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第9回柔道整復師団体情報交換会 開催

2017/12/04

平成29年11月20日(月)、衆議院第2議員会館地下1階第1会議室(東京都千代田区)において、(一社)全国柔道整復師連合会(以下、全整連)主催『第9回柔道整復師団体情報交換会』が開催された。

第9回柔道整復師団体情報交換会 開催

同日には、TKP赤坂駅カンファレンスセンターホール13A(東京都港区)にて『第12回柔道整復療養費検討専門委員会』(以下、検討専門委員会)も開催されており、その内容も踏まえての開催となった。

全整連・田中威勢夫会長は〝今日は(公社)日本柔道整復師会からは三橋総務部長、厚生労働省からは3名参加していただいている。今までは柔道整復師資格を取得したら即施術管理者として開業することもできたが、今後は若干複雑になる。皆さんにはしっかり勉強していただき、明日からの業務に役立てていただきたい〟と挨拶。

続いて、来賓として出席した(公社)日本柔道整復師会・三橋裕之総務部長は〝一番の目標は柔道整復業界をしっかり残していくということ。昨年は反社会的勢力の問題があり、柔道整復師を問題視するような声もあったので、これを立て直すために検討専門委員会を行っている。目標に向かって手を携えながら、柔道整復という日本に根付いた伝統医療を守っていくことが重要だ〟と熱く語った。

その後、全整連・田畑興介理事より当日の検討専門委員会の内容について概要説明が行われた。

 

『第12回柔道整復療養費検討専門委員会』の内容
実務経験(案)について

実務経験は、養成校卒業前に行われるカリキュラム改変に伴う臨床研修とは別物と考える。
臨床研修は指定された施設で行うが、資格取得後の実務経験を証明する施設は受領委任を取り扱っている施術所であれば良い。病院などの保険医療機関での勤務を実務経験とみなすかについては現在検討中となっている。施術所の閉鎖等で実務経験の証明が難しい場合の対応は別途検討されるが、必要に応じて地方厚生(支)局への届け出の情報で確認する。
施術所単位での証明となるが、実務経験証明書は厚生労働省が示す統一のフォーマットにて発行する。虚偽の証明を行ったときは受領委任の中止または中止相当の処分が下される。

 

研修カリキュラムの受講

施術管理者の要件として、実務経験の他に研修カリキュラムの受講も必要となる。
研修時間は合計16時間以上、2日間程度とされている。研修は登録基準を満たした機関で実施される。なお、研修修了証の有効期間は5年間とし、研修修了から5年を経過した後に施術管理者となる場合には改めて研修を受講する必要がある。

 

緩和措置について

今年度に柔道整復師の資格を取得し、その後5月末日までに施術管理者となる届け出をした者については、実務経験と研修の受講に関する緩和措置が設けられており、特例として一定期間(7日間)の実務研修をすることとされている。
しかし専門委員会でもこの7日間というのが具体的に1日何時間なのかという質問が上がっており、後日改めてQ&A等で回答が示されることとなった。

 

受領委任に係る協定・契約改正案

厚生労働省が示した案には「1年以上柔道整復師として実務に従事した経験を有する者」と記載されている。最終的には3年の実務経験を課すということで計画してきているのに、何故1年と記載するのかという質問が上がり、厚労省は問題が起こった時等に備えて1年としたと回答。
施術者側としては3年と記載するように要望した。

 

その後、会場からの質問と予め全整連に寄せられた質問に対し、厚生労働省担当官から回答が行われた。

 

