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第39回   【西川きよし参議院議員の「柔道整復」に関しての質問 <Ⅰ-1>】

2012/01/01

関本匡邦会計検査院事務総局第二局長

柔道整復師の施術に係る療養費につきましては、その支給が適正に行われているかということなどにつきまして平成5年に検査を実施しております。そして36都道府県に所在いたします療養費の支給額が多い94の施術所の柔道整復師について検査いたしましたところ、療養費の請求が適切に行われたとは認められない事態が見受けられたわけでございます。まず、柔道整復師に係る施術料は、医療機関の治療を受けている負傷部位については支給対象とはならず、また神経痛等の内因性疾患については施術対象とはならないとされておりますが、医療機関の治療を受けている患者や神経痛等の患者に施術所が多数見受けられたわけでございます。それから次に、施術は療養上必要な範囲及び限度で行うものとし、特に長期または濃厚な施術とはならないよう努めなければならないとされておりますが、通常1部位あるいは2部位であります負傷部位数が3部位以上となっておりましたり、あるいは患者に対してほとんど毎日施術を行っていたり、あるいは3ヶ月を超える長期施術を行っていたりしておりまして、療養上必要な範囲及び限度を超えて施術を行っている施術所が多数見受けられたということがございます。

これからまた、施術に係る療養費は、患者からの受領委任を受けた柔道整復師に支給することになっております。そして、受領委任は、請求金額等が記載された申請書に、患者の自筆で住所、氏名等を記入いたしまして押印することになっておりますが、大部分の施術所では、療養費額等について、患者自身による確認がないまま受領委任状が作成されておりましたり、あるいは施術所が署名及び押印を行っていたりしておりました。また、申請書に負傷原因を具体的に記載されていないために、療養費の支給の適否を確認出来ない施術所もあったということでございます。こうしたことから、厚生大臣に対しまして、柔道整復師の施術に係る療養費についてその適正な支給を期するために、柔道整復師あるいは保険者等に対しまして療養費制度及び受領委任制度の趣旨を周知徹底させることはもとよりのことでございますが、算定基準等を適正なものにしたり、あるいは審査基準を明確にするなど審査体制の整備を図ること、あるいは施術所に対する指導、監査の体制の整備を図ることにつきまして是正改善の処置を要求したところでございます。これに対しまして、厚生省では、本院の指摘の趣旨に沿いまして11年、昨年の10月までに所要の処置を講じたということでございます。

 

西川きよし参議院議員(無所属)

ありがとうございました。この検査が行われたのが平成4年ということでございますけれども、厚生省といたしましては、当時はそういう実情をご認識されていたのか、それとも会計検査院の方から指摘があってからおわかりになったんでしょうか。

 

近藤純五郎厚生省保険局長

制度の仕組みが十分でなかったというのは厚生省でも当然認識していたと思いますし、その指摘を踏まえまして改革の措置をとったわけでございます。平成5年当時のことを若干申し上げますと、柔道整復師の施術に係ります療養費の算定基準というのが不明確であったわけでございます。それから、審査や指導、監査体制についても全国統一的な基準がなかった、こういうふうな実情があったわけでございまして、平成9年の通知によりまして算定基準の明確化を図ってございます。それから、それを周知徹底させる、こういうことで講習会の開催等も行う通知を出しているわけでございます。それから、昨年の通知でございますけれども、審査委員会の体制を整備する。それから、指導、監査の体制というのも、これまで各県ばらばらで行われていたわけでございますけれども、これを統一的な基準にする、審査も厳正にやる。それから、監査、指導というものも厳正に行う。こういうふうなことで体制ができたということで、これからまさにその実施の時期である、こういうふうに考えているわけでございます。

 

西川きよし参議院議員(無所属)

そこで、会計検査院から指摘された後、今日まで厚生省としてはどのような措置をとってこられたのかお伺いいたします。そして、まず、この療養費制度及び受領委任制度の趣旨と周知徹底という項目ですけれども、そもそもこの受領委任制度について、さまざまな角度からのご意見がございます。例えば、あんまマッサージ、はり、きゅうについてはこの制度が認められていないわけですから、何故柔道整復が認められるのか。あるいは、そもそもこの例外を認めることが果たして必要なのかどうかという疑問もあるわけですけれども、厚生省はこの受領委任制度の必要性としてはどういうお考えでしょうか。