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これだけは知っておいて【第32回:柔道整復の根本は「信頼」】

2017/08/01

明治国際医療大学 教授 長尾 淳彦

私達柔道整復師が治療をしていく上での根本は患者さんとの「信頼」です。
「信頼」は、こつこつ「安全」の証明を積み重ね「安心」の感情を得ることです。
安心と安全を混合せずに客観的な事実を確認・検証することが必要です。

「安心」は読んで字の如く「心が安らぐ」ことです。
これは、人それぞれの判断に委ねられるもので自ら理解・納得したという主観的な感情が芽生えない限り「安心」は得られません。

「安心」が主観的であるのとは反対に客観的な事実であるのが「安全」です。
「科学で証明される客観的事実」「科学的評価によってもたらされるもの」が「安全」です。
一旦「安心」という概念が崩れると主観的な感情ですから「科学で証明される客観的事実の安全」を積み重ねても主観的感情が納得しなければ「不安」となり「安心」とはなりません。

柔道整復師としての質の高い柔道整復を提供するためには深く広い知識と確かな整復・固定技術は勿論のこと高い倫理観が不可欠です。
深く広い知識や確かな整復・固定技術は「柔道整復安全」の基礎です。高い倫理観が「柔道整復安心」の基礎となるものと思います。

将来にわたり、「柔道整復師」が医療人として「誇り」を持って患者さんに「安心」を与えられるような仕組みを進めていかなければなりません。
それには「信頼」の積み重ねが大切です。
従来、柔道整復師は安心安全な地域づくりのための「地域のゲートキーパー」の役割を果たしてきました。身体やケガのことのみならず、悩みや相談事に対し、的確に対応できる街のほねつぎ・接骨院であったはずです。

現在でも特殊詐欺の未然防止、認知症早期発見、幼児虐待、老人虐待の早期発見など患者さんとの一対一の対面治療の特徴を活かした対応がなされています。
そのために柔道整復師は、きめ細やかにニーズに合った研修会や講習会に参加して最新の理論・知識を得て技術に反映させてもらいたいものです。

生涯現役を貫くには「生涯勉強」という向上心が必要です。

 

 

 

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