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これだけは知っておいて 【第65回:「ウィズコロナ」の接骨院経営】

これだけは知っておいて 特集

公益社団法人日本柔道整復師会
学術教育部部長 長尾淳彦

新型コロナウイルス感染症に罹患してもワクチンや特効薬が開発され、市中の医院やクリニックで診察を受け、薬を処方され、治癒するようになれば、人々は新型コロナウイルス感染症を今のように恐れや驚きはしません。そうなれば「アフターコロナ」となるでしょうが、まだまだ、そうなるには時間が掛かります。

今はコロナと共存するという「ウィズ(with)コロナ」という考えで、コロナウイルスがすぐ近くにあるものと捉えて接骨院経営をしていくことが大切だと思います。

柔道整復は緊急事態宣言による自粛要請業種ではありませんが、患者さんの外出自粛により患者減、収入減の無いところは皆無でしょう。

しかし、事業を行わなければ廃業となります。今後はコロナリスクを最小限にした接骨院経営を行わなければなりません。

もう既に世の中では、新型コロナウイルス「三密」対策をはじめ、社会的(身体的)距離の確保、手洗い・消毒、マスクの着用など、感染拡大防止が講じられ「新たな生活様式」が始まっています。

我々、業界も同様であります。施術所内のレイアウト変更も求められます。スタッフや患者さんの院内動線もこれまでのコンパクトで纏まったものでは対応出来ません。ソーシャルデイスタンスを確実に取れるようにしないといけないでしょう。

今後、コロナウイルスが無くなるわけではありませんから、コロナリスクを最小限にした接骨院経営が求められます

患者さん、スタッフの手指の消毒液やパーテーションの設置、換気などの感染拡大防止器具の設置などランニングコストは相当額になりますが施術所にとっての将来を考えれば必要な投資となります。来院される患者さん対応としては、待合室や施術のエリア管理、時間の管理が必要となり、予約システムでの患者さん管理が主流となるでしょう。

これからの患者さんの接骨院選びの選択肢の一つは「この接骨院はコロナ対策がされている」が入ってくると思います。

コロナ禍では、接骨院を潰さないことを最優先に考えるべきです。国や都道府県の給付金や補助金を有効に使い、万が一のために緊急融資資金もプールしておくべきです。備えあれば患いなしです。コロナ対策と同時に接骨院経営維持対策も考えられるだけ考えて対策を打っていかねばなりません。

今年の3月―5月の患者減、収入減状態から自粛要請が解けて、徐々に経済が回復してきている今の状態もいつ何時、第2波が襲ってくるか分かりません。

今後数年は経営的には減収・回復・減収・回復の波の繰り返しが続くと思われます。税理士や社会保険労務士の先生方と今まで以上に連絡を密にして接骨院維持の対策を練ってください。

接骨院内でのマスク着用

3月4月から院内でスタッフも患者さんもマスクの着用が当たり前になってきました。接骨院業務における医療面接(問診)や各種検査の時にマスク着用だと患者さんの表情が確認できません。マスクの着用の無い時は、苦痛にいがむ表情、憂鬱な表情でケガの重症度が測れましたが今はその表情が読み取れません。また、マスクをしたままの会話は聞き取りにくいことがあります。何度も聞き直しがありお互い気まずい雰囲気になることもあります。しかし、こうした治療における弊害も今は飛沫による感染防止のためには必要なことです。

マスク着用はお互いの身を守るためのものです。
柔道整復は患者さんの痛みのある部位を直接触れる職業です。患者さん、施術者お互いの信用・信頼なしに触れられません。心のマスクは外されてお互いが安心感を持って治療に当たれることが柔道整復の昔からの良き特徴です。早期な治癒に導く術だとも思います。

「新しい生活様式」の中でも良き伝統は継承していきたいものです。
柔道整復を頼りにされている患者さんの為に。

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