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(公社)日本柔道整復師会第36回東北学術大会青森大会開催

2015/07/28
介護セミナー(ランチョンセミナー)
『2015・柔道整復師と介護保険について―柔道整復師として地域連携を考える―』

公益社団法人日本柔道整復師会保険部介護対策課

三谷氏講演を行なった三谷誉氏は〝平成26年6月18日介護保険法改正法が成立して、平成27年4月から順次施行されている。今回の改正では施設を含めた様々な形態の住まいを整備したうえで、医療の充実、医療・介護の連携による効果的なサービス提供、様々なニーズに対応する生活支援サービスを確保した形での新しい街づくり、すなわち地域包括ケアシステムの構築を行なっていくことになっている。地域包括ケアシステムという概念や方向性は統一されているが、その内容は全国一律ではなく市町村ごとに違う取り組みがなされている〟とし、地域包括ケアとは何か、地域包括ケアは接骨院・整骨院にどのような影響を与えるのかを解説した。また、柔道整復師はどのように地域包括ケアに参入していくべきかについて〝在宅医療の中で骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷など軟部組織損傷の専門職種として、あるいは介護予防・日常生活支援総合事業の中で参入のチャンスがある。地域包括ケアシステムは新しい考え方なので学術大会に積極的に参加して学んでいただきたい〟として、厚生労働省が示している具体案を紹介、解説した。

 

研究発表
  • TFCC損傷(三角繊維軟骨複合体損傷)に対する固定とテーピング法の一例
  • 秋田県 高橋亘

    スポーツ外傷において手関節尺側部の痛みで来院されるケースが多く見受けられる。今回、TFCC損傷の症状のうち最大可動域での疼痛や軸圧痛、不安感を訴える選手への治療として、可動域を完全に制限せずに症状の軽減に有効であった固定法とテーピング法を競技別統計、症例を含め報告する。

  • 体幹前屈肢位を呈した腰痛患者に対する治療法の文献研究
  • 山形県 丹学

    2012年12月に日本整形外科学会・日本腰痛学会は『85%の腰痛は原因不明』と発表した。原因が明らかでない腰痛は手術で治すことはなく保存療法が選択される。今回、腰痛が主訴で体幹前屈肢位を呈した患者に対して腸腰筋の治療を行い、1度の治療でも患者満足度が高いと考え報告する。

  • 腹部引き込み動作を利用した体幹深層筋の効果的な訓練方法の検討
  • 福島県 大内佳奈江

    2006年のSystematic review において体幹筋エクササイズが慢性非特異的腰痛に対して有効であり、特に四肢の運動時に体幹深層筋が先行して収縮し支持する働きがあるとされている。また、深層筋活動を促す運動の一つとして腹部引き込み動作が有効であるとの報告があり、腹部を引き込む深さを3~5段階に変え、その深さと体幹筋活動量との関係性を調査した。

  • 病態を基にした傷病分類の提案(続報)
  • 宮城県「柔道整復学」構築研究委員会 委員 田村博

    「柔道整復学・理論編」に掲載されている軟部組織損傷のうち、柔整5傷に当てはめることが困難で分類の判断が分かれるものが存在する。平成26年6月に分類の一例を提案しひとつの結論としたが、宮城県柔道整復師会の方法を引用し(公社)大阪府柔道整復師会においても調査が実施されたため、その結果を踏まえて新たな見解を報告する。

  • みかけの脚長差が起因となった腰痛発生の調査解析について  ―大腰筋(腰神経叢)が腰痛に及ぼす影響―
  • 岩手県 間橋淑宏

    平成12年の日本柔道整復師会東北学会宮城大会において腰痛を主訴とした患者の98%に脚長差が見られたと報告された。今回は「見かけの脚長差と腰痛の関係性」についての約2,000余症例の共通点と既発表の論文や成書を対比検討した結果を2症例と共に報告する。

  • 当接骨院に来院する患者の統計Ⅱ ―五戸町と仙台市との比較―
  • 青森県 新井田一吏

    平成25年3月まで約15年仙台市内で接骨院を開設していたが、以前は多かった骨折・脱臼の症例、急の処置を要する症例が減ってきていると感じ、来院した患者に対し調査・分析を行い平成24年に宮城県で行なわれた学会で発表した。青森県五戸町に接骨院を移設し2年目を迎えた今、前回の研究と同様に調査し比較考察を行なった。

 

上記発表の他、東北各県会員より6題の実技発表が行なわれたが、質疑が多く交わされ活発な議論が展開された。

 

表彰式

その後研究発表者および実技発表者への表彰が行なわれ、今学術大会は盛会のうちに閉会となった。

 

 
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