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社団法人設立60周年 協同組合設立25周年記念式典開催/京都

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梅雨の晴れ間の6月8日(日)、午前11時より京都ホテルオークラにおいて、公益社団法人京都府柔道整復師会並びに京都府柔道整復師協同組合による「社団法人設立60周年 協同組合設立25周年 記念式典・祝賀会」が盛大かつ厳かに開催された。

はじめに(公社)京都府柔道整復師会副会長・長尾淳彦氏より開式の辞があり、国歌斉唱が行われた。

(公社)京都府柔道整復師会会長・大西辰博氏が〝京都府より社団法人に認可され60周年を迎えた当会ですが、歴史を紐解くと大正11年の京都府柔道整復師会創立第1回会合から92年となるこの機会に、先人の活躍を柔道整復師の法制度の観点から振り返ってみたい〟と話され〝柔道整復は、明治以前は非観血的外科学の中心であり、臨床家として制約なく施術を行って参りました。しかし、明治初頭に西洋医学を中心に医制が施行され、多くの接骨医は整骨科として国家試験を受け免許を得ることとなり、整骨科としての免許の無い接骨医が施術をすると無資格医として逮捕され処罰されることもありました。

大正期になり柔道家が結集して「柔道接骨術公認期成会」を設立。柔道家の活動が功を奏し、大正9年に「按摩術営業取締規則」の一部が改正され、第5条の2に「按摩は、脱臼、骨折の患部に施術を為す事を得ず。ただし、医師の同意を得たる病者についてはこの限りにあらず。」と定め、付則に「柔道の教授を為すものにおいて、打撲、捻挫、脱臼及び骨折に対して行う柔道整復術については、本規則を準用する。」とされ、ようやく柔道の教授が、捻挫、脱臼及び骨折に対して行う柔道整復術について有効性の法的根拠を得ることができました。

昭和21年に「柔道整復術営業取締規則」が柔道整復師の単行法として制定されましたが、この規則は按摩営業と同じく柔道家の新規営業を抑圧しようとする意図のある規則でした。昭和45年に単行法としての柔道整復師法の制定の陳情活動が行われ、約4000人の会員による猛烈な陳情活動の結果「柔道整復師法」が超党派の議員立法として制定交付され、この法律こそ現在の柔道整復師法の源泉につながる法律であり、先人が苦難を克服して勝ち獲った証です。歴史を築いてこられた先人の功績を高く評価するとともに、今後我々が柔道整復師法を確立した大きな法典になるよう築いて行かなければなりません。

2025年問題で10年後に医療保険制度が破綻に近づき療養費が廃止され保険治療ができなくなる心配もあり、接骨院の乱立により超過当競争が続き、廃業や転職者が多発する場合が考えられ会員数の激減や無秩序に設立された養成校の廃業、倒産等々、問題が山積しています。

柔道整復師の治療は新鮮外傷で骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷に限られており治療範囲の拡大のためにも柔道整復術の有効性を実証する必要があります。介護の関係では最近、日常生活を前提とした機能訓練が柔道整復師の業務として認められつつあり柔道整復師が行う新たな業務の拡大に光明が見えたものと感じています。

柔道整復術は世界保健機関でも日本の伝統医療として柔道セラピーという名称で紹介されている日本独自の治療技術で、この日本古来の伝統医療である柔道整復術を、我々の代で消滅させることはできません。先の公益法人制度改革において、公益社団法人へ移行したのも京都府柔道整復師会が公益的な活動価値の高い集団として公益事業を主体とする意気軒昂な会員集団として、府民のために貢献する決意からです。10年後の70周年記念も皆様とともに開催できますよう業界に係る懸案事項の早期解決を図るためにも、本日ご臨席を賜りました関係各位のご指導ご鞭撻をお願いする次第です〟と格調高く式辞挨拶を行った。

次に京都府柔道整復師協同組合理事長・関弘美氏が〝ご存知の通り協同組合は平成元年に創立され、25年が経過します。今年は社団設立60周年と併せて協同組合設立25周年記念事業が開催されることになりました。事業運営は順調に進められ、予想外の実績を重ねて参りました。

