柔道整復師と介護福祉【第4回:地域におけるケアマネージャーの役割】
介護保険法第7条第5項に定める介護支援専門員(通称:ケアマネージャー、略称:ケアマネ)は、居宅介護支援事業所・介護予防支援事業所・介護保険施設・グループホーム・小規模多機能型居宅介護事業所等に所属しています。
契約した利用者の介護全般に関する相談援助や関係機関との連絡調整を行う調整業務を担当しております。
柔道整復師とケアマネージャー
柔道整復師の専門職が、福祉領域に参入する場合、最低限の介護福祉現場の理解をするためにもケアマネの受験対策教材を最低3冊ほど取り組むことをお勧めします。
介護福祉現場においては、ケアマネが中心となり契約者(利用者)の自立支援に基づいた計画を立てるため、非常に連携先として欠かせない対象になります。
ケアマネの受験資格
「介護支援専門員実務研修受講試験」の受験資格としては、法定資格所持者等は5年以上の、それ以外の者は10年以上の実務経験が必須となります。
ア)法定資格の場合
社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士を含む。)が5年以上の実務経験を有する者が該当します。
イ)法定資格以外の場合
社会福祉主事任用資格、ホームヘルパー2級課程修了、介護職員実務者研修修了者、介護職員基礎研修修了者、介護職員初任者研修課程修了のいずれかが5年以上の実務経験を有する者が該当します。
ウ)上記の資格または研修修了の資格を1つも所持していない場合
所定の福祉施設等での相談援助・介護等に従事した期間が10年以上の者が該当します。
ケアマネの職場
居宅 | 居宅介護支援事業所 (通称:ケアプランセンター) | 在宅で生活する人で介護が必要な人のケアマネジメント(ケアプラン)を担当する。 |
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在宅介護支援センター | 在宅介護についての相談援助、地域の高齢者の生活実態把握を支援する。地域支援事業等、高齢福祉事業の支援も担当する。 | |
地域密着型サービス (その他) | 自治体が介護・福祉を所管している、 1.グループホーム 2.ケアハウス 3.小規模多機能 4.地域密着型特養 に専任で計画を担当する。 | |
施設 | 介護老人福祉施設 (特別養護老人ホーム) | 常に介護が必要で、医療ニーズが高い方が、自宅で生活することが困難な65歳以上の人に対して、日常生活の世話をする。専任で計画を担当する。 |
介護老人保健施設 | 病状は安定していて、入院する必要はないが、リハビリテーションや認知症に対する知的活動を提供し在宅復帰を目指す。専任で計画を担当する。 | |
介護療養型医療施設 | 病状は安定しているが、常に介護が必要な人に対し、療養上の世話や看護、介護、自立するための機能訓練などを継続的に行う。専任で計画を担当する。 |
支援方法の流れ
- 面接(インテーク)
利用希望者、家族はどのような介護サービスの希望をするかを記録します。 - 課題分析(アセスメント)
どのような介護サービスが必要であるかを査定します。 - 計画(プランニング)
介護保険が利用できるようにサービス計画、個別支援計画を作成します。 - 評価(モニタリング)
サービスの利用開始後も提供されている介護サービスの量と内容が適切か否かを定期的に検討します。 - 再アセスメント、プランニング
要介護者と介護者の状況に身体状況、環境変化に合わせて再評価、計画をします。
地域医療とケアマネージャーの役割
在宅医療を推進するためには、在宅での医療、介護ニーズに関するケアプランを提供しないといけません。これから迎える少子高齢化において課題とされている在宅医療推進では、ケアマネジャーの専門性の向上と、調整能力の飛躍的な向上が求められています。
在宅に関するケアプランには、
- 日常生活所必要な整容、食事、排せつに関する支援
- 身体機能低下を防ぐためのリハビリ
- 癌、難病疾患などの痛みに伴う疼痛管理
- 医療的ケア「たん吸引、喀痰吸引、胃瘻、腸瘻、経管栄養など」
- 社会資源活用「障害者総合支援法、成年後見員制度など」を最大限に活用し、利用者の意向に沿ってサービス提供プログラムを立案しなくてはいけません。
- 医療との関係においては主治医、かかりつけ医、後方支援病院の確保、在宅での医療を提供する場合は在宅医の24時間365日の連携が必要となります。
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