HOME 特集 柔道整復師と介護福祉 柔道整復師と介護福祉【第14回:日本再興戦略概要】

柔道整復師と介護福祉【第14回:日本再興戦略概要】

柔道整復師と介護福祉 特集

平成27年6月30日、デフレ脱却に向けた動きを確実なものにし、将来に向けた発展の礎を再構築する「『日本再興戦略』改訂2015」を閣議決定しました。アベノミクスは、デフレ脱却を目指して専ら需要不足の解消に重きを置いてきた「第一ステージ」から、人口減少下における供給制約を乗り越えるための対策を講ずる新たな「第二ステージ」にコマを進めております。

アベノミクスの「第二ステージ」では、設備や技術、人材等に対する

  1. 「未来投資による生産性革命の実現」
    活力ある日本経済を取り戻す
  2. 「ローカル・アベノミクスの推進」
    二つを車の両輪として推し進めることによって、日本を成長軌道に乗せ、世界をリードしていく方針を示しております。
成長戦略の基本的な考え方

成長戦略の基本的な考え方

成長戦略は、次の4つの視点をベースにして、規制緩和等によって、民間企業や個人が真の実力を発揮するための方策をまとめたものであり、日本経済を持続的成長に導く道筋を示しております。この戦略に基づき、すでにこれまで異次元のスピードで様々な具体策を決定・実行してきました。特に、2014年の6月には成長戦略を改訂し、残された主要な課題に対して、改革の方向性を示しております。

今後も、個別施策の進捗・政策群ごとの成果目標(KPI)の達成状況を厳しく検証し、柔軟に施策を見直す方針です。

成長戦略の需要テーマ

成長戦略の需要テーマ

生産性革命と地域経済活性化が2本柱

基本的な考え方に基づいて11の戦略テーマが設定され、そのテーマに基づいて作成された全118ページの「中短期工程表」において、実施する具体的な施策とKPI(重要業績評価指標)が示されております。

住宅関連の施策は、

  1. 「立地競争力の更なる強化」
  2. 「クリーン・経済的なエネルギー需給の実現」
  3. 「国民の『健康寿命』の延伸」などのテーマに盛り込まれています。

「立地競争力の更なる強化」では、重要事項説明にインスペクション(検査)の実施有無を位置付けることや耐震診断・耐震改修の促進、空き家活用対策の推進などが盛り込まれております。 「クリーン・経済的なエネルギー需給の実現」では、2020年を目途とした新築住宅の省エネ基準適合率100%やZEH(ゼロエネルギーハウス)の加速的な普及が掲げられております。

「国民の『健康寿命』の延伸」では、ICTの活用や住宅の省エネ化、木材利用の促進などにより、健康の増進や環境負荷の低減に寄与する「スマートウェルネス住宅」(市街地に新たなコミュニティ創出)の先進モデルの構築などが記載されており、2020年までに中古住宅流通とリフォームの市場規模や省エネリフォームを倍増させるKPIが掲げられております。

住宅および林業関連の中短期工程表
アクションプラン

日本再興戦略談話

日本労働組合総連合会(抜粋)

  1. 6月30日、政府は、「日本再興戦略」改訂2015を閣議決定した。その方向性は、産業・企業や業界関係者からの意見・要望を取り上げ、企業が世界で一番活躍しやすい国づくりをめざすというものであり、容認できるものではない。特に、労働者保護ルールの改悪につながる方針が引き続き盛り込まれたことは極めて遺憾である。
  2. 「雇用制度改革・人材力の強化」は、いわゆる解雇の金銭解決制度を導入する方針が明記されている。不当解雇を行って敗訴した使用者をも「救済」する制度が導入された場合、不当解雇が実質的に合法化されることとなる懸念が強いこと等から撤回すべきである。
    また、今国会に提出されている労働基準法改正案にのっとり、働き過ぎ防止のための取り組みを強化することとしているが、長時間労働是正に向けた実効性ある措置を欠いた同法案を前提としている以上、十分な効果を期待することはできない。むしろ過重労働を助長する「高度プロフェッショナル制度」の創設や企画業務型裁量労働制の対象拡大など、労働基準法の改悪を行わないよう強く求める。
  3. 「女性の活躍推進」については、人口減少の克服や労働力の確保が強調されており、問題である。働く者の人権が守られ、一人ひとりが性別に関係なく能力と個性が発揮できる環境を整備するとともに、働く女性の過半数を超える非正規労働者も含めた格差解消と底上げに資する内容とするべきである。
    また、待機児童解消に向けた保育士の確保については、まず保育士の処遇改善と安定雇用の促進に取り組むべきである。
    「中長期的な外国人材受入れの在り方検討」については、社会保障制度や労働市場への影響など、社会的統合にかかるコストの課題から、国民的なコンセンサス形成に向けた慎重な議論がなされるべきである。
  4. 「マイナンバー制度の活用」として、戸籍事務や旅券事務、証券分野等への利活用範囲の拡大が盛り込まれているが、制度開始前にも関わらずこのような利活用範囲を拡大することは、時期尚早かつ不適切である。政府は、個人情報の安全管理を含む制度の円滑な実施に万全を期するべきである。
  5. 連合は、すべての働く者の力を結集し、労働者保護ルールの改悪の動きに対峙していくとともに、引き続き、良質な雇用の創出、ディーセント・ワークの実現、社会的セーフティネットと所得再分配機能の強化など、働く者の雇用と暮らしの底上げにつながる政策への転換を政府に強く求めていく。 日本労働組合総連合会は、政策に対する要望を首相官邸に提出しております。

「改革2020」プロジェクト

結果にこだわる官民プロジェクトの推進

今回新たに、成長戦略を加速する官民プロジェクトとして「改革2020」の推進が決定しております。訪日観光客の拡大に向けた環境整備等が含まれております。

東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催年にあたる2020年に焦点を当て、それまでに結果を出すことが求められております。

「稼ぐ力」の更なる強化

昨年来、スチュワードシップ・コード(*)とコーポレートガバナンス・コード(*) が整備されたことで、今年は機関投資家と企業経営者の対話が進む「ガバナンス元年」となりました。 「稼ぐ力」が求められ、株主資本利益率(ROE)が注目されています。「稼ぐ力」を更に強化するため、「生産性の向上」は日本企業にとって重要な課題です。今後、株式市場は、日本企業の更なる「稼ぐ力」の強化に向けた「生産性の向上」に注目することになるでしょう。

(*) 「スチュワードシップ・コード」は株主としての機関投資家が責任を持って行動するための規範で、「コーポレートガバナンス・コード」は企業が責任を持って行動するための規範です。

アべノミクス
Visited 15 times, 1 visit(s) today