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柔整小委員会で消費税対応や諸問題が話し合われる

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平成25年10月3日(木)11時より、参議院議員会館B103会議室において「民主党統合医療を普及・促進する議員の会 第22回柔道整復師小委員会」が開催された。(参加業界団体16団体)

参議院選後、初開催となった柔整小委員会では、司会の大島九州男議員の開会の挨拶に続き、厚生労働省保険局医療課・竹林経治保険医療企画調査室長より、10月1日付けの人事異動により新しく療養費の担当となった厚労省職員を紹介。その後は『来春に引き上げられることが決まった消費税への対応について』と『それ以外の諸問題に対する質疑応答』の2つのテーマに沿って本論がスタートした。

消費税率引き上げ時における療養費改定について

竹林氏は〝先般、安倍首相から消費税率を「来年4月に現行の5%から8%に引き上げる」と正式に表明された。その際に、公的健康保険でカバーされている医療については非課税だが、医療機関がサービスを提供する上では様々な仕入れがあり、消費税を払わなければならない。その負担が生じないよう診療報酬或いは料金で対応する〟と、消費税増税に伴う負担軽減のため、医科と同様、柔道整復療養費の改定を行なう予定との旨を伝えた。

過去の経緯として、消費税が導入された平成元年、3%から5%に税率が引き上げられた平成9年の対応について〝医科の診療報酬は『医療経済実態調査』という医療機関の収支状況を検証するための調査を2年に1度行なっており、そのデータを基に改定率を決定した。柔道整復師療養費に関しても同じタイミングで改定を行ない、改定率は平成元年4月では0.35%、9年4月は0.43%であった。消費税率より改定率が低いのは、サービスを行なう際の仕入にかかる消費税に着目しているためで、必ずしも消費税の税率とは一緒にはならない。これは医科の診療報酬でも全く同じ〟と改定率決定方法を説明。また今回の消費税引き上げに際する療養費改定については、前回から療養費改定は柔道整復療養費検討専門委員会にて話し合われるようになったこともあり、〝エビデンスに基づいていなければ支払者側である保険者や国民の方々の理解は得られにくい。エビデンスの取り方を含めて今後検討していく〟とした。

参加した柔道整復師からは〝柔道整復の場合は医療機関と同じような医療機器を使っており、消費税が係ってくる。人件費についても、医科は看護師や技師など全て点数がついているが、柔道整復療養費には従業員に対する点数が一切ない。従業員も生活の部分では消費税を支払わなければならず生活コストが増えるため、我々は必然的に給料を上げなければならない。1ヶ月当たり100万以下の収入しかない柔道整復師にとって、3%の増税は大きな問題〟とする意見や〝慣習的に医科の半分で改定が行なわれているが、医科と同じではなくとも独自の調査で根拠を示し、透明性を上げていただきたい〟という要望があがった。

これらの意見に対し、竹林氏は〝医科との法律上の位置づけの違いや必ずしも保険の対象になる施術ばかり行なっている訳ではないということがあり、診療報酬に関する医療経済実態調査と同じような調査は療養費の世界では行なわれていない。医療機器の購入に消費税がかかるというのはその通りだと思う。しかし人件費については、消費税が上がることによって物価が上がるから賃金も上がるのではということだと思うが、人件費については議論されていない。そもそも消費税増税に伴う改定は特別で、消費税の負担がどのくらい増えるかに着目して考える。人件費や物価の上昇などの事情は、通常の療養費改定に盛り込まれる。それぞれの接骨院の経営・収支状況を精査するということもひとつの考え方としてはあると思う。調査をしてみないと施術所の経営状況等は解らないが、人件費比率が多いだろうとは思っている。国民が納得する説明ができる内容にするための要素としてもエビデンスは必要〟と述べ、改定の根拠とするデータの集積に関し、その方法を現在検討中であるとした。

また民主党の渡辺周議員からは、〝厚生労働省から実態調査のようなものを検討しているという話があったが、行なうことを念頭に手法を検討しているのか。それとも実態調査を行なうかどうかを検討しているのか〟 という鋭い質問が挙がり、竹林氏は〝調査は何らかのエビデンスを取る手法を検討している。参考にするのであればおそらく医療経済実態調査ということになるが、医療機関や施術書が帳簿等をどの程度整えられるのかというレベルは我々には判断できない。そのなかであまりに精密な調査をしてしまうとなかなかご回答いただけないのではという懸念がある。現実的にどれくらいの数を集めるか、どれくらいの精度でやるのかということを検討している〟と答えた。

それ以外の諸問題に対する質疑応答

郵便番号、電話番号の記載について

(質問)
先般の参議院臨時国会において「郵便番号、電話番号の記入は、強制か。強制であるとすれば、記入を求めなかった場合や記入がなされなかった場合において、何らかの処分が行われるのか…」という内容の質問書が出ているが、その中で一部取扱いによっては受領委任払いを中止することがあると聞いたが、以前と解釈が変わったのか。

(回答)
記入を求めること自体をしないと受領委任協定に反することになる。しかし結果的に患者からどうしても理解が得られない場合は、そのまま提出する事も差し支えない。協定違反をしたからといってすぐ受領委任取扱が中止されるわけではないが、最終的には中止もあり得るということ。これまでの疑義解釈等で示してきた内容から変えているつもりはない。

(質問)
電話番号については明らかに個人情報であり、個人情報保護法ではその情報の利用目的や利用範囲を明確に示した上で情報を収集しなければならない。今回の通知等で言われたのは保険者が柔道整復師の施術の適正化として患者調査をするために使うものであり、ならば保険者が被保険者に対して利用目的を説明するべきではないか。本来会計検査院が適正化をと言ったのは、患者調査をするということではなく療養費の周知を図るということだと思う。もう一度通知を検討し直していただきたい。

(回答)
レセプトそのものが個人情報だと思う。そもそも保険者というのは保険給付をするかどうか判断することが、果たすべき機能の中核をなす部分なので、そのために患者の個人情報を取ることはおかしいことではないと考えている。ただ個人情報の塊であるレセプトを目的の範囲外で使ったりデータが漏れたりということがあってはいけない。そこは施術者、保険者ともにしっかり管理していただくことが前提となる。

大阪国保の返戻相殺処理について

また、最近問題視されている事例として、大阪市などの国保で数年前に既に支給されている柔道整復療養費についてさかのぼり外部委託業者が調査し、整合性が取れないものに対しては返戻処理としてその分を対象者ではない別の被保険者への支払予定分で相殺しているという問題について意見が挙げられた。〝このような事実を厚生労働省は把握しているのか。また法的に問題はないのか〟という柔道整復師側の問いに対し、竹林氏は〝国民健康保険課で検討しているところだと認識している〟としながらも明確な回答は避けた。

大島議員からは〝実はその件について大阪の国保の方と話をして、対象となる方ともう一度きちんと話をして調整するという回答をもらっている。それは今後も私共も注視していく〟と改善の方向に進んでいることを明らかにした。同時に、柔道整復師を狙った振り込め詐欺についても注意を呼びかけた。

今回の小委員会では約1時間かけ白熱したやり取りが行われた。柔整小委員会事務局では資料として配布した『消費税引き上げにおける療養費改定についての要望書(案)』をベースに、本日あがった意見や要望を踏まえ、改めて作成した要望書に賛同団体の名前を入れ近く厚生労働大臣に持って行くとのことだ。

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