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柔道整復師と介護福祉【第8回:多職種連携と柔道整復師の役割】

柔道整復師と介護福祉 特集

平成26年度可決された医療介護一体法案には、病床機能分化、在宅医療、多職種連携の推進、加速が盛り込まれています。その中で、地域包括ケアシステムの構築と、市町村事業と都道府県計画の整合性を保たせるため、消費税8%増額させたことによる税収の一部、904億円を基金として活用し、地域医療の促進と地域のニーズに合わせた医療介護連携がかなう構想が全国で始動されております。

地域単位で医療介護が在宅生活まで包括的に網羅されるためには、バランスの良い医療介護介入を伴わなければ生活の隅々まで安心したサービス提供はかないません。そして、現場を切り盛りするための職種は、医療職のみではなく実際には介護職との連携が非常に重要となります。ボランティア団体、町内会、民生委員などの協力も不可欠でしょう。これら、構想を可能にするためにも、多職種の属性を理解する必要があります。

多職種の属性と理解

1.医師、主治医、かかりつけ医

主治医とは、ある患者の疾患の診療方針全般に対して主たる責任を有する医師のことであります。

かかりつけ医機能

2.歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士

歯科医師

歯科医師法によって「専ら歯科医療及び保健指導を掌ることにより、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとすることを責務とする」と定められています。

「歯科医業」とは、

  1. 咬合構築に関与する行為(補綴、充填、矯正)
  2. 歯牙・顎骨・口腔粘膜・舌・口唇・唾液腺・咀嚼筋など下顔面に発生する疾患の治療
  3. 全身疾患のうち口腔または下顔面に症状を現す疾患の治療および機能回復訓練を行います。
歯科衛生士

歯科医師の指示のもと、歯科予防処置、歯科診療補助および歯科保健指導等を行う。単独で診断・治療・レントゲン撮影は行えません。

歯科技工士

歯科医師が作成した指示書を元に義歯(入れ歯)や補綴物(差し歯・銀歯)などの製作・加工を行う医療系技術専門職です。

3.薬剤師

4.栄養士

管理栄養士
  1. 傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導をします。
  2. 個人の身体の状況、栄養状態等に応じた高度の専門的知識及び技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導をします。
  3. 特定多数人に対して継続的に食事を供給する施設における利用者の身体の状況、栄養状態、利用の状況等に応じた特別の配慮を必要とする給食管理及びこれらの施設に対する栄養改善上必要な指導などを行います。
  4. 褥瘡などの低栄養状態のもの、または咀嚼機能がないものに対して適切な栄養管理の基、栄養改善指導も在宅生活の支援で行います。

5.看護師、保健師

看護師
  1. 医師等が患者を診療する際の補助
  2. 病気や障害を持つ人々の日常生活における援助
  3. 疾病の予防や健康の維持増進を目的とした教育を指導、実践いたします。
行政・産業・学校保健師に分類

所定の専門教育を受け、地区活動や健康教育・保健指導などを通じて疾病の予防や健康増進など公衆衛生活動を行う地域看護の専門職になります。

6.理学療法士、作業療法士、言語聴覚士

7.社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士

8.介護支援専門員、主任介護支援専門員

9.柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師

10.関係機関、地域資源

  1. 市区町村担当課
  2. 地域包括支援センター
  3. 地域連携室、地域医療連携室
  4. 訪問看護ステーション
  5. 訪問リハビリステーション
  6. 訪問介護ステーション
  7. 通所介護
  8. グループホーム
  9. 老人保健施設
  10. 特別養護老人施設
  11. サ高住など

多職種連携の好事例

あおぞら診療所

あおぞら診療所では、従来より在宅医療・地域医療を推進するために地域の様々な事業所と多職種連携を実践されています。平成23年より、厚生労働省から受託した在宅医療連携拠点事業では、地域全体の在宅医療を支える多職種との連携の強化、顔の見える関係づくりを目指した多職種合同カンファレンスを継続開催。カンファレンスは、100名~150名規模の多職種からなる医療福祉従事者を対象に行っています。(参加職種は、医師、歯科医師・歯科衛生士、薬剤師、看護師、理学療法士・作業療法士、医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャー、地域包括支援センター・在宅介護支援センター職員、市役所職員等)。

柏市プロジェクト

多職種連携事業会議
在宅医療を支える多職種の役割と連携について、在宅生活を支える多職種プレゼンテーション、摂食・嚥下障害の基礎知識とその対応 柏市における在宅での口腔ケア、在宅での褥瘡ケア、在宅での栄養管理、特区の趣旨と概要について、柏市における訪問リハビリテーション、柏市における医療・介護連携モデル 退院時共同指導~病院とかかりつけ医との連携~ 在宅療養における看取り事例についてカンファレンスを行い地域のネットワークを構築しています。

横須賀在宅療養連携事業

多職種合同カンファレンス

多職種合同カンファレンス

仙台往診クリニック

在宅医療連携拠点事業 つながライン

在宅医療連携拠点事業つながライン

多職種連携と柔道整復師の役割

今後の在宅医療推進に伴う連携には、医療介護連携はもちろんのこと、地域資源との連携は欠かせない。協業して地域を支援するためには、病院機能と同様なチーム医療体制がなされなければ、在宅医療の広域的な普及促進は実現できない地域が存在するでしょう。在宅復帰後、在宅生活支援としてリハ職との連携は柔道整復師にも課せられた課題であり、先駆的に活動されている柔道整復師は、介護支援専門員として実現している現状があります。

生活機能の改善と身体機能の改善支援は、今後市町村事業に移行される日常生活総合事業で多種多様なサービス体系の一環として実現するかもしれません。今後は、地域包括支援センターとの連携により、認知症施策、介護予防施策ひいては在宅医療を支援する担い手として、地域医療全面的に支援役割が我々ライセンス所得者に期待するところです。

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