柔道整復師制度 カルテ提示要求、倫理単位必修に
産経新聞によると、一部の整骨院や接骨院で不透明な保険請求が相次いだ柔道整復師について、厚生労働省が来年度から、不正請求の疑いがある場合にはカルテの提示を求めるなど審査を厳格化することが9日、分かった。柔道整復師の抜本的な規制強化は初めてとなる。
平成27年11月には、接骨院で患者に施術したように装い、暴力団組員などが療養費を詐取する事件が摘発された。この事件の被害額は約1億円と推定。厚労省によると、26年度までの5年間で、不正請求で返納された療養費は約5億7千万円に上るという。
厚労省は一連の事件を教訓に、不正請求の疑いの強い施術所にカルテや領収書の発行履歴など資料の提示を求め、「柔道整復療養費審査委員会」が確認した上で、審査を厳格化する。請求者に説明を求めることもある。支給申請書の様式を統一化し、地方厚生局による個別指導や監督も迅速化するという。老人ホームから金品で患者の紹介を受けた施術所には療養費の支給を停止する。
一方で、厚労省は「不正請求を絶つために、養成段階での人材の質の向上が必要」と判断し、柔道整復師の養成課程に職業倫理を学ばせる新しいカリキュラムも導入する。必要単位数を85から99単位へ引き上げ、職業倫理と保険の仕組みなどの社会保障制度の授業を1単位(15時間)ずつ追加する。さらに高齢化社会に対応するため、高齢者の身体理解を深める授業も追加。これまで明確でなかった最低履修時間についても、2750時間以上と設定する。
<ニュースソース>
産経新聞(2017/01/10)
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