「高齢者」年度内に定義見直し、発表へ
日本は世界保健機関(WHO)や他の先進国と同じく、65歳以上を「高齢者」と定義している。しかし10~20年前と比べて若々しい高齢者が増えており、日本老年学会の甲斐一郎理事長は6月12日、横浜市で開かれた同学会の会合で、「高齢者」の定義を見直すと報告した。本年度内をめどに正式発表するという。
日本では現在、65~74歳を「前期高齢者」、75~89歳を「後期高齢者」、90歳以上を「超高齢者」と定義している。同学会によると、高齢者の定義見直しには、現在、定義に入っている年齢の人が以前に比べて若々しいことのほか、社会の支え手を増やして活気のある高齢社会を築く意義もあるという。
見直しに当たり、国民の意識調査や病気の構造、体・心理・社会機能の変化について検討を重ねた上で、同学会は「現在の高齢者は10~20年前に比べて5~10歳は若返っていると想定される。個人差はあるものの、高齢者には十分、社会活動を営む能力がある人もおり、このような人々が就労やボランティア活動など社会参加できる社会をつくることが今後の超高齢社会を活力あるものにするために大切である」との声明を発表した。
一方で、聖学院大学人間福祉学部の古谷野亘教授は、身体機能や認知機能の低下を遅らせることに異論はないものの、例えば高齢者が働き続けることが若年者の就業や高齢者自身の生き方に与える影響も考慮すべきとの問題を提起した上で、「社会生活の加齢変化は、遅らせるのが望ましいとは限らない」との考えを示した。
<ニュースソース>
Mokosuku(2015/06/18)
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