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運動器超音波塾【第13回:肘関節の観察法 6】

特集 運動器超音波塾

株式会社エス・エス・ビー
超音波営業部マネージャー
柳澤 昭一

近年、デジタル技術により画像の分解能が飛躍的に向上した超音波は、表在用の高周波プローブの登場により、運動器領域で十分使える機器となりました。この超音波を使って、柔道整復師分野でどのように活用できるのかを、超音波の基礎からわかりやすくお話してまいります。

第十三回 「師匠、東洋医学研究集成の本、借りっぱなしです。」巻
―上肢編 肘関節の観察法について 6―

藤田 紀盛先生 (筑波大学名誉教授・日本超音波骨軟組織学会名誉会長)が、平成28年9月13日にご逝去されました。享年86歳でした。自分にとって、たくさんの出会いの中で師匠と呼ばせて頂いている方々の御一人で、平成4年に「骨折を被爆せずに安全に観る方法がないか?」というテーマで共同研究開発を始めた時からのお付き合いでした。藤田先生には、運動器の解剖や東洋医学、特に生理学については基礎からご教授頂きました。その後、超音波観察装置研究会、日本超音波骨軟組織学会では会長としてお付き合いいただき、多くの事を学ばせて頂きました。先生とお会いする時は、奥様もいつもご一緒で、大学時代の官舎、小石川の研究所にも何度か足を運ばせていただきました。ある時は、筑波山麓にあった「ゆう・もあ村」という自然休暇村(江戸時代の町並みを再現したテーマパークで現在は運営されていません)で、忍者からくり屋敷などをご一緒に観て歩きながら、江戸時代の庶民の医学的状況などのお話を伺った事を、懐かしく想い出しています。専門分野の鍼灸やスポーツマッサージについて語られると止まらなくなり、いつでも「科学的根拠を明らかにしなさい」と、教わりました。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

故藤田 紀盛先生 (筑波大学名誉教授・日本超音波骨軟組織学会名誉会長)
故藤田 紀盛先生 (筑波大学名誉教授・日本超音波骨軟組織学会名誉会長)

藤田紀盛名誉会長と日本超音波骨軟組織学会の歩み

昭和31年
東京大学医学部研究科(生理学)
昭和36年
医学博士
昭和49年~
厚生省中央薬事審議会臨時委員
昭和50年
筑波大学教授
平成  4年
社)日本柔道整復師会「骨観察法研究開発委員会」の業務の一環として、(株)エス・エス・ビーと共同研究開発に着手
平成  5年
筑波大学退官 名誉教授
平成  6年
藤田紀盛名誉教授を会長に超音波観察装置研究会発足
平成13年
日本運動器系超音波研究会を経て日本超音波骨軟組織学会発足
平成18年
日本超音波骨軟組織学会 名誉会長

今回の「運動器の超音波観察法」の話は「肘関節の観察法」として、前回書ききれなかった肘関節外側の病態と超音波でのアプローチ、橈骨頭レベルでの回内制限の要因について考えてみたいと思います。

肘関節外側の病態

肘関節の外側アプローチで観察される病態については、下記のものが代表的です。

  • テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
  • 上腕骨顆上骨折
  • 肘内障
  • 橈骨管症候群(後骨間神経麻痺)
  • 後外側回旋不安定症(PLRI)

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)の主な症状とその病因

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、手首や手指を伸ばした時、前腕の回旋時の肘外側部に痛みを訴える障害です。なかには握力の低下や、手のひらを下に向けた状態で肘を伸ばした時の肘のひきつれ感が出現して伸ばしにくいという場合もあります。その病因は古くより25にまとめられ検討されていますが、まだ十分には解っていません。*1

