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これだけは知っておいて【第47回:再度、柔道整復師の超音波観察装置の使用について】

これだけは知っておいて 特集

明治国際医療大学 教授 長尾 淳彦

柔道整復師の施術現場における超音波観察については、平成15年9月9日に厚生労働省医政局医事課長通知が「柔道整復師が施術に関わる判断の参考とする超音波検査については、柔道整復の業務の中で行われることもある」との見解を出しました。

また、平成22年12月15日の厚生労働省医政局医事課事務連絡でも「柔道整復師が施術に関わる判断の参考とする超音波検査は施術所で実施しても関係法令に反するものではない」ことが示されております。

平成27年12月から翌年9月にかけて厚生労働省にて柔道整復師学校養成施設カリキュラム等改善検討会が5回開催されました。本検討会では国民の信頼と期待に応える質の高い柔道整復師を養成するため、カリキュラム等改善などを行いました。

追加カリキュラムの一つに、「柔道整復術適応の臨床的判定(医用画像の理解を含む)」があります。2単位30時間を使い、柔道整復術の適応で得た知識を活用し、臨床所見から判断して施術に適するケガと適さないケガを的確に判断できる能力を身に付け、また、安全に柔道整復術を提供するために医用画像を理解するためのカリキュラムを追加しました。

施術に適するケガと適さないケガを的確にきちんと判断できる能力が身に付けば、適さないケガに関しては適切な対応すなわちそのケガに適した医療機関への紹介が行えます。
柔道整復師の超音波観察装置(以下、エコー装置)の使用については、すべて「患者安全」「医療安全」の観点からのものであります。

公益社団法人日本柔道整復師会では、「柔道整復師のエコー装置使用時のガイドライン」や「薬機法の承認を得ていないエコー装置の使用について(注意喚起)」などを発信しております。
また、柔道整復師や大学教員ら約1000名の会員で構成されている一般社団法人日本超音波骨軟組織学会でも「患者安全」「医療安全」のためのエコー装置使用活動を行っています。

あくまでも、超音波観察装置の使用は、柔道整復施術の「患者安全」「医療安全」の確保のためです。何度も言いますが、柔道整復師の超音波観察装置については、療養費等保険点数の加算はありません。

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