第21回医療オリンピックC-1 2024決勝大会開催
2024年3月17日(日)、品川インターシティホール(東京都港区)にて「第21回医療オリンピックC-1 2024決勝大会」が開催された。
2003年に初めて開催されて以降、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師などの治療家たちの技術・知識の向上に貢献してきた医療オリンピックC-1は、今大会で21回目を迎える。決勝大会では包帯王・診断王・矯正王・刺鍼王・医識王の5競技が行われ、全国8地区の予選大会を勝ち上がった猛者たちが一堂に会し、その実力を競った。またオープン競技である医識王は、当日会場に集まった観客も参加することができる。
主催者である整骨院振興協同組合・近藤昌之代表理事は〝私たちの今を作るのは過去の積み重ね。つまり未来の私たちを作るのは、今この一瞬の積み重ねだ。我々医療家は患者さんの信頼のうえに成り立っている。我々の知識・技術・マインドが患者さんに評価されることが、私たちの未来になる。ところが納得していただけなかった患者さんはクレームを言わずに去ってしまうことも多い。医療オリンピックC-1では勝つ人もいれば負ける人もいる。私たちの業界に必要なのはまさに【負ける】ということ。負けて謙虚になって、どうして自分が評価されなかったのか、どうしたら向上できるのかを考え、さらに上を目指すことができる。そこに医療家としての未来がある。患者さんからの信頼を得るために、知識・技術・マインドを一歩一歩高めていきましょう!〟と出場者を激励した。
競技内容
包帯王
包帯巻きの技術を競う。複数の審査項目を設け、総合ポイントで競う。制限時間は40秒で、タイムオーバーは失格となる。準決勝までは足関節の包帯巻き、3位決定戦は足関節に加え、肩関節の包帯巻きを、決勝戦は①左足関節、②左膝関節、③右第2・3指、④左手首 ④コーレス骨折を意識し、肘を含まない前腕の固定をする。
診断王
診断力を競う。患者に対する問診から診断までを8分間の制限時間の中で実際に行い、診断の的確さや説明の内容、患者さんへの接遇力など6項目を競う。決勝大会には地区予選を勝ち上がった4名が出場した。
矯正王
身体のゆがみを矯正する技術を競う。1分間で評価を行い、2分間で様々な手技を用いて施術を行う。
「Posen」を用いて首、肩、腰、膝の10項目の視点から体のゆがみを測定し、施術前後の数値から審査を行う。地区大会を勝ち抜いた13名と前回大会優勝者の計14名が出場した。
刺鍼王
刺鍼の技術を競う。片手挿管により1番1寸3分を1分30秒で鍼台に10本打ち込み、正確さと速さを競う。刺入深度は1cm、刺入角度は直刺とし、直径3mmの丸の中に刺鍼を行う。
医識王
クイズ形式で医療知識を競う。予選はオープン競技として会場全体で行い、成績上位3名で決勝戦を行う。
声援を送る観客にステージ上から手を振る余裕を見せる出場者もいれば、思うようにいかず悔しげな表情を見せる出場者もいた。しかし緊迫した状況下でも皆、笑みがこぼれていたのが印象的で、日頃から真摯にひたむきに施術に取り組んでいるのだろうということが観客にも伝わってくる大会だった。
閉会挨拶として、全国柔道整復師連合会・田中威勢夫代表理事は〝医療オリンピックC-1の存在によって、大会出場者だけではなく出場者の周囲の先生方の意識も高まっていると感じた。業界に大きく貢献している大会だ。これが業界全体に広まれば、国民からより愛される業界になっていくだろう。我々の業界は様々な問題も抱えているが、患者さんと向き合って日々施術を行っている先生方が一番大切だと思う。これからも業界のために頑張っていただきたい。また、主催者の方々には是非このような大会をこれからも続けていっていただきたい〟とエールを送った。
大会結果
包帯王
優勝:片桐浩希(かたぎり整骨院 みどり市笠懸院)
2位:高井那央登(船堀中央接骨院)
3位:石田崇(亀戸駅前中央接骨院)
刺鍼王
優勝:田川彩華(笑顔道 小川の整骨院)
2位:飯田真理子(はり灸 心音)
3位:末永昂志郎
矯正王
優勝:入江祥隆(東陽町整骨院・鍼灸院)
2位:長谷大貴(げんき堂整骨院 境町)
3位:小川美保(笑顔道 吉祥寺駅北口の接骨院・はり灸院)
診断王
優勝:菅野優亮(オレンジ整骨院)
2位:田代貴大(日本橋中央整骨院)
3位:前原充喜(千葉みなとオレンジ整骨院)
医識王
優勝:住吉泰之 (馬場武装)
(敬称略)
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