柔道整復師と介護福祉【第45回:放課後デイサービス①】
今回は、近年増え続けている放課後等デイサービスについてご紹介します。
2012年のサービススタート時点での放課後等デイサービスの利用者数は51,678人。一方で2013年11月には69,789人と35%増加しています。また、民間事業者の参入も進んでおり、今後より多様な施設が増えることが予想されています。
一方で厚生労働省によれば、保育所における障がいのある子どもの数は増えつつあるとしています。今後放課後等デイサービスのニーズは、ますます高まってくるとも言えるでしょう。
放課後デイサービスとは?
放課後等デイサービスは、障がいのある主に6歳~18歳(小中高校の就学児童・生徒)が、学校の授業終了後や長期休暇中などに通う施設を指します。学校外で集団生活を行う機会や居場所をつくり、障がいのある子どもたちを持つ家庭を支えるために創設されたもので、障がい児の学童保育とも表現されています。
従来は障がいの種別に分かれ、未就学児と就学児が共に通う形態でしたが、2012年に児童福祉法などの改正があり、未就学児のための「児童発達支援」と就学児のための「放課後等デイサービス」とに分かれ、障がいの種類に関わらず共通のサービスが受けられるようになりました。
障がいのある子どもたちは、通常の学童保育に馴染むことが難しいなど、学校外の居場所や過ごし方に悩むケースも多くあります。そんな時に利用できるのが「放課後等デイサービス」になります。
放課後等デイサービスの概要
対象
原則就学児童
(ただし引き続きサービスを受けなければその福祉を損なう恐れがある場合は、満20歳に達するまで利用可能)
提供サービス
●自立した日常生活を営むために必要な訓練
●創作的活動、作業活動
●地域交流の機会の提供
●余暇の提供
障がいのある子どもへの療育の場、居場所の役割とともに、家族に代わって一時的なケアを行うことで日々の疲れを取ってもらう”レスパイトケア”としての役割も担っています。
設備基準
事務室、相談室、指導訓練室を備え、感染症予防のための衛生設備や、静養室(必須ではない)などが備えられています。
定員
利用定員10名以上(主として重症心身障がい児を通わせる場合は5人以上)
人員基準
●管理者…常勤1人
●児童発達支援管理責任者…常勤1人以上
(一定の実務経験と児童発達支援管理責任者研修及び相談支援従事者初任者研修(講義部分)の修了が必要)
●指導員又は保育士…うち1人は常勤であることが必須。
※障がい児が10人まで…2人以上
10人を超えて5またはその端数を増すごとに2人に1人を加えた数以上
放課後デイサービスの一日の流れ
学校授業終了後や休業日に、子どもの生活能力向上のための訓練を行います。社会交流の促進など多様なメニューを設け、本人の希望に沿うサービスを提供していきます。
●お迎え・お見送り(送迎)
●手洗いやうがい、排泄などの日常生活支援
●戸外や屋内での遊びの展開
●個別課題への取り組みの補助
●クッキングや農業体験などの行事
●給食やおやつの提供、補助
●日報の作成 など
その他、児童発達支援管理責任者の方は、請求事務や相談支援、支援計画の作成なども担います。放課後等デイサービスと保育所・児童クラブとの違いについては、主に以下のような特徴に表れています。
- 預かるのは障がいのある子どもたちであること
- 小学校から高校まで幅ひろい年齢の子どもを預かること
- 指導員の要件に特に資格要件がないこと
- 人員配置基準が特殊であること
- 送迎業務が発生すること
PR
PR