テニス肘と通称されていますが、臨床的にスポーツ関係は5%以下で、一般の40~60歳に多いとされています。

  • 伸筋(手首をそらす筋)の主に短橈側手根伸筋の、上腕骨外側上顆起始部の障害や老化(線維化・石灰化・変性)
  • 橈骨輪状靱帯の損傷や狭窄
  • 滑膜ヒダという関節内の滑膜の一部の肥厚や炎症
  • 関節内水腫など滑液包炎
  • 滑膜ヒダの関与による関節内の関節軟骨変性や滑膜炎など変形関節症
  • 橈骨頭の軟骨軟化症
  • 後骨間神経の絞扼神経障害との合併

など、論文に書かれているものも多岐にわたります。どうやら上腕骨外側上顆炎は、肘外側部痛を呈する症候群として捉えられており、これから超音波診断などによって、更に詳しく分類されていくと思います。これについて、東京医科歯科大学整形外科の論文では、肉眼解剖学的研究により短橈側手根伸筋という伸筋腱の1つとその裏にある関節包という関節を包む膜構造の脆さがその病態に関わっていると報告しています。*2

*1
THE PATHOLOGY AND TREATMENT OF TENNIS ELBOW.J. H. CYRIAX.J Bone Joint Surg Am, 1936 Oct; 18 (4): 921 -940
*2
Akimoto Nimura. Keiichi Akita. Graduate School Tokyo Medical and Dental University Tokyo Japan. Lateral Epicondylitis Originates At The Anterior Side Of The Articular Capsule Underlying The Extensor Carpi Radialis Brevis : JHSAm 2014

つまり、上腕骨外側上顆炎の病因となる短橈側手根伸筋(ECRB)の解剖学的特殊性は、外側上顆付着部から橈骨頭付近まで筋成分を含まない腱性の組織であるという特徴を持ち、関節包は、前方では非常に薄く骨への付着幅も狭いのに対して、遠位後方では回外筋と共に複合体を形成して厚みがあり骨への付着幅も広いという局在性が存在するということです。この前方関節包の脆弱性が隣接してあることによって、関節外の付着部症と関節内の滑膜ヒダの病変が病態として共存していると推測されるわけです。

主な症状としては、

  • 物をつかんで持ち上げる、タオルを絞るなどの動作で、肘の外側が痛い
  • 圧痛(押していたいところ)の部位は上腕骨外側上顆のみならず、前後の腕橈(上腕骨小頭と橈骨頭)関節上や、伸筋に沿ってある
  • 手首や中指を抵抗下にそらすと痛い(Tomsen test, middle finger extension test)陰性もあり注意
  • 経過の長い場合では、前述の肘の伸ばしにくいという症状(Fringe impingement test)を訴える
  • 伸筋群やその深層の関節包が剥がれている所見が着目されることが多い

としており、更に関節に挟まり込む滑膜の肥厚(滑膜ヒダ)も重要と記しています。*3

図 テニス肘(上腕骨外側上顆炎)の超音波による観察
図 テニス肘(上腕骨外側上顆炎)の超音波による観察

上腕骨外側上顆を触知して、橈骨頭に対して平行に観察します。総指伸筋の筋線維の模様と短橈側手根伸筋の腱繊維が連続して描出されるように筋腹に沿って合わせ、この時に、遠位のリスター結節の伸筋腱第2区画(ECRL、ECRBの通過する区画)を目印に調整すると理解しやすくなります。

更に外側上顆炎の特徴として、外側上顆の頂点位置に堤防のような骨棘が形成されているという話もあります。慢性テニス肘患者の、実に60%に観察されたとのことです。*4

*3
東京医科歯科大学整形外科HPより引用 http://tmdu-orth.jp/hand-disease/post-1489/
*4
Edelson G, et al: Bony changes at the lateral epicondyle of possible significance in tennis elbow syndrome. J Shoulder Elbow Surg. 2001 Mar-Apr;10(2):158-63.
図 慢性テニス肘患者の60%に骨棘
図 慢性テニス肘患者の60%に骨棘

この図は、実は私自身の肘です。しばらくテニスから離れていますので、幸い症状は落ち着いています。堤防のような骨棘とともに、やや緊張状態のECRBとその変性が観察されます。

