なければ成就しないと思います。整形外科的な勉強に加えて伝統医療としてどのような道を歩んできたか、無血治療の特徴と功罪、高度にすすんだ西洋医学の中でも、なおかつ柔道整復が存在理由はどこにあるのか、など多くの勉強すべきジャンルは沢山残されております。そのあとで真の柔整学の構築が行われるものと理解しております。

おわりに私が82年間の人生の歩のなかで学んできたことは、自己権利の主張はいいもののその責任の重大さを知ることであります。

一、
自分を愛するが如く他人を愛する心を持て
一、
素直な心は人を正しく聡明にしてくれ
一、
熱意と誠意で懸命に取り組むところに自ずから人の協力が得られる。

 

(文責・編集部)

 

原元会長プロフィール

原 健

 (社)京都府柔道整復師会元会長

 (社)日本柔道整復師会元会長 現在顧問

 京都市社会福祉協議会前会長 現在顧問

2001年5月にWHOに柔道セラピーとして承認されたことにより、スリランカから公式招聘されるなど柔道整復師国際化への道を切り拓いた。

 

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