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第3回治療家甲子園関東エリア大会が開催される

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平成25年7月14日(日)、江戸川区小松川区民館(東京都)において第3回治療家甲子園関東エリア大会が開催された。

第3回治療家甲子園関東エリア大会
田尻賢理事長

開会宣言の後、日本治療家連盟・田尻賢理事長から挨拶があり〝治療家甲子園が始まってから、今までになかったつながりが出来てきました。関東に限らず中部、近畿、北海道、沖縄までつながり、「共に学び共に成長し共に変わる」ということが実際に起きてきたと感じています。そんな中、2011年に東日本大震災が起こり、日本が大混乱に陥りました。治療家甲子園として何ができるのかと真剣に考え、つながりを生かしたボランティアを行ないました。被災地で喜ばれ、必要とされていると常々感じています。治療家甲子園はイベントだけを行なう団体ではないという思いから、2011年8月に日本治療家連盟と名称を変更し、イベント・ボランティア・セミナー・勉強会などで横のつながりを作りながら、業界の地位・認知度を上げていこうと力を入れて活動してきました。技術力・人間力・経営力、これら全てを高めていけるようなものを発信していかなければならないと感じ、バラバラだった業界から国民に必要とされる業界を目指そうとみんなで活動しています〟と、発足当時から変わらず持ち続けている理念について熱く語った。

第3回目となる治療家甲子園だが、今回の新たな試みとして▽全国7エリアにおける地区大会の開催、▽覆面調査による審査―が導入された。同日および翌日に各エリア大会が開催され、厳正な審査の上、エリア毎の代表が決定される。覆面調査によって患者あるいは国民からどのように見られているのかという客観的な評価を審査に取り入れることで、公正に審査するだけではなく、今後の治療院経営の改善・改良にも活用できるデータを参加院に提供している。

関東エリア大会では、一次審査で上位5院に選ばれた治療院によるプレゼンテーションが行なわれた。

あひるの整骨院(東京都あきる野市)

あひるの整骨院

2002年4月に開院したあひるの整骨院は開院以来順調に成長してきたが、主要スタッフの退職を機に患者が減っていった。自分たちの意味と価値を見直し、意識が患者ではなく自分たちに向いていたことに気が付いた。意識を100%患者に向け、患者のための治療院づくりを徹底した。スタッフ一人ひとりがプロとして患者様が幸せになれるよう考え、責任を持って職務を全うすることが大切だと考える。治療院は痛みや悩みを抱える人がそれを解決するために訪れる場所であり、つまりマイナスからゼロへの過程であるため笑顔を引き出すことは難しいが、「あなたに出会えてよかった」「ここにきてよかった」と心から感じてもらうことが願い。

ひなた整骨院(神奈川県藤沢市)

ひなた整骨院

ひなた整骨院は、▽トレーニング環境を積極的に作り、患者に「ひなた整骨院に来れば運動の指導をしてもらえる」と感じてもらうこと、▽診療前にプレ問診としてスタッフ同士でロールプレイングを行ない、質の向上に努めるなどの「学ぶ姿勢」があること、▽患者とのコミュニケーションは勿論、スタッフ同士でコミュニケーションを取り、考えや時間を共有することで関係を構築していること―を強みとしている。患者目線に立ち、症状の変化や動作に気を配って患者に喜んで帰ってもらえる環境を大切にしている。本質的な人間性・相手の心を動かす力となる人間力を伸ばすために、スタッフの仕事環境を整えること、対話の時間を増やすことを心がけている。患者がいてくれるからこそ頑張れる。

すこやか整骨院(常盤台・上板橋)

すこやか整骨院

15名のスタッフで構成されるすこやか整骨院は、怪我を治すことは勿論、患者と心のつながりを持ち「来て良かった」という感動を与えられるような接骨院を目指している。スタッフが主体性を持ち、自分たちで運営しているという実感を持って夢や目標の実現の為に治療できる院でありたい。昼休みに練習や勉強を積極的に行なう、会議を通して意見を交換するなどして技術力・人間力の向上に努めている。自費メニューを増やすことで、患者の幅広いニーズに応えるよう心掛けている。患者の満足度を高めるために、治療家が提供したいものを提供するのではなく患者が求めるものを提供する。患者・スタッフ・家族・仲間への思いやりを忘れず、みんなが喜ぶ院づくりをしていきたい。

立川わかば整骨院(東京都立川市)

立川わかば整骨院

立川わかば整骨院は「世界一素晴らしい整骨院だとお客様に言ってもらえる院をつくること」「立川市を世界一健康な街にすること」「お客様の夢を叶えられる整骨院になること」を目標に励んでいる。知識習得はもちろん、昼休みを活用してコミュニケーション力向上のための勉強会を開催し、患者の心の痛みまで理解してあげられる能力を育てることに力を注いでいる。スタッフ一人ひとりの持ち味を生かして、より患者の役に立てるよう、なくてはならない存在となれるよう力を合わせて分かち合っていくことが使命だと考えている。コミュニケーションについて学ぶことにより一人ひとりが成長し、患者にも喜んでもらえ、スタッフの満足度も上がる。個々が自分の強みに気づき、働いている姿が輝いているのが一番の魅力。