理学療法学の論文によると、肘の痛みを訴えた患者の34肢を調査したところ、疼痛発生部位は、肘外側上顆から上腕部は14肢(全34肢のうち41 %)、肘前腕外側顆から前腕伸筋側部は34肢(100%)、手関節部は10肢(29%)、手背部は5肢(15 %)、前腕屈筋側部は2肢(6%)であった。即ち、肘前腕外側顆から前腕伸筋側部は全肢、全例に観察されたとしております。

また、34 肢全肢に筋硬結が存在したのは、多裂筋、前鋸筋、肩甲下筋、上腕三頭筋、上腕筋、腕橈骨筋、回外筋、長橈側手根伸筋、短橈骨手根伸筋、及び指伸筋。その他の筋で筋硬結が多く存在した筋としては、大円筋、棘下筋、三角筋、小円筋などがあったとしており、これらの筋群は、常時、理学的検査や治療の対象とすべきことを示唆すると共に、伸展制限は筋痙攣による短縮痛を予防する肢位ともいえると、報告しています。*5

どうやら「いわゆる五十肩」のように、その病態には複合的な要素もかなりありそうです。

文京学院大学の福井教授によると、外側上顆炎でよくみられる姿勢は患側の肩峰位置が健側より高いという事で、上肢外側の皮膚が上方へ伸張されて外側上顆上の皮膚も常に上方に伸張された状態になっているとの事です。この場合、外側上腕筋間中隔に沿って下方へ皮膚をテーピングで誘導すると効果があるとの事で、皮膚の滑走に着目されています。確かに超音波で運動器の観察をしていると、筋膜と皮膚間での滑走を日常的に観る事ができます。第7回でも書きましたが、関節周囲には必ず脂肪があり、その筋肉や腱等の滑走とともに流動しています。海外の解剖の文献を読むと、皮膚との間にひげの様な線維が伸びており、靭帯として滑走範囲を制限しているとの話もあります。皮膚、脂肪層、筋膜と言った構成体も、線維化や癒着或いは筋の過緊張などで、運動器の一部として相互に作用しているのは間違いないようです。

*5
いわゆるテニス肘の痛みに関連する筋硬結.河上敬介 、小林紘二 、辻井洋一郎 、兼松美紀.理学療法学. v.22, n.Supplement 2, 1995, p.68 ISSN:02893770

橈骨管症候群(RTS)について

神経圧迫症候群には、手根管症候群、肘部管症候群とともに、橈骨管症候群(radial tunnel syndrome:RTS)があります。手の甲の親指側周辺と人差し指にかけてのしびれ感や、手関節の伸展障害があり、手関節および手指の伸展と前腕の回外動作で痛みが生じます。他にも、橈骨神経管症候(radial tunnel syndrome)、後骨間神経症候群(posterior interosseous nerve syndrome)、あるいは回外筋症候群(supinator syndrome)と言われています。

絞扼因子の一つとして,橈骨神経深枝(後骨間神経)が橈骨神経から分岐して回外筋近位縁の線維性アーチ、Frohseのアーケード(the arcade of Frohse)に潜りこむ位置が挙げられます。解剖学的にこの回外筋の近位縁は、成人の70%において膜性で,30%は線維性アーチを形成していることが報告されています。その他の要因として、短橈側手根伸筋近位部の線維性腱膜,橈側反回動脈,橈骨頭,回外筋などが絞扼因子として関与することが示唆されています。

3ヶ月以上続く肘外側部の疼痛がある場合は、橈骨神経深枝の絞扼性障害(radial tunnel syndrome)である後骨間神経障害も考慮すべきという話や、外側上顆炎と橈骨神経障害は5%の割合で共存するという論文があります。*6

*6
Werner CO. Lateral elbow pain and posterior interosseous nerve entrapment. Acta Orthop Scand Suppl 1979;174:1–62.

