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第1回あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会 開催される

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平成30年5月10日(木)、厚生労働省中央合同庁舎第5号館9階省会議室において、『第1回あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会』が開催された。

第1回あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会

開催にあたり、厚生労働省担当官より〝我が国においては高齢化が世界に類をみない速さで進んでおり、これにより身体的不調を訴える患者が増加すると見込まれている。これまであん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師(以下、あはき・柔整)は国民の健康保持に長く寄与してきたが、これからもその役割は重要になる。施術所における広告については、社会保障審議会医療保険部会において適正化すべきとの指摘があり、患者が知りたい情報が適切に提供されるためにも現行の広告規制に関するご意見を伺いながら慎重に検討していく必要があると考えている。闊達なご議論をいただきたい〟と趣旨が説明された。

その後、構成員の自己紹介が行われ、東京慈恵会医科大学教育センター長であり、公益財団法人柔道整復研修試験財団代表理事も務める福島統氏が座長に選任された。

続いて厚生労働省から資料説明がなされ、議事へと移った。

なお今回は初の開催であることから、フリートークという形で各構成員が現状の広告に関する意見やこれから対応を検討すべきと思われる事項について論じた。
以下は、構成員の主な発言内容である。

患者に適切な情報を提供することが重要

  • 現在の広告は不適切なものが多いと感じる。患者を守る、不正を防ぐという観点から早急にガイドラインを制定したい。医療に関する広告規制もかなり整備されたので、その方向性に沿ってまとめていくべき。
  • 現行の広告規程では患者が見ても何をやっているところなのかわからないような内容しか記載できない。患者が誤解しないためにも、骨折・脱臼などの施術内容を記載できるようにしたい。
  • 患者が誘引されず、公平性が保たれることを基準としてガイドラインを作成できればと思う。
  • 電話相談を受けていて特に目立つのが、クーポンや割引券の広告に誘引されてしまいトラブルになるというケース。「診察」日、「診察」時間等表現から患者が医療機関だと誤認してしまうことがある。施術といえば治療ではないとわかる。
  • 利用者の利便性を考えることには賛成。誤解を招くことはあってはならない。ただ、言葉に規制が掛かりすぎている気がする。治療院という名称は医療機関と認識されるより、あはきや柔整と認識されるほうが多いのではないか?

無資格類似業者の広告のあり方も課題

  • 無資格者か有資格者かの見分けがつかないという苦情も寄せられている。指導体制を整備してほしい。
  • 患者がどう思うかがベースになる。患者が誤解するものや無資格者が有資格と思われるような記載、整体と看板を掲げて整骨院として届け出て保険請求をしているところもある。
  • 無資格者については排除するわけではないが、無資格者の施術で健康被害を生じた事例は多く、目を光らせていく必要がある。

ウェブサイトの規制に関して

  • 医科では医療法が改正され、今まで対象外とされてきたウェブサイトも規制の対象となり、現在はネットパトロールが実施されている。あはき・柔整にも適用して都道府県に通告してはどうか。
  • ネットパトロールについてはぜひ扱わなければならないと思うが、医療機関の方も費用と人材の投入の問題で、しっかりパトロールするのは難しい状態。予算等の裏付けが確実になるような裏付けもしなければならない。保健所機能についても同様。忙しく手が回らない現実もあるのでそれを踏まえて考えていかなければならない。

都道府県等の指導権限も明確化すべき

  • 指導権限の明確化について、何度注意しても改めない施術所に何度も行く根性があるかが問題。厚生局に指導してほしいと言っても立ち入りまでに半年かかることもある。国からこうなったら動けと決めてもらわないと動かない。
  • 指導体制の問題として、厚生局に通報しても動かないパターンは多い。全国市町村にとっては身近な問題で第一チェックは市町村にやってもらうなど、指導体制も見直していけたら良い。
  • 市町村の話を聞くと手が回らないと言われる。予算も設けて安心して行政が対応にあたれるような仕組みを作らなければならない。

最後に、厚生労働省担当官が〝本検討会立ち上げの主旨は資料の通りだが、焦点をどこに絞るかが重要。柔整師法・あはき法で決められていることをどうするか、医師法の改正を参考にご議論いただきたい。実行可能なガイドラインを作成する、全国バラバラなものを統一する、国民の健康を守るといった視点で、機能的に現場が動くための仕組みや方向性も今後議論して進めていきたい。ネットパトロールは医師法を参考にしどう考えていくか。無資格者についても国民の健康を守ることが重要であり、どう規制するか。虚偽・誇大広告は問題だというような例示も必要だと考えている〟と今後の方向性を纏め、終了となった。

本検討会は今回を含め全6回の開催が予定されており、平成30年末を目途に広告可能事項の見直し案、ガイドライン案を取りまとめ、平成31年度より施行、1年程度の周知期間を経て平成32年度より取り締まりを強化する見通しだ。

なお、次回開催日は未定となっている。

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