(公社)東京都柔道整復師会 平成27年新年賀詞交歓会開催
平成27年2月7日(土)、明治記念館(東京都港区)において公益社団法人東京都柔道整復師会、東京都柔道整復師政治連盟 平成27年新年賀詞交歓会が執り行われた。(公社)日本柔道整復師会の中心である東京都の賀詞交歓会だけあって、殆どの各道府県柔道整復師会の代表者や一般社団法人全国柔道整復師連合会の代表者のみならず、大勢の国会議員や都議会議員、市区町議会議員が列席し、他に類を見ない盛大な交歓会となった。
開会に先立ち、(公社)東京都柔道整復師会および(公社)日本柔道整復師会がプロジェクトチームを編成し、モンゴル国の医師とモンゴル国立医療科学大学の学生を中心とした医療関係者に指導を行った際の映像が流され、司会進行役を務めた(公社)東京都柔道整復師会理事・春原博氏は〝モンゴル国との交流の中で柔道整復術の技術の高さが評価された。モンゴル国では遊牧生活で医療機関に掛かれない方が多いため、日本の柔道整復術を普及させることが重要であるとの認識から、その技術指導の要請があった〟と紹介した。
春原氏による開会の辞により賀詞交歓会は幕を開け、(公社)東京都柔道整復師会・工藤鉄男会長は全国各地より集まった多数の列席者に対し御礼を述べた後、在宅医療への参入や2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みについて紹介した。さらに〝我々の夢は常に、患部に触って手当をするこの柔道整復術が地域住民に上手く活用されることだ。この願いの実現は皆様の温かいご指導と柔道整復術への理解がなければ達成できることではない。如何にして我々は地域住民に技術を提供して喜んでいただくか。常に技術を研鑽し、患部に触って口で言えない痛みや苦しみをその表情から掴み取ることだ〟と熱い想いを述べた。
来賓として祝辞を述べた、駐日モンゴル大使館特命全権大使のソドブジャムツ・フレルバータル閣下は、まず〝東京都柔道整復師会には毎年賀詞交歓会にモンゴル大使を招いていただいている。これもモンゴルと日本の関係が上手く発展しているからだ〟と感謝を伝えた。〝モンゴルと日本の関係は年々、本当に上手く発展してきた。180度変わったと言っても過言ではない。モンゴルと日本は北東アジアで最も親しい、最も重要な戦略的パートナー同士に生まれ変わった。私は大使として3年間活動したが、結果が出ているから両国の関係が近くなっているのだと本当に嬉しく思う。日本はモンゴルにとって大切な国だ。怪我を治す技術を教えてもらい大変感謝している。東京都柔道整復師会とモンゴルの関係、そして日本とモンゴルの関係がより発展するよう願っている〟と、日本・モンゴル両国間のさらなる関係進展への希望を語った。
東京都医師会・尾﨑治夫副会長は、同会の野中博会長の挨拶を代読し、〝景気回復と同様に年金・医療・介護の社会保障制度の安定は国民に共通する願いだが、消費税率10%への引き上げ実施の延期による財源不足が予測され、今後の社会保障の行く末に不安が残る。医療は病を抱えた人の心に希望を育む働きを持っている。近年の医学の進歩は著しいものの、病気や障害を抱えながら人生を歩まれる方はさらに増えていくものと思われる。そのため、従来の「治す」医療から「支える」医療への転換が医療界には求められている。改めて地域の生活者に対しての医療のあり方を考える時期である。多くの医療・介護の関係者の方々が協働すれば、地域の生活者の人生を支えることが可能となる。東京都医師会はこの理念を大切にし、心温まる質の高い医療提供体制の実現と、多職種の協働を通じた地域包括ケアシステムの構築に向け、今後も引き続き活動していく〟と、医療全体の在り方を見直す必要性を説き、その実現のため医療職種同士が連携していくことの重要性を訴えた。
衆議院議員・自由民主党東京都連会長・石原伸晃氏は〝柔道整復師業界は養成校の増加により、柔道整復師の質の維持も課題とされているが、これから高齢化は著しい中で人間一人ひとりが持っている免疫力や治癒力を伸ばしていく上でも、国民の多くが柔道整復の技術に期待している。ぜひ柔道整復師の方々の技術をもって、安心で安全な社会をつくるため各地域でご尽力をいただきますことを心からお願い申し上げる〟と、高齢社会における柔道整復師の活躍に期待を寄せた。
文部科学大臣・東京オリンピック・パラリンピック担当大臣・下村博文氏は〝まさにこれから求められるのは予防医療である。今年はスポーツ庁を設置する予定となっているが、アスリートのための支援と同時に、すべての国民が健康を享受し、世界一の平均寿命を健康寿命と重ねていくために、ますます柔道整復師会の先生方のご活躍をお願いしたい。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、柔道整復師会の先生方が海外で支援を行なうことも出てくると思いますが、政府が全面的に支援を行なっていきたい〟と述べ、東京オリンピック・パラリンピックに向け、そして健康立国に向け、協力体制を築いていくことを誓った。
乾杯の発声として壇上に立った関東ブロック会・岡本和久会長は〝我が業界の団結力、触れ合いを大切にする心は柔道整復師会の大事な宝だ〟と声高らかに挨拶。各都道府県の代表者が一堂に会した貴重な機会に、(公社)日本柔道整復師会が掲げる「受領委任払い制度の見直し」「全国統一審査基準の作成」「卒後臨床研修制度の確立」という3つの課題の実現に向け、列席者はより一層団結を強めた。
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