きずな鍼灸整骨院(神奈川県藤沢市)

きずな鍼灸整骨院

きずな鍼灸整骨院は、お互いが切磋琢磨し刺激し合える最高のチームを作るという「スタッフとの絆」、数多くの接骨院からきずな鍼灸整骨院を選んで来てくれている患者やその周りの方々まで元気にするという「患者との絆」、そして地域にどれだけ貢献できるかという「地域との絆」を確立していく。患者の目的を把握し、それぞれの症状に合った治療プランを提示する。柔道整復師を信じて来院している患者の想いに応えることが大切。日々、目的や目標の確認を行ない、「日本で一番元気な地域をつくる」ということを目指す。トレーナ―活動等を通して、怪我を未然に防ぎ怪我人をゼロにしたい。怪我を治すのも治療家だが、怪我を防ぐのも治療家の役割。たくさんの方々と出会い、幸せになってもらいたい。

各院のプレゼンテーション後、観覧者による投票が行なわれ、開票までの間に来賓の方々から挨拶が述べられた。

近藤昌之代表理事

整骨院振興協同組合・近藤昌之代表理事は〝各院のプレゼンテーションを聞き大変感激しました。このような人達ばかりだったらこの業界は何の心配もない。この業界は柔道整復師が増え、業界のモラルがかけていたところもあり、会計検査院からおかしいのではないかと指摘されました。事業仕訳の対象にもなり、柔道整復療養費が適正かということを検討されました。しかし我々の行なう治療は無害で副作用もなく、国民・患者さんから見た時に我々の業界は必要です〟として、これから柔道整復業界は柔道整復療養費検討専門委員会のような公の場で自分たちの意見をしっかり主張していくこと、国民の理解・支持を集めることが重要だと話した。

春原博理事

公益社団法人東京都柔道接骨師会・春原博理事から〝近年、柔道整復療養費の取扱いが適正かどうか全国的に問題になり国会でも議論されるようになりました。その中で保険者の財政は厳しくなり国も医療費が上がってきて、2000年には医療と介護保険と別建てにして予算を組むことになります。しかしそのような時に柔道整復師の名前は出てきません。例えば災害救助法の中にも柔道整復師は入っていませんが、我々はライフラインが止まっても治療ができる。これをもっと国民にPRしていかなければならないと思っています。我々柔道整復師一丸となって、今問題になっている部分をしっかりと議論して、国民のために、患者さんのために社会から認められる柔道整復師業界を作り上げていきましょう〟と業界全体が意識を統一し、同じ方向に向かって歩んでいくよう呼びかけた。

田中威勢夫会長

全国柔道整復師連合会・田中威勢夫会長は〝柔道整復療養費制度は昭和11年に出来、もう70~80年経っています。古い制度のままだから制度疲労と不正請求を一緒にされてしまう。柔道整復師法の中で業務の制限としては、外科手術をしてはいけない、薬品の投与をしてはいけない、骨折・脱臼は医者の同意を得るということしか言われていません。このような法律では腱鞘炎を施術しても変形性関節症を施術しても何ら問題はありません。しかし健康保険は使えない。これが昭和11年の協定です。なんとかしてこの制度を変えなくてはいけません。もうひとつは卒後研修で、卒業後2年間の研修制度を作ろうという方向で向かっています〟と、時代に合った、或いは現場の状況に則した制度への変革の必要性を説いた。

この他にも自由民主党・平沢勝栄衆議院議員から挨拶がなされ、国民医療としての柔道整復への想いと期待を述べられた。

その後、いよいよ開票結果が発表され、関東エリア大会から全国大会へと進む代表院が決定した。 各エリアの代表院は下記の通り。

【治療家甲子園決勝大会出場者一覧】

関東エリアきずな鍼灸整骨院(神奈川県藤沢市)
立川わかば整骨院(東京都立川市)
北海道エリアげんき堂整骨院桑園(北海道札幌市)
東北エリアきくち接骨院陣場院(福島県福島市)
中部エリア寺倉接骨院(愛知県蒲郡市)
関西エリア西梅田小林整骨院(大阪府大阪市)
九州沖縄エリアファミー午後の整骨院(大分県大分市)

大会は盛況のうちに終了し、閉会後も参加者たちが順位に関わらず互いに健闘を称え合っていたのが印象的だった。全国大会は11月24日(日)に東京・日本消防会館(ニッショーホール)にて開催される。

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