しかし、ここ数年来、組合の決算は利益が減少しつつあり、主たる原因は柔道整復師の超過密化による療養費の減少にあると考えられ、今年も国家試験合格者が約5千人を超え、療養費が暫定的、定額的、減少傾向にあり接骨院の経営が成り立たなくなって廃業されるような状況が今後10年は続くと思われます。過当競争にしっかりと対応できないと10年、20年後の柔道整復業界は火が消えたようになることでしょう。学術の研鑽と経営の合理化が身を助けてくれます。社団と協同組合は車の両輪と言われており一致団結して組合員の利益が確保できるよう努めて参ります〟等、凛と結ばれた。

表彰式に移り、京都府知事表彰は林啓史氏に、京都市長表彰は柴田宗宣氏、中村英弘氏、宮根保司氏ら3名、京都労働局局長表彰は林啓史氏、京都府国民健康保険団体連合会理事長感謝状は藤野勝弘氏、林啓史氏の2名、京都府柔道連盟会長表彰は、井上彰二氏、岡島順氏の2名、公益社団法人日本柔道整復師会永年業務精励会員表彰は、栗原壽雄氏、井坂豊氏、亘高司氏の3名、公益社団法人京都柔道整復師会永年会員表彰は、坪田登史浩氏、原基金特別表彰は、湊谷知幹氏、ガンバートル・フデレムンフ氏の2名に、京都府柔道整復師協同組合表彰役員表彰は、山形高明氏、東森健太郎氏の2名、同じく組合員表彰は、盛次俊允氏ら10名に、同指定業者感謝状は、ダイヤ工業株式会社、株式会社エス・エス・ビー、東和ハイテック株式会社、テイコクファルマケア株式会社など12社に感謝状が贈られた。

受賞者を代表して林啓史氏が〝私共は保健・医療・介護の分野で国家国民に貢献することを目的に柔道整復の業界に携わって参りましたが、本日の記念式典において行われた表彰式にあたり、各界ご来賓の皆様のご臨席のもと栄えある表彰を賜りましたことは、まことに名誉なことであり、改めて関係各位に感謝と御礼を申し上げる次第です。皆様もご承知のとおり、柔道整復師を取り巻く環境は年々厳しくなっていますが、今回の受賞及び表彰は柔道整復師に関わるすべての関係者にとって大きな評価が与えられたものと感じております。私どもは今回の栄誉を励みとして社会に必要とされる柔道整復師そして企業であり続けられるよう今後とも一層の研讃を積み重ねてまいる所存です〟と、謝辞を述べた。

続いて行われた来賓祝辞では、京都府知事・山田啓二氏が〝日ごろから皆様には京都府民のために大変なご尽力を頂いており心からお礼を申し上げたい。いま、私どもの社会、急速に高齢化が進む中で健康の問題が非常に大きな国民的課題になってきています。10年後に団塊の世代の方達が75歳以上になられ正に超高齢化時代に突入し、一番問題になるのは、どれだけ健康で長寿社会を豊かに暮らせるか、今国会においても介護関係の法案が審議されている中、一番大きな項目はこれまで以上に健康予防、介護予防、身体の調子が悪くなった時は如何に回復・維持できるか、特に介護予防を中心に市町村への事業が法律化されるかたちになります。

私共としては、柔道整復師会の皆様をはじめ転倒予防など機能回復、介護予防等にあたられる皆さんのお力がなければこういった時代を乗り切るのは本当に大変ではないかと思っています。これから今まで以上に大きな役割と大きな使命を持って臨んでいかなければならない10年、20年になるのではないかと感じており、地域包括ケア、みんなが安心して地域で暮らせる共同体作りに努力して参りますので、一層のご理解とご協力を賜りたい〟等、挨拶。