質疑応答
Q:
実務経験に関して「虚偽の証明を行ったときは受領委任の中止または中止相当となる」という点について、具体的には何年くらいを想定しているか。
A:
具体的な年数は事例等を検討したうえで、今後議論していきたい。
Q:
限界事例の緩和措置に関して、特例で研修を行う施術所については「過去に行政処分を受けていないこと」とあるが、この場合の行政処分は受領委任払い取り扱い中止を意味するのか。
A:
柔道整復師法上の違反があって業務の取扱いが停止となった者が該当する。
Q:
限界事例の緩和措置に関して、研修先の施術所の要件に「施術管理者として継続した管理経験が3年以上あること」とされているが、例えばグループ経営されている施術所で2年施術管理者として勤務し、院を異動してさらに2年勤務した後に独立して開業したという場合は該当しないのか。
またこの3年以上という条件は特例に該当する場合にのみ適用されるものなのか。
A:
あくまで特例であるので、1つの院で継続した3年以上の管理経験でなければ認められない。特例に当てはまらない場合は、期間に関係なく受領委任を取り扱っている施術所として運営されているのであれば認められる。
Q:
通常、施術所に勤務する場合には勤務柔道整復師として厚生局に届け出が出されているが、何らかの手違い等で厚生局に登録せずに勤務していた場合、実務経験証明書があれば実務経験があったと判断されるか。
A:
過去に勤務柔道整復師として登録されていたかどうかなどはデータが残っていないため、場合によっては「勤務柔道整復師として登録されていませんが」という照会はさせていただく可能性もあるが、実務経験証明書が第一となる。
Q:
勤務していた施術所が実務経験証明書の発行を拒むこともできるのか。
A:
拒否することは想定していないが、万が一証明してもらえない場合には、給与明細などの雇用を証明できるもので代用できるようにしていきたい。
Q:
実務経験を証明してくれる人がいない場合にはどうすればいいのか。
A:
雇用証明をする方を管理者と定義しているが、これは施術管理者または開設者としている。本人が施術管理者や開設者の場合には、本人が証明すれば良い。
Q:
平成30年以降の資格取得者は研修を受講しなければならないのに、現在の有資格者には研修が必要ないのは何故か。
A:
全員に再講習をしたいというのが本音だが、全柔道整復師が再講習をするとなると、全員が講習を受けたかどうかを管理しなければならない。そのため、まずは新たに施術管理者となる方から制度を開始したい。
Q:
養成施設のカリキュラム変更に伴う臨床実習の拡大について、今後は養成施設内の施術所だけでなく外部の施術所も臨床実習施設として活動していかなければならなくなると思われるが、どのように協議をしていけば良いか。
A:
外部の施術所でどれだけ実習を行うかは学校でなければ決められない部分なので、養成施設側から外部の施術所にアプローチしていただければと考えている。
Q:
患者調査の白紙委任に関して、厚生労働省は平成19年の質問主意書の答弁において「当該申請書については療養費は1か月を単位として請求されるものであり、当月の最後の施術の際に患者が1か月分の施術内容を確認したうえで署名を行い、これを作成することが原則であるが、柔道整復師の施術所への来所が患者により一方的に中止される場合があること等から、患者が来所した月の初めに署名を行い、当該申請書を作成する場合もあることは厚生労働省としても承知している」と回答している。
しかし患者調査では、患者が月初めに署名をしていることを理由に返戻や不支給とすることもある。このような場合、患者はどのように回答すればいいのか。
A:
転帰や治癒のタイミングで患者が来所しないケースがあるため、白紙署名もあると承知しているというのが厚生労働省の答弁の主旨かと思う。患者調査においても直ちに返戻となると行き過ぎだと考えている。具体的にそのような事例があれば報告していただきたい。
Q:
健康保険証の資格喪失後に患者が保険証を持参した場合について、厚生労働省は平成25年の厚生労働委員会において「保険証の回収日よりも早く受診されていれば、原則として医療機関には診療報酬を支払い、被保険者に給付費の請求を行う」と答弁している。柔道整復施術所においてはどのような対応になるのか。
A:
確実に保険請求ができるのは資格喪失日の前日までなので、このような事例があれば保険者に資格喪失日を確認していただきたい。
Q:
広告規制について、ド派手な違法広告で有名な某整骨院グループが急速に店舗数を伸ばしている。違法広告は少しも改善されていないが取り締まらないのか。
A:
今年度にはガイドラインを出して、規制を強化していきたい。
Q:
電子請求について、具体的な実施方法やモデル事業の実施等が検討されているが、レセコン会社には何も知らされていない。仮に全整連がレセコン会社だけを集めて意見交換会を開催した場合、厚生労働省は意見を聞き入れてくれるか。
A:
開催されるのであれば意見を受けたい。勉強のためにも意見交換会や勉強会等を開催していただければ助かる。
Q:
電子カルテ導入の検討状況について教えていただきたい。
A:
電子請求については導入に向けてモデル事業を実施し、できるだけ早期実施を目指しているところであるが、電子カルテについては議論されていない。
医科では法律上、診療録というものの設置が義務付けられているが、柔道整復師法では施術録に関する規定がなく、厚生労働省で出している留意事項通知の中にしかない。
したがって電子カルテは想定しておらず進捗を報告する段階ではないが、電子請求に絡んで電子カルテもあるだろうと考えている。

最後に、全整連・竹田潔監事は〝できるだけ皆様の意見を頂戴しながら、末端の柔道整復師にも理解していただける形で進めていきたい〟と協力を呼びかけ、閉会となった。

 

 
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