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(公社)日本柔道整復師会第44回北海道学術大会札幌大会開催

2015/07/10
『2015・柔道整復師と介護保険について』

公益社団法人日本柔道整復師会保険部介護対策課 三谷誉氏

三谷氏冒頭、三谷氏は〝地域包括ケアシステムは新しいサービスを作るという形ではなく、今あるものを活用して住みよいまちづくりをするということ。『医療・介護サービスの提供体制改革後の姿』として政府が公表している資料には、昨年2月に「その他の専門職」として柔道整復師が記載された。我々柔道整復師は骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷に対しアプローチができる専門職であり、それを地域の中でどう活かしていくかという視点が重要だ〟と述べた。

地域包括ケアの概要については〝政府は、病院への入院期間は14日までを目指し、早期に退院させるよう進めている。不安定な状態で退院するため在宅医療の整備が重要となり、そこに柔道整復師が参入する見込みがある。連携というのは情報のやり取りであり、まずは我々柔道整復師に何ができるのかを発信し、チーム医療として、他業種と患者の情報について共有することが大切となる。地域包括ケアシステムは、①医療、②介護、③生活支援、④介護予防、⑤住まいの確保-の5つを柱としている〟と述べた。

介護予防については〝「介護予防日常生活支援総合事業」がキーワードであり、政府は訪問型サービスと通所型サービスの2種類で行うよう提示している〟として、それぞれの特徴について詳細に説明し、柔道整復師の地域包括ケアシステムへの参入について解説した。また、介護予防を行う上で患者個人の興味関心や希望、生活史に沿った提案をすることも大切であり、それができれば継続性も向上するとし、押さえておくべきポイント等を解説した。

 

■ 『草原に架かる虹を追って
―公益社団法人日本柔道整復師会モンゴルでの記録―』

公益社団法人日本柔道整復師会国際部員 本間琢英氏・金井英樹氏

本間氏・金井氏初めに金井氏は、モンゴル国や国民行事であるナーダム祭の概要について説明し、〝モンゴル国と国際交流を行うようになったのは、日本で治療を受けていた朝青龍関が治療実績をモンゴルオリンピック協会に紹介し、財団を通じて招へいされたことがきっかけだった。2005年にはスポーツメディスンシンポジウム、学会発表やナーダム祭の傷害調査、2006年にはモンゴル国オリンピック協会、体育協会、モンゴル国立医療科学大学と調印締結し、地方医師への卒後研修が始まった〟と経緯を述べた。

モンゴルの医療システムについて〝一次医療として地方の村を担当するバグ(村)医師は、手術以外のほとんどの医療処置を行うほか、出産にもかかわる重要な役割を担っている。バグ医師で対処できない患者はソム(都)医師が担当する。ソム病院には小規模な入院設備もある。そこでも対処できない場合、大規模な入院設備があり、おもに重症患者を扱うアイマグ(県)の病院に搬送される〟として、受傷の原因となる事例や地方医療の問題点について紹介した。加えて〝医療インフラが整備されていない現状では、一次医療のバグ医師が適切な治療が施せるようになることが大切で、高度な医療機器を必要としない柔道整復術はモンゴルの医療にとって大きな効果がもたらせるのではないか〟とした。

本間氏は、プロジェクトについて〝日本柔道整復師会ではモンゴル国立医療科学大学およびその付属大学をカウンターパートとして事業を行ってきた。JICAの事業として、モンゴル国と日本国政府の契約に基づいて、モンゴルには柔道整復術が必要だということを両国が認めたから行われている。様々な機関と連携を取っており、特に地方のバグ医師とはネットワークを作り、データを吸い上げて効果を測定している〟とし、現地医師に対し行ったアンケート結果や柔道整復術指導者候補生の活動内容等を紹介した。

 

また、モンゴル国准医師であるエンフタイワン・トゥブシンバヤル氏は『モンゴル国における柔道整復術の普及活動報告』と題し、プロジェクトにおける柔道整復術指導者候補生の活動内容について詳細に報告した。

 

表彰式

これらの他、各ブロック研究論文発表12題、附属北海道柔道整復専門学校学生発表4題、実技発表6例、「物理理学療法の実際と実技」3題が発表された。
最後に発表者の表彰が行なわれ、本学術大会は盛会裏に幕を閉じた。

 

 
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