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これだけは知っておいて【第52回:柔道整復術適応の救急患者を救え】

これだけは知っておいて 特集

明治国際医療大学 教授 長尾 淳彦

現在では骨折・脱臼が発生した時、患者本人もしくは関係者は救急車を呼び、救急隊員の判断のもと受け入れ可能な近隣の救急病院に搬送される。

医科におけるER(Emergency Room:救急救命室)は365日、24時間救急車で運ばれてくる救急患者を受け入れER専門医によって全ての科の診断および初期治療(Advanced Triage)し、各専門医にコンサルするシステムである。開放性の骨折や重症度の高い又は緊急性の高い骨折・脱臼についてはそれらの救急病院に搬送されることが患者さんの安全の確保には必要である。

平成30年度の柔道整復師国家試験合格者(4,054名)を含めると11万余(110,180)名の柔道整復師が存在し、施術所は6万件を超えている。

本来、柔道整復師が得意中の得意としていた骨折や脱臼の患者さんは現在、救急車で運ばれる救急患者さんのみならず、独歩で来院できる患者さんもER病院に行くことが統計的にわかっている。日本全国で柔道整復術適応のそれらER病院に行く患者さんを受け入れられる施術所はいくつあるのだろうか?

画像診断、鑑別診断の問題、整復固定時の疼痛管理の問題、医師の同意の問題など骨折や脱臼の患者さんを継続して診ることを阻む障壁はいくつもある。柔道整復術適応の骨折や脱臼の患者さんの思いからすると自宅近くで診てもらいたい。しかし、患者さんからするとその施術所がどこであるのかは現状の施術所の広報や広告では全く分からない。

患者さんからみた「安心安全で信頼できる施術所」すなわち柔道整復術適応の骨折や脱臼の治療ができるように公益社団法人日本柔道整復師会では2019年度から柔道整復術公認100周年記念事業として「匠の技  伝承」プロジェクトを立ち上げた。

確かな技術・知識・誇りさらに公益というモラルを備え持つ柔道整復師が地域で施術にあたり、柔道整復師が地域社会で貢献できる仕組みを必ず実現する。

<ソース> (公社)日本柔道整復師会ホームページ

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