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柔道整復師と介護福祉【第41回:障害者総合支援法の改正①】

柔道整復師と介護福祉 特集

総合支援法3年後の見直し
「障害者総合支援法・児童福祉法」の一部を改正について

2016年5月、「障害者総合支援法・児童福祉法」の一部が改正されました。

法改正では障害者が自らの望む地域生活を営むことができるよう、「生活」「就労」に対する支援の一層の充実や高齢障害者による介護保険サービスの円滑な利用を促進するための見直しが行われ、ニーズの多様化にきめ細かく対応するための施策やサービスの質の確保・向上を図るための環境整備などが行われます。

常時介護だけでなく、「日常的」に「支援」を要する障害者に対する支援も実施されます。
重度包括支援は家族同居での利用も検討されており、重度訪問介護は入院中でも利用可能となりました。

地域生活を支援する新たなサービス(自立生活援助)の創設

地域で単身生活する方への定期巡回型サービスが「自立生活援助」というかたちで創設されます。障害者支援施設やグループホームなどを利用していた方だけでなく、家族による支援が難しくなった障害者で、ひとり暮らしを希望する人が対象です。
定期的に居宅を訪問し、食事、洗濯、掃除などに課題はないか、公共料金や家賃に滞納はないかといったことを確認し、必要な助言や医療機関との連絡・調整などを行います。

サービスの利用期間は1年間ですが、必要性が認められれば更新は可能です。
計画相談を用いて市町村によく理解してもらう必要があります。

就労定着に向けた支援を行う新たなサービス(就労定着支援)の創設

就労に伴う生活面の課題に対応できるよう、事業所や家族との連絡・調整などの支援を一定の期間行うサービスも創設されました。遅刻や欠勤の増加、業務中の居眠り、身だしなみの乱れ、薬の飲み忘れといった生活面の課題を把握し、必要な支援を行ったり、企業や障害者就業・生活支援センター、医療機関などとの連絡調整にあたったりします。

対象は生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援などを利用して一般就労した障害者です。この支援をどこが担うのかは、就労に送りこんだ事業所が中心となります。
利用期間は3年間で、きちんと機能すれば、生活面での不安定な状況の改善が図れます。

重度訪問介護の訪問先の拡大①

最重度の障害者が病院に入院中は医療法上の建前では看護師による24時間完全看護を受けられることになっていました。実際は看護師では対応しきれない場合が多々あり、入院中の医療機関でも利用者の状態を、よく知っているヘルパーを引き続き利用できるようになりました。

ただし、普段から重度訪問介護を利用している人で、最重度の障害支援区分6の人という厳しい条件が課されます。

重度訪問介護の訪問先の拡大②

法改正等の概要とポイント:障害児支援

子どもについては基本的な枠組みは大きくは変わりません。児童養護施設や乳児院などに入所している子どもも訪問型サービスが受けられるようになりました(保育所等訪問支援の派遣先拡大)。

保育所や幼稚園などで発達の遅れや課題を見出した場合、これまでも専門家を送り込むことが行われてきましたが、そのサービスを児童養護施設や乳児院にも広げます。

居宅訪問により児童発達支援を提供するサービスの創設

障害児の自宅を訪問する発達支援サービスも新設されました(居宅訪問型児童発達支援)。対象は医療ケアを要する子や重い疾病のために感染症にかかる恐れがある子らで、外出が著しく困難な子に発達支援を受ける機会を提供しようというものです。

放課後等デイサービスの見直しについて

就学前の児童発達支援も需要に応じて伸びが著しく、放課後デイサービスも右肩上がりに増えています。ただ、支援の質が低い事業所が増えているといった指摘もあり、支援内容の適正化と質の向上が喫緊の課題となっていました。

特に放課後デイサービスはガイドラインを作成、ガイドラインに沿った運営が求められます。医療ケアを要する人や行動障害の人を受け入れている場合は報酬を高くし、いわゆる預かり型(レスパイト)で、療育の視点に欠け遊ばせているだけの場合は報酬を下げる方向です。

管理責任者の資格要件として保育所等の児童福祉に関する経験が追加され、3年以上の障害児・児童・障害者支援の経験が必須化。児童指導員または保育士を半数以上配置しなければなりません。

障害福祉サービス等の情報公表制度の創設

利用者が、それぞれのニーズに応じて、サービスを提供する事業者を選択できるよう、情報公表制度の創設も織り込まれました。

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