橈骨神経を圧迫する橈骨管症候群は、症状がテニス肘に非常に類似しているものの、標準治療に耐性を示すため、「難治性テニス肘」ともよく言われ、主な圧痛が上腕骨外側上顆にある腱付着部に非常に近い腱線維で生じる特徴があります。

また、解剖学的に見てみると、橈骨神経管は、短橈側手根伸筋、長橈側手根伸筋、腕橈骨筋の腱によって、片側を接しており、上腕二頭筋と上腕筋の腱は、橈骨神経管の反対側の壁を構成しています。さらに、腕橈(上腕骨小頭と橈骨)関節の関節包は、橈骨神経管の底を構成しています。*7

*7
Dawson D, Hallett M, Wilbourn A. Entrapment Neuropathies. 3rd ed. Philadelphia: Lippincott-Raven; 1999.
図 橈骨管症候群(radial tunnel syndrome:RTS)
図 橈骨管症候群(radial tunnel syndrome:RTS)
図 橈骨神経の長軸走査と回外筋入口(the arcade of Frohse)
図 橈骨神経の長軸走査と回外筋入口(the arcade of Frohse)

上腕骨小頭に短軸走査して、橈骨神経と橈骨動静脈の位置を同定します。橈骨神経を画面中央にして、橈骨神経を外さないようにプローブを90°回転させ、長軸画像を観察します。

後外側回旋不安定症(PLRI)について

転倒受傷などで橈骨と尺骨が後外側に不安定性を示す症例に、後外側回旋不安定症(PLRI)があります。*8

不安定性は、軽度亜脱臼から繰り返す脱臼まで様々で、転倒受傷以外でも肘外側の手術後、長期に松葉杖を使用した際の慢性的な内反ストレス(内反肘変形による骨性アライメント異常)などでも起こるとされています。

肘関節の外側側副靱帯複合体(LCLC)の構造的破綻を主因とする考えから、特に外側尺側副靱帯(LUCL)の断裂・弛緩による機能不全がいわれています。最近の解剖学的研究によると、外側側副靱帯複合体(LCLC)構成要素全体ならびに肘筋であるとされており、外側尺側副靱帯(LUCL)は第Ⅳ中隔繊維束、回外筋浅層起始腱、尺側手根伸筋(ECU)の起始腱の一部からなる複合構造であるとして、外側尺側副靱帯(LUCL)が単独で後外側回旋不安定症(PLRI)を発症する可能性は低いとされています。*9

*8
O’Driscoll SW, Bell DF et al. 1991. Posterolateral rotatory instability of the elbow. J Bone Joint Surg 73-A : 440-446
*9
三浦真弘ら 肘後外側回旋不安定症を誘発する責任構造は何か 臨床解剖研究会記録No. 14 : 2014. 2
図 後外側回旋不安定症(PLRI)
図 後外側回旋不安定症(PLRI)

後外側回旋不安定性テストは仰臥位で、上肢を頭上に保持し、回外させた肘に外反ストレスを加えて行う。この時に超音波観察を併用すると、動揺の程度が把握しやすくなります。

図 肘筋の観察法 長軸走査
図 肘筋の観察法 長軸走査

後外側回旋不安定症(PLRI)の観察法は、外側側副靱帯複合体(LCLC)の観察に加えて、肘筋の観察が不可欠です。肘筋の起始部を観察すると、その一部は後外方の関節包より起こり、インピンジメントを防止するとともに、後外側部の関節包を緊張させる事で安定化にも働いています。屈曲・伸展動作や外反のストレス検査をしながら観察すると、その振る舞いが良く解ります。

肘関節外側の橈骨頭・輪状靭帯レベルでの回内制限の考察

それでは肘関節外側の橈骨頭・輪状靭帯レベルでの回内・回外動作を短軸で観てみます。

動画で観ると、肘関節の橈骨頭レベルでの回内動作時に、輪状靭帯が伸張すると共にECRL(長橈側手根伸筋)が後外方へ移動し、EDC(総指伸筋)も回外筋の動きと共にECRL(長橈側手根伸筋)の深部方向へ伸張される様子を観察する事が出来ます。前々回、 ECRL(長橈側手根伸筋)が後外方へ回り込む様子を観察しましたが、EDC(総指伸筋)もその動きに影響されていることが解りました。つまり、逆に考えれば、回内時にEDC(総指伸筋)の柔軟性も関与している事が示唆されるわけです。

