社会保障費削減が必須 財政審、予算編成へ議論開始
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は7日、年末の2017年度予算編成に向けた議論を開始した。優先課題は高齢化で増加する社会保障費の圧縮で、患者の自己負担を減らす「高額療養費制度」見直しや高額薬の薬価引き下げなどが論点となる見通し。11月ごろの建議(意見書)提出を目指す。
各省庁からの概算要求は一般会計総額が101兆4707億円と3年連続で100兆円を超えた。予算圧縮には歳出の3割を占める社会保障費の削減が不可欠だ。厚生労働省は17年度の社会保障費の伸びを約6400億円と見込むが、財政健全化計画では年約5000億円に抑える目安を設定。予算編成過程で1400億円を削る必要がある。
歳出抑制に有力とみられているのが、高額療養費制度の見直しだ。1カ月の自己負担額に上限を設け、超えた分は払い戻される仕組みだが、70歳以上の自己負担の上限額が現役世代より低く、それを引き上げるかが焦点となっている。また、高額な医薬品の薬価引き下げも議論されるとみられる。新型がん治療薬「オプジーボ」は、日本では患者1人の投与で年約3500万円かかるとされるが、英国では約780万円。厚労省は18年度の次回薬価改定を前に、特例的に値下げすることを検討している。
一方、消費税率10%引き上げ時に予定されていた社会保障の充実策を前倒しで実施するための財源探しも議題となる。政府は子育ての受け皿を50万人に拡大する施設運営費(必要財源1000億円)を優先して確保したい考えを示している。
<ニュースソース>
SankeiBiz(2016/09/08)
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