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古川俊治参議院議員が柔整師に熱いエール!

2010/04/01

topic3古川俊治参議院議員が第32回(社)日本柔道整復師会関東学会埼玉大会で〝人類が生きている限り外傷は決してなくならない〟と柔整師に熱いエール!

平成22年3月14日(日)、大宮ソニックシティにおいて第32回(社)日本柔道整復師会関東学会埼玉大会が開催された。

開会式が行われ、この日特別講演をされる参議院議員・古川俊治氏(医師・弁護士・慶応大学教授)が来賓祝辞で〝もはや百歳も夢ではない時代がきました。長寿の生活で如何に楽しく健康で生活できるか、そのためには運動器の管理と介護予防が是非とも必要です。これから先生方の活躍していただける分野がますます広がります。人類が生きている限り、外傷は決してなくなることはありません。これから高齢化社会に向かい、医療の需要が増えていく中、本当の外科医療の本質である外傷の分野で是非とも柔道整復術を大きく発展させていただき、国民の健康のために尽くしていただきたい〝と挨拶。続いて行われた『柔道整復術への期待』と題した特別講演の内容を掲載します。

古川氏:以前より、柔道整復術が進展していくことがこれからの医療にとって是非とも必要であると思っていました。私から見た医療の展望と柔道整復術のかかわりというものを知っていただきたいと思い、演題を設定しました。西洋医学でよく言われるのは、「データを見て、症状を診ず」「臓器を見て、全身を診ず」「病気を見て、患者を診ない」木を見て、森を見ていないということであり、結局ずっと病院に通っても患者さんはよくならない。これからは患者さんが最終的に満足するかどうかを基本に考えていかなければならない。患者さんの結果というものを見ていこう。これが今のEBM、科学的根拠に基づいた治療の根本的な考え方で、今はこちらの方向性になっています。今まで医者というのは特に科学的な整合性に執着がみられました。特に大学の教授はそういう傾向が強かった。また患者さんの希望というよりは、自分が自信のある方法、自分がやってみたい方法に固執する傾向があり、全く患者さんのことは考えていない、こういう批判はあたっていると私も思います。これからは、患者さんの性格というものを重視し、インフォームド・コンセントを徹底して、患者さんの考えを尊重していく、こういう方向に流れなければいけない。これが今までの西洋医学の大きな展開で、今現れてきた現象だと思います。(中略)

今、政府は統合医療を目指すとしているが、実は統合医療を目指していこうというのは先進各国アメリカ・ヨーロッパでも行われており日本に限ったことではありません。統合医療というのは新しい方向性です。伝統医療を取り入れていく、西洋医療と融合させることが正に先端医療に結びついている。しかし統合医療の中には民間療法も入っているため、しっかり選別すべきである。(中略)

柔道整復術の臨床における蓄積が個人レベルの蓄積に終わっており、こういう点が今、伝統医療に問われている。日本の伝統医療というものは、他の施術と同様に患者さんの期待が高まっているところがある。教育システムの適切な改革と柔道整復術をやられる先生方の間の情報交換を進めていただきたい。もう1つ、安全性と臨床効果を今後どのように検証していくか。この点が伝統医療の柔道整復術の可能性を最大限に引き出すためには、重要だと考える。また、EBM、科学的根拠にもとづいた医療が医療のスタンダードなってきた。一方、どんなに偉い先生が行っても患者さんのエビデンスに基づいていないものはやはり駄目という評価が、科学的でないとなって、実をいうと医学のガイドラインの中で必ずしも高い順位の科学的根拠が多いわけではない。いろんな教科書に書いてあることは、皆さんがお考えになっていることなので自信をもってすすめていただきたい。医療を選択する場合、いつもこれが正しいんだというのはあまり無いんです。実はいつも間違っているというものもあまりない。我々患者さんを診ていく多くにはいろんなことがあります。経験に基づいて判断する、或いは倫理に基づいて、患者さんに対してどういったことが医療技術者として相応しいか、そういった倫理的な概念から入っていく。残念ながら医療費の自己負担が増えていくとなると、やはり伝統医療の中で科学的根拠を積み重ねていくことが私は重要だと考えています。これから柔道整復術が本当に良いかどうか、この点が良いということであればそれを実証するために是非科学的研究を進めていっていただきたい。科学的根拠が蓄積されていくと患者さんが信頼するようになります。本当にこれでよくなるんだということがわかれば、もっと応用が拡げられると私は思っています。施術方法が先生方の中でバラツキがあれば良い方法というのは調べていくと分かってきます。いろんな施術の方法がじょじょに一番良い方法に集約化してきて、それが根拠になり好循環を構築するといった科学的根拠を積んでいくということと同時に標準化していく。それがこれからの柔道整復師に有効性を提示するために求められることだと思います。これからもし先生方が柔道整復師ガイドラインを作られるとした場合に、考えていただきたいのは強制ではないということ、規則ではなく、こういうのは良いんじゃないですかということであり、それは医療の場合も同じで、これは決して先生方の施術というものを縛るものではない。まずそういった基準というものを施術者と患者さん双方の出発点にしていただくということです。それは決して到達点ではない。共通の出発点、そういったものは共通の良識、施術の標準化というものは是非進めていただきたい。最終的には、自分の決定というものが大事で、どんなに科学的根拠が正しくても最終的には患者さんたちの選択になります。どういった治療を受けるか、最終的には患者さんのインフォームド・コンセント、納得が必要です。

 

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