柔道整復術関係者の打合せ会が開催される
平成30年3月29日、日本柔整会館において、非公開ながら「柔道整復術関係者の打合せ会」が開催された。
これは公益社団法人日本柔道整復師会と一般社団法人全国柔道整復師連合会が発起人となり、個人契約の団体や請求代行業の会社に参加を呼び掛けたもので、29の団体や会社から56人が集まるという柔道整復師の業界にとって前代未聞の歴史的な会議となった。
冒頭、発起人代表として(公社)日本柔道整復師会・工藤鉄男会長と(一社)全国柔道整復師連合会・田中威勢夫代表理事の挨拶があった。
工藤氏は〝この業界が社会に役立つためにはどうしたら良いか、ということの第1回目の打合せである。打合せの主たる目的は、協定団体と個人契約の団体や会社が混在する中、お互いの問題意識を一つにし、それを共有しながら保険者や行政、国会議員としっかりと意見交換をしていくために、いろいろな問題を皆さんから聞いて意見交換をし、社会のために役立つ業界を取り戻していきたいということである。
この観点の背景についていうと、昭和の終わりころまでは、どんな町にも柔道整復師がいるから安心だという地域住民からの評価や、保険者や行政からも信頼に裏打ちされた評価がされていた。しかし、その後、療養費の算定の制限や保険者による患者調査等がはじまり、料金の改定をしている中にあっても、4年前と比べて柔整療養費総額が、300億円以上のマイナスになっている状況があるということである。
この打合せ会では、それぞれの皆さんからいろいろな問題を出していただき、それを集約し、厚生労働省や国会議員に要求していきたい。そして社会の役に立つ業界を取り戻し、柔道整復師が社会から必要とされる状況を作り、正当な対価を国に求めていくことが急務である。そのためにも、皆さんから意見を出していただきたい。
決して柔道整復師の大同団結を望んでいる訳ではない。皆さんは、独自の経営と発展をしていただくことで良い。しかし業界全体としての同じ意見を行政等に伝えていかなければ、望む業界を作ることは難しい。また、国家試験の合格率が落ちている中、社会に評価される学生の養成を行うことも必要であり、みんなで考えていかなければならない。併せて、今後、業界に入ってくる若い柔道整復師から、先達が良い業界を残してくれたと感謝されるような行動をおこしていかなければならない〟として、出席者に対し協力を呼びかけた。
議題は①制度改革に係る実施について、②機能訓練指導員協会(仮称)の設立について、③柔整連絡協議会(仮称)の設置について、の3つであった。
議題①では、柔整療養費検討専門委員会で論点となっている事項についての、対応案の説明があった。議題②では、機能訓練指導員の職種に呼び掛けて協会を立ち上げる構想の説明があった。また、議題③は、当日の打合せ会の主たる目的の実現のために、今後の話し合いの場を正式に作るための提案であった。
いずれも参加者からの基本的な賛同が得られ、業界の新たな枠組みが実現する見通しが立った。
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