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これだけは知っておいて!!

第52回   【接(整)骨院のホームページの内容について考える】
<Ⅰ>

2012/07/16
医療に関する広告規制

1.   病院情報等のインターネット等による提供について

(1)
医療機関のホームページの医療法上の位置付け
 
医療に関する広告については、医療法上、広告可能事項を除き、「文書その他いかなる方法によるを問わず、何人も」広告してはならないと規定されている。

 

また、インターネット上の医療機関のホームページについては、局長通知により、当該医療機関の情報を得ようとする目的を有する者が検索サイトでの検索等を行った上で閲覧するものであり、以下のいずれかの要件を満たさない場合は、原則として広告とは見なさないこととされている。

医療法上の広告に関する三要件(医療広告ガイドラインより引用)

患者の受診等を誘引する意図があること(誘因性)
医業・歯科医業の提供者名又は病院・診療所名が特定可能であること(特定性)
一般人が認知できる状態にあること(認知性)

 

今般、全国の消費生活センターに美容医療サービスの広告等に関する相談が多数寄せられていることを踏まえ、消費者庁より、医療機関のホームページ上の不適切な表示等に対する適切な対応が求められている。同様に、消費者委員会及び独立行政法人国民生活センターからは、美容医療サービス及び歯科インプラント治療に関する医療機関のホームページ上の不適切な表示等への対応が求められている。

医療機関のホームページを医療法上の広告と見なすか否かとの観点からは、以下のような現状を踏まえると、これまでと同様、医療法上の広告と見なさないことは難しくなりつつあると考えられる。

インターネットを通じた情報発信が極めて一般的な手法となっていること
インターネット上の情報を国民・患者が居宅でパーソナルコンピュータから入手できるほか、携帯電話等で移動時にも容易に情報を入手できること
疾病や健康に関するホームページからの誘導等により、元々閲覧する意志がなくても医療機関のホームページにたどり着くケースが増えていると考えられること

 

しかしながら、医療機関のホームページを医療法上の広告と見なし、保険診療を行う一般的な医療機関のホームページを含めてその内容を一律に規制してしまうと、以下のようなデメリットが生じると予想される。

患者自らが知りたいと考えられる情報(例えば、治療法・施術の内容、効果)がインターネット等により入手できなくなること
既に多数の医療機関がホームページを開設している中、規制の実効性が上がらず、技術的にも困難な点が伴い、違反広告に対する指導等を行っている都道府県の負担が大きいこと

 

また、一般的な医療機関のホームページは必ずしも患者を対象とした広告としての性格のみを有するだけではなく、医療機関の理念や特徴、地域活動に関する紹介情報、医療職種の採用情報などを発信したり、他の医療機関との連携に当たっての情報を共有したりする性格を併せ持つことから、医療法上の広告と見なして一律に規制することによって、メリットを上回る大きなデメリットが生じると考えられる。

今回要請のあった美容医療サービスや歯科インプラント治療のホームページの内容に関しては、何らかの対応は必要と考えられるものの、この問題は、本質的には自由診療分野に根差したものと考えられるため、公的医療保険を担う一般的な医療機関のホームページのあり方全体の議論に拡大すべきものではなく、美容医療サービスや歯科インプラント治療などの自由診療分野を念頭に対応することが適当である。

 

続く  

 

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