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民主党柔整議連役員会に全整連と厚労省出席

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平成25年6月18日(火)、衆議院第2議員会館地下1階第4会議室において「民主党柔道整復師の業務を考える議員連盟」(以下 柔整議連)の役員会が開催された。

冒頭、柔整議連・武正公一会長より〝今日は厚生労働省、柔道整復師の先生方に出席していただいている。前回は、療養費支給申請書への電話番号等の記載について議論し、任意だということで厚生労働省から通達を出していただいた。議連として柔道整復師の先生方のご意見をしっかり受け止め、様々なご要望に応えられるようしっかり努めたい〟と挨拶があった。

次に、業界関係者として出席した全国柔道整復師連合会・田中威勢夫会長は〝今、柔道整復業界で一番大きな問題となっていることは、保険者による患者調査・問合せである〟と発言。田中会長によれば、今年の4月24日付で厚生労働省から適正化のための運用の見直しとして新たな事務連絡が出されたが、保険者の中には、昨年の3月12日発の4課長通知をたたき台として、未だホームページ上に掲載しているところもあるという。〝議連を通じて、保険者による患者調査・問合せについて正しい在り方を徹底して指導してほしい〟と問題の早期改善を求めた。

さらに田中氏から柔整議連に対し『柔道整復師の施術の療養費の適正化への取組みについて』と題した意見書が提出され、同連合会田村公伸氏は〝申請書になぜ郵便番号、電話番号を記載しなければならないのか。患者が受領委任欄に自署をしている要件を満たす場合に郵便番号、さらに個人情報である電話番号の記入を求める理由と必要性はないと考える〟として、文言の全面撤廃を要望した。

続けて同連合会池田勝光氏から、リコー三愛グループ健康保険組合とみずほ健康保険組合から組合員宛に出された調査文書が紹介され、その内容について厚生労働省保険局医療課保険医療企画調査室長・竹林経治氏との質疑応答が行なわれた。

リコー三愛グループ健康保険組合の調査文書について

「また、適正医療のため、施術が長期間(3ヶ月)に渡る場合は、一度、医師の診察を受けるよう厚生労働省からの通達がされています」と書かれているが、このような通達はいつなされたのか、また発信元はどこか。誰が受信したのか。

「医師が柔道整復師の施術が必要と判断した場合、医師の同意書を取得し、柔道整復師へ提出してください(同意書の費用は自己負担です)長期の柔道整復師の施術には、整形外科医などの医師の同意が必要です」としているが、同意書が必要になったのはいつの条例で、どのように通知されたのか。

【厚生労働省の回答】
①にあるような通知は出しておらず、整合性の無い文書が出ていると理解せざるを得ない。②についても、骨折・脱臼で医師の同意が必要な場合も、書面でなくても良い。

みずほ健康保険組合の調査文書について

「健康保険組合といたしましては何らかの原因が伴う外傷性の捻挫、打撲、挫傷と骨折・脱臼の応急処置(2回目以降は医師の同意が必要)は健康保険適用外になります」と書かれているが、この文章では捻挫・挫傷・打撲など、全て2回目以降の施術に対して医師の同意が必要になるが、そのような通達は出されているのか。

「今後、整骨院・接骨院での治療に保険適用を希望される場合、S.T(仮名)様が負傷された箇所を整形外科医等の医師による診断をお受けいただくか、又は、療養費での施術を継続する必要性及び理由書を書面にてご提出いただき、その内容を確認の上、今後の療養費の給付を検討させていただきます」と書かれているが、療養費の支給基準においては、理由や必要性を提出するような記載はされていない。

【厚生労働省の回答】
記載に問題があると言わざるを得ず、指導しなければならない状況。健康保険組合の不適切な表現などについては個別に対応していく必要がある。

例に挙げた保険者は氷山の一角であり、これに類する調査を行なっている保険者は他にもあるという。池田氏は〝我々柔道整復師が正当な業務を遂行しようとしているにもかかわらず、絶えずこのような文書が配布されることは明らかに業務を妨げており遺憾〟と述べ、厚生労働省は、元々健康保険上は療養費の支払対象は患者であることから、必要に応じて保険者が患者に対し調査を行なわざるを得ない状況があるとして保険者の立場を代弁したが、同時に〝調査がタイムリーでなければ記憶が薄れることもある。聞き方も誘導尋問のような形ではなく、適切に調査するようにと示している。厚生労働省は決してこのような趣旨で通知しているわけではない〟と、保険者による調査が厚生労働省の意図を曲解した形で行なわれていることを示唆した。

