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柔道整復師連携フォーラムが開催される

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平成30年5月19日(土)、TKP東京駅日本橋カンファレンスセンター(東京都中央区)にて「柔道整復師連携フォーラム」が開催された。

主催団体である一般社団法人全国柔道整復師連合会(以下、全整連)の田中威勢夫代表理事は、〝全整連は行政や保険者との折衝を行っていくために業界の意見を統一することを目的として、平成23年12月18日に発足した。近年、「適正化」の流れのなかで業界の状況は大きく変わってきている。柔道整復療養費検討専門委員会(以下、検討専門委員会)では亜急性の文言の見直しや公的審査会の権限強化等が行われたが、全整連は公益社団法人日本柔道整復師会とも連携を取りながら意見を一つにしている。また、検討専門委員会では電子請求化についても検討されているが、実装するためにはもっと用語の整理を進めなければならないと考えている。現在、全整連には約27団体が参加しており、徐々に拡大してきている。業界の意見をひとつに纏めていくために、まだ団体に所属していない柔道整復師には特に全整連に参加していただきたい〟として協力を呼びかけた。

公益社団法人日本柔道整復師会(以下、日整)の三橋裕之総務部長は〝現在、日整と全整連はタッグを組んで柔道整復療養費検討専門委員会に臨み、業界の意見・要望を行政や保険者に伝えている。調査会社による患者照会には皆さん関心があることと思うが、我々は現在厚生労働省に対し、受診抑制となるような照会は慎むこと、大量の照会状は送らないこと、不正の疑いのあるものにしか照会を行わないこと等を盛り込んだ文書を出すように要望している。また、照会可能な項目についても限定するよう求めている。さらに厚生労働省に患者照会に関する苦情窓口を設置することが確約されており、今後患者調査については緩和されていくと思われる。また3月29日には、日整と全整連が発起人となり、個人契約の団体や請求代行業の会社との意見交換の場が設けられた。今後も日整と全整連は協力し合い、行政に対し交渉を進めていく〟と、現在行っている取り組みについて説明した。

業界の動向について

その後、全整連・田畑興介保険部長より、これまでの検討専門委員会での議論内容および5月10日に開催された『第1回あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会』(以下、広告検討会)の内容について、解説がなされた。

前回までの検討専門委員会の議論内容について

前回の検討専門委員会で平成30年度の柔道整復療養費の改定について、プラス改定を得ても執拗な受診照会や受診抑制、支払い側の独自解釈・不支給判断などを理由に支給額が減っては意味がない。支給要件の周知徹底が重要だと考えている。

亜急性の文言について、医師でもある有識者から曖昧な文言の使用を止めるよう要望があり、「亜急性」という表現を外した支給基準が厚生労働省から示されることとなった。改正案では「外傷性が明らかな骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷であり、内科的原因による疾患は含まれないこと」、「また、外傷性とは、関節等の可動域を超えた捩れや外力によって身体の組織が損傷を受けた状態を示すものであり、いずれの負傷も、身体の組織の損層の状態が慢性に至っていないものであること」とされている。しかし「文言が変わっても改正前後で療養費の支給対象を見直すものではない」との見解が厚生労働省から示されている。

施術管理者の要件については平成30年4月より既に施行されている通りで、受領委任を取扱う施術管理者となる場合には、実務経験と16時間以上2日間程度の研修受講が要件となる。平成30年3月末に施術管理者であっても、4月以降に新たに届出をし直す場合なども対象となる。ただし、研修の実施は平成30年夏以降に行われる予定であるため、平成30年度については受領委任の届け出から1年以内に研修を受講すればよいという経過措置が取られる。実務経験については、受領委任を取り扱っている施術所での経験に限られる。一部反対意見も見られるが、保険医療機関での実務経験も参入できる見込みだ。しかしその場合、3年の実務経験のうち最低1年は接骨院等の施術所での実務経験が必要となる。施術所の閉鎖等で証明が難しい場合は、地方厚生局等への届け出により確認する。開設者が自分である場合は自分で証明することになる。虚偽の証明は受領委任の中止または中止相当の罰則が科せられる。

広告検討会の議論内容について

広告検討会は全6回開催予定で、広告ガイドラインの作成や広告可能事項の見直しなどを行う。広告の制限は、患者が適切な機関を選択・受診することができるよう、ルールを作成してそれに則って患者に情報を提供するという「患者保護」の観点で行なわれている。

医科についても、美容医療サービスに関する消費者トラブルが増加したためにガイドラインが作成された。今まではウェブ広告に関する罰則等の規定はなく無法地帯となっていたが、今後は不特定多数の目に触れるものは規制される。ただしホームページに関しては、患者が自ら求めて入手する情報であるため緩和が予想される。検討会が始まったからと言って規制が厳しくなるとは限らず、あくまで患者に分かりやすい情報を提供できるようにするという観点で進められる。

