NHKのニュース報道に対し、全整連が事実確認
昨年10月19日、社会保障審議会医療保険部会第一回柔道整復療養費検討専門委員会(以下、専門委員会)が開催され、多くの業界関係者の関心を集めた。10月29日のNHKニュースでも専門委員会の模様が取り上げられたが、この内容に関して、視聴者に事実を誤認させるような報道があったとして全国柔道整復師連合会(以下、全整連)がNHKに説明を求めていたのに対し、11月29日、NHK関係者が説明のために全整連事務所を訪れていたことが、柔整ホットニュースの取材で明らかとなった。
(10月29日のNHKのニュース内容はこちら)
柔整ホットニュースが入手した情報によると、全整連からは以下のような意見・質問が投げかけられた。
- 10月19日開催の専門委員会について、10月29日にニュースで取り上げたことに意図はあるのか。
- 近年では、療養費全体は増加しているが柔道整復療養費は減少している。それにも関わらず、柔道整復療養費が増加していると受け取れる報道をしている。他業種との比較などがなければ一方的な悪人扱いで、現状を知らない人にとっては完全なミスリードではないか。
- 柔道整復師の受診を抑制するような報道内容となっているが、整形外科医でも柔道整復師でも、患者が自由に医療選択できることを基本に報道すべきではないのか。
- まず柔道整復師制度について理解してほしい。現在の制度は現場の実情に即したものではなく、本来ならば専門委員会は制度の不備を審議すべきだ。
回答としてNHK側は、報道の日程に関しては、「専門委員会開催」というニュースではなく「厚生労働省の療養費適正化への取り組み」についてのニュースとして報道したために時間差が生じたと説明。療養費の伸びに関する報道方法に関しては、〝医療費全体での適正化に対して厚生労働省から新しい素案が出てくる、というニュースであったが、確かに療養費全体の伸びなど増えている部分に集中して報道していると思う。特に全体の数字が柔道整復に関する数字と捉えられる可能性はある〟と全整連側の指摘を認め、さらに柔道整復師制度に不備があるとの主張については〝患者の自由、保険制度と法の仕組みの2点が重要〟と一定の理解を示したという。
その他にも、全整連は〝厚生労働省側のデータのみで柔道整復師側には取材せずにニュースを流し、実際の専門委員会は単純な費用のやり取りしかなかったのに、ニュースとしては柔道整復師批判となっている。今回のニュース報道の結果を現実にどうするのか〟と問い質し、NHK側は今後の対応として〝制度への対立する見解があることを前提に、取材とデータの検証に立って報道する。両論併記、公正中立で進める〟と、次回の専門委員会開催時には柔道整復師・厚生労働省双方の意見を取り入れ、一方に偏った報道をしないことを約束したとのことだ。
第二回柔道整復療養費検討専門委員会は近々開催される予定となっているが、療養費改定に関する議論は勿論のこと、どのような報道がなされるのかにも注目していきたい。
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