動画 肘関節外側の橈骨頭・輪状靭帯レベルでの回内・回外動作の観察

中部学院大学の林教授は、回外筋の痙縮(Spasm)の存在が橈骨輪状靭帯の緊張を高め、前腕の可動域を制限する要因となるとしています。*10

この動作時に、更に周囲の筋と筋膜の関係を観察すると、EDC(総指伸筋)を介してECU(尺側手根伸筋)と表在側をつなぐ筋膜が伸張されているのにも関わらず、ECU(尺側手根伸筋)はあまり形状を変える事はありません。つまり、関節包に面した、ECRL(長橈側手根伸筋)からEDC(総指伸筋)深部側をつなぐ筋膜と、EDC(総指伸筋)とECU(尺側手根伸筋) とを表在でつなぐ筋膜までの柔軟性に着目すべき、と考えているところです。この件に関しては、観察例をさらに増やして、結論付けていきたいと考えています。

回内制限にも、複数の要因があり、症状が完成する過程がありそうです。

*10
参考資料 林典雄 運動器超音波機能解剖 文光堂

この観察も、超音波による動態解剖学の視点での考察をしていけば、治療に対する情報や、今後の注意点も検討することができる良い例です。

さて、まとめです。
今回の観察法でポイントとなる事項は、下記のようになります。

  • テニス肘は、臨床的にスポーツ関係は5%以下で、一般の40~60歳に多い
  • 上腕骨外側上顆炎の病因となる短橈側手根伸筋(ECRB)の解剖学的特殊性は、外側上顆付着部から橈骨頭付近まで筋成分を含まない腱性の組織であるということ
  • 外側上顆の関節包は、前方では非常に薄く骨への付着幅も狭いのに対して、遠位後方では回外筋と共に複合体を形成して厚みがあり骨への付着幅も広いという局在性が存在する
  • この事により、前方関節包の脆弱性が隣接してあることによって、上腕骨外側上顆炎は、関節外の付着部症と関節内の滑膜ヒダの病変が病態として共存していると推測される
  • 外側上顆炎の特徴として、慢性テニス肘患者の60%に外側上顆の頂点位置に骨棘が形成されており、観察時に注意する
  • 外側上顆炎の観察法としては、外側上顆を触知して橈骨頭に対して平行に観察する
  • この時に、総指伸筋の筋線維の模様と短橈側手根伸筋の腱繊維が連続して描出されるように筋腹に沿って合わせ、遠位のリスター結節の伸筋腱第2区画(ECRL、ECRBの通過する区画)を目印に調整すると解りやすい
  • 橈骨管症候群(radial tunnel syndrome:RTS)は、橈骨神経深枝(後骨間神経)が橈骨神経から分岐して潜りこむ回外筋近位縁の線維性アーチ部、短橈側手根伸筋近位部の線維性腱膜,橈側反回動脈,橈骨頭,回外筋などが絞扼因子となり、観察時には注意する
  • 橈骨管症候群(radial tunnel syndrome:RTS)の観察法は、上腕骨小頭に短軸走査して、橈骨神経と橈骨動静脈の位置を同定、橈骨神経を画面中央にして、橈骨神経を外さないようにプローブを90°回転させ、長軸画像を観察する
  • 後外側回旋不安定症(PLRI)は、外側側副靱帯複合体(LCLC)構成要素全体ならびに肘筋であるとされており、外側尺側副靱帯(LUCL)が単独で後外側回旋不安定症(PLRI)を発症する可能性は低いとされている
  • プローブは必ず先端を持ち、薬指・小指などで肘との支点を作って保持することが重要

次回は「上肢編 肘関節の観察法」の最後として、肘内障と肘関節後方アプローチについて考えてみたいと思います。

情報提供:(株)エス・エス・ビー

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