パネルディスカッション

続いて、広告に関する意見交換としてパネルディスカッションが行われた。
パネリストは全整連保険部の田畑興介氏、中村崇男氏・西崎斉氏が、司会進行は全整連・近藤昌之理事が務めた。

一言ずつ挨拶をお願いします。

中村氏:
国家資格である柔道整復師が行っている骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷などの業務の内容を、看板等にわかりやすく記載できるようにしていきたい。

西崎氏:
料金が数十円上がることよりも、広告においていかなる自由を手に入れるかが生活に直結すると思う。我々にとってどうすれば業務を行いやすいのかを考えながら注視していくことが重要だと考えている。

田畑氏:
柔道整復師法上にある広告の制限は当然古い。患者に分かりやすいように改正することが必要。また改正するのであれば具体的にどのような方法で行うのか注目していきたい。

現在の広告し得る事項は柔道整復師法第24条に記載されているが、今後はどのような点を獲得していけばいいと思われるか。

中村氏:
そもそも患者の利益になるために広告があるのに、現在の広告内容で患者が理解できるのか。広告可能事項制限ではなく、広告禁止事項を決めてもらいたい。そのほうが国民にも業務内容が分かりやすいと思う。

今後、検討会ではガイドラインの作成、広告可能事項の見直し等が話し合われる。どう働きかけるか。

西崎氏:
検討会は柔道整復師法における広告の制限について検討するはずが、無資格者に対する規制に目が向いてしまっているように感じる。無資格であっても人体に影響のない範囲であれば認められている。まずは柔道整復師法の中の規制の話をしてほしい。我々の広告可能事項を拡大してから、無資格者はそれを記載できない、有資格者のみが記載できるとすれば、無資格者についても規制できるのではないか。

田畑氏:
「整骨院」という表記は現在、広告可能事項に入っておらず、認められないと被害が大きいため可能事項に入れたい。

ガイドラインは医科のガイドラインに沿って作成されていくと思われるが、ここだけは守らなければならないという部分は何か。

西崎氏:
我々は運動器疾患のプロであり外傷の専門家であると示せるよう、患者に対して我々はどんな施術ができるのかを明確に記載できるようにすべき。柔道整復師という資格ができて何十年も経っているのに、何をやっているかわからないと言われるのは広告制限のせいではないか。

ウェブ広告やSNS、ホームページへの規制についてはどう思うか。

中村氏:
虚偽・過大広告はどんどん規制してもいいと思う。どんな施術を行なっているか等の事実のみを書けば過大広告にはならない。

田畑氏:
他の法律との整合性で、根拠のない広告をするなということ。患者さんの声にしても何例中何例が良くなったか、その期間などのデータを示す必要が出てくるだろうというのが厚生労働省の見解だ。

今後に向けて、一言ずつお願いします。

中村氏:
皆さんとともに作っていきたいと思っているので、どんどん意見を言っていただき、国民にとって一番理解しやすいものにしていきたい。

西崎氏:
一番大事なのは意見集約であり、誰もが必ずしも最初から同じ意見を言うべきだとは思っていない。自分と正反対の意見であっても、最終的に決を採って決まった業界の意見であれば通していくことが大切。どんな意見でもいいので全整連に表明していただきたい。

田畑氏:
全整連だからできることがある。皆さんの意見をいただければ責任を持って厚生労働省に届けていく。

最後に、近藤氏は〝貴重なご意見ありがとうございました。権限は何もしなくてももらえるものではなく勝ち取るものだ。7万人の柔道整復師がひとつになればできることはたくさんある。接骨院に行きたいという国民は多いのだから、情報や意見を交換して、一丸となって頑張ろう〟と力強く結んだ。

尚、柔道整復師連携フォーラムは今後、北九州市、仙台市、札幌市でも開催される予定だ。

<北九州会場>

日時:
平成30年6月10日(日)16:00~17:30
会場:
学校法人国際学園 九州医療スポーツ専門学校
福岡県北九州市小倉北区馬借1-1-2

<仙台会場>

日時:
平成30年6月30日(土)17:00~18:30
会場:
学校法人健生学園 東日本医療専門学校
宮城県仙台市太白区中田4-4-35

<札幌会場>

日時:
平成30年7月1日(日)13:30~15:00
会場:
TKP札幌ビジネスセンター「カンファレンスルーム5B」
北海道札幌市中央区北3条西3丁目1-44 ヒューリック札幌ビル5F

各会場参加費:1,000円(全国柔道整復師連合会加盟団体会員、個人会員は無料)参加申込方法
①TEL:03-5875-4884
②FAX:03-5875-4883
③メール:jusei.rengo@gmail.com
④開催当日の連絡先は、090-7477-3987

参加申込書はこちらからダウンロードできます。

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