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柔道整復師と介護福祉【第84回:介護保険制度の保険者機能の強化について】

柔道整復師と介護福祉 特集

2019年12月27日に開催された社会保障審議会・介護保険部会において、2040年を踏まえた2021年度の「介護保険制度改正」の考え方が議論、検証されています。介護保険制度見直しのポイントは次の5つです。

  1. 健康寿命の延伸(介護予防・地域づくりの推進)
  2. 保険者機能の強化
  3. 地域包括ケアシステムの推進
  4. 認知症施策の総合的推進
  5. 介護人材の確保と介護現場の革新

保険者機能の強化とは、「保険者(市町村)ごとの取組状況にはばらつきが見られ、介護保険機能強化が課題となる」の認識を踏まえて、次の4つの分野で見直しが検討されています。

  1. PDCAプロセスの推進
  2. 保険者機能強化推進交付金
  3. 調整交付金
  4. データ活用の推進

保険者機能の強化を図るためのPDCAプロセスの推進

PDCAプロセスとは、地域の実情に応じて、様々な取組が行われている介護予防に関する事業において、PDCAサイクルに沿った取組を推進するためのプロセス指標やアウトカム指標を含めた評価をします。平成29年度から、自立支援・重度化防止に向けたPDCAプロセスについて、取り組みを実施。これらの取り組みが効率的・効果的に事業を実施されるために、PDCAサイクルに沿った評価や改善が必要となります。

保険者機能強化推進交付金の評価

平成29年地域包括ケア強化法により、PDCAサイクルによる取組を制度化したことに伴い、自治体への財政的インセンティブとして、市町村や都道府県の様々な取組の達成状況を評価できるよう客観的な指標を設定、市町村や都道府県の高齢者の自立支援、重度化防止等に関する取組を推進するため新たな交付金を設置しました。

平成31年度においては200億円の予算

市町村分は200億円のうち190億円程度、交付方法は評価指標の達成状況(評価指標の総合得点)に応じて分配されています。

評価指標

  1. PDCAサイクルの活用による保険者機能の強化
  2. ケアマネイジメントの質の向上
  3. 多職種連携による地域ケア会議の活性化
  4. 介護予防の推進
  5. 介護給付適正化事業の推進

市町村における自立支援・重度化防止の取組

本取り組みには、地域差があります。したがって、市町村における自立支援・重度化防止の取組の地域差について、要因分析を行い、国や都道府県による市町村への支援を行います。小規模自治体をはじめ、市町村へのきめの細かい支援とともに、対応策の好事例について、見える化、横展開を図るというものです。

2040年問題とは

高齢世代の高齢化、団塊ジュニアの高齢化(65歳以上)という人口構造の変化により、日本の社会に新たな問題が生じることです。しかし、それを「問題」ととらえるか、「変化」ととらえるかで、モチベーションに違いが生まれます。後者の立場で、積極的な考え方をしていきたいと考えています。

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