同連合会近藤昌之氏は患者調査が激化した背景を解説した上で、〝厚生労働省が通知を出した本来の意図・意味と違ったように動いてしまっている現状がある。その点を修正しなければ、柔道整復師の適正化として本来あるべき様とかなり異なってしまうということを、議員の方々や厚生労働省の方々にしっかりとご理解いただきたい〟と強調した。

これに関連し、和歌山県かつらぎ町で実際に配布された『柔道整復師のかかり方』というパンフレットについて、記載方法に問題があるとして柔整議連は厚生労働省に対し意見を求めていた。厚生労働省は〝『健康保険で施術を受けた場合には、療養費の申請のために、「療養費支給申請書」に記載されている内容を確認して、必ず自分で署名することが必要です』とあるが、原則としてはこれで良い〟としながらも、患者が自身の都合で来院を中断してしまう可能性もあるため〝月の最初に署名が行なわれることは運用上仕方がない。必ず内容を確認した上でということも、現場での運用と齟齬がある。手を怪我していて自署できず、施術者が代わりに署名する場合もある。どこかに「原則として」という言葉を入れることが、より現場の運用に近い形と考える〟と、必ずしも施術内容を患者に確認させ自署させなければならない訳ではなく、あくまで原則であるとした。また裏面に『柔道整復療養費が増え続け、国保や職場の健康保険などの財政を大きく圧迫しています』と記載されていることに関しては、〝少なくともここ2~3年は国民医療費の伸びを柔道整復療養費の伸びが下回っていることを考えると、表現として過剰なところがある。しかし基本的な考え方の部分では齟齬はないと思う〟とコメントを出した。
(かつらぎ町のパンフレットに対する柔整議連側の指摘部分、厚労省側の検証結果の詳細はこちら。

厚生労働省は他にも、柔整議連より提出されたとある出版社が作成したとされる啓蒙パンフレットの内容について触れ〝見出しで『接骨院・整骨院では条件を満たさないと健康保険は使えません』と大きく書かれ、中央には『原則全額自己負担』と書いてある。これは大いに問題がある〟と述べた。尚、厚生労働省が確認したところ、この文書を作成した出版社に対しては既に関係各所から苦情が寄せられており、新たに発行はされないという。

調査文書の記載方法に問題のある保険者への指導として、大西健介衆議院議員から〝厚生労働省でこのように指導し、それに対して相手からこのように反応があったと我々にきちんと報告してほしい〟との要望とともに、〝事務連絡で「一部不適切な調査がされており、柔道整復業界からも抗議がある」と保険者に注意喚起できないのか〟と提案がなされた。それに対し厚生労働省は今回話にあがった保険者や出版社について指導を行い、その結果を柔整議連に報告する旨を約束。事務連絡についても検討していく姿勢を見せた。

さらに、前柔整議連会長中井洽氏は〝時々健康診断に行くが、電話番号や郵便番号を書いた記憶はない。どうして接骨院の患者にだけ書かせるのか。個人情報保護の観点からみて問題ではないのか〟と主張。 しかし厚生労働省は、療養費の場合は支払対象が患者であり医科とは異なるという点を挙げ〝毎回というわけではないが、保険者が支給を判断する場合に患者さんにアプローチする必要が出てくる。その際にスムーズにできるようにということ。あくまで個人情報なので、患者の理解を得た上で書いていただく〟と説明した。

続いて田中氏は〝良い制度とは、その時代、その環境にあったものだと思うが、昭和11年の制度が未だに延々と続いている〟として現行の療養費制度は制度疲労を起こしていると指摘。厚生労働省は〝同じ課題が数十年来ずっと言われ続けている〟と認めながらも〝昭和11年以来長い歴史のある制度であり、一概に制度疲労と片づけるのはなかなか難しい〟と述べるにとどまった。

最後に司会を務めた岸本周平衆議院議員から、柔道整復師数が年々増加していることに触れ〝さらに問題意識を持ち、柔道整復師数増加の問題を含めて制度面を議論していきたい〟と今後の柔整議連の方向性について発言があり、約45分間の役員会を締めくくった。

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