京都市長・門川大作氏は〝60年に亘る尊い歩みに敬意を表したい。柔道整復師の先生方が人々の幸せのために柔道という素晴らしい武道から生まれたあらゆる技術と精神をいかして貢献頂き、日本ならではの素晴らしい仕組みや技術がこの高齢化時代にも活躍、活かされていくように私共より一層支持を高めていきたい〟等述べた。

衆議院議員・伊吹文明氏は〝これから柔道整復師界、柔道整復師が時代に如何対応していかれるのかについて、若干私見を述べておきたい。先人の大変なご努力で日本は、今の若い人達は80~90歳の人が何を食べ、どんな環境で暮らしていたか思いもつかない程の発展を遂げている訳で、お蔭で日本は世界に誇るべき長寿国になりました。

しかし長寿国になるというのは、年金と医療と介護のお金が要るということで、それを負担してくれる働く世代は少子化の時代の中で減っている状況である。保険制度、或いは負担の問題も考えなければいけないが、医療費、社会保障費をできるだけ抑えていくことが必要になるが、この分野は抑えるといっても必要なものは使わなければならないため、合理的に減らせるのはどういうことかということで、今年の診療報酬の改定の際にも出来るだけ病院から地域へ、地域からご家庭へ人を戻す。重篤にならない間に病気を抑えていくことに予算をかなり使われている訳で、柔道整復師のお仕事はかなり広い分野に拡がっていく可能性がある。診断行為の大部分は医師に委ねられており、医師との連携がどういう風にとられていくのか。柔道整復師が従来許されている範囲にプラスしてどこまで治療を行えるのか。やはり学術的研究を進めるということが1つです。

また、日整の皆さんのご努力は大変なものです。いま京都府・京都市と京柔整との情報の迅速なる提供と共有、会員の方々と行政を含めた共有環境を確立していくのが非常に大切で、類似業務その他、特に厚生労働省が治療術として認めていないものは類似の広告・看板を出して営業することはできません。いろいろな医療事故を防止するためにも先生方が地域住民の更なる信頼を得られ地域医療の担い手として頑張ってくださることが70周年に向けての課題です〟等、挨拶。

この後、衆議院議員・田中英之氏、参議院議員・西田昌司氏から祝辞があり、(公社)日本柔道整復師会会長・工藤鉄男氏は〝国会で、我々の関係する法案「包括ケアシステム」と「介護保険の改定」の2つが今議論されています。我々の先達の先生達は常に時代の変化に対応してこの業界を引っ張って参りました。多くの国民の健康増進、また公衆衛生の向上に尽くしてきたからこそであると私は思っています。この法案が通るならば是非柔道整復術の後療法の中で、健康増進に対するメニューを多く提案して参りますので、それを各地域で国益として活用して頂くことを先ずご来賓の皆様にお願いをしたい。

また、会員の皆さんに、いかにして時代の変化、伊吹先生が仰られた「医師との連携」、我々が掲げている医接連携を強固に進め、これからの介護と地域包括ケアの中で我々の技術を提供することで地域住民の利益に繋がる、利他に繋がるよう各県、特に地方において未だ医療制度が整備がされていない中で我が業界も公務としての後療を法的に認められた中で適用できる様なシステムを作って参りたい。これからも日本柔道整復師会は各県の柔道整復師会47都道府県の皆さんと共に地域住民の公衆衛生の発展と健康増進のために情報を提供していきたいと思っておりますので、協力の程お願いします〟と2点に絞って挨拶を行った。

次に来賓紹介、祝電披露が行われ、(公社)京都府柔道整復師会副会長・柴田宗宣氏が閉式の辞を行い、輝かしい式典が終了した。

続いて祝賀会が華やかに催され、また来賓祝辞では京都府医師会会長代理・副会長安達秀樹氏、元自由民主党幹事長・野中広務氏など身が引き締まる挨拶があり、日本柔道整復師会副会長・木山時雨氏による乾杯の挨拶、京都の芸妓さんによる祝舞も披露され、日本柔道整復師会副会長・萩原正和氏による万歳三唱が力強く行われ、宴たけなわの中、終了した。司会は、遠藤のぶ子さん、総合司会は中田康人氏が務めた。

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