HOME 特集 これだけは知っておいて これだけは知っておいて【第27回:私が産経新聞(平成29年1月17日、1月31日)に投稿した記事】

これだけは知っておいて【第27回:私が産経新聞(平成29年1月17日、1月31日)に投稿した記事】

これだけは知っておいて 特集

明治国際医療大学 教授 長尾 淳彦

技あり!ほねつぎの健康術 18

「骨」のつく言葉

柔道整復師は「骨」「筋」「腱」「関節」などの運動器を治療の対象にしています。

柔道整復師が治療を行う場所を施術所といい、「接骨院」「整骨院」「ほねつぎ」と全て骨が付いています。

今回は柔道整復師と非常に関連深い「骨」という字について考えたいと思います。

「骨」という文字は物事の大切な部分として使われています。「骨格」「骨子」など「この重要課題の骨格となるのが…」「この法案の骨子となるのが…」と重要な部分・内容と表現されます。その他、「骨が折れる」「気骨が折れる」という言葉は、本当に骨が折れる骨折のほかに労力を要するという意味もありますね。他にも

  • 「骨身を削る」(一生懸命に努力する)
  • 「骨の髄まで」(とことんまで徹底して)
  • 「骨を刺す」 (寒さなどが厳しく身に強く感じる)
  • 「骨を拾う」 (他人がしたことの後始末をする)
  • 「骨を惜しむ」(労苦を嫌がる)
  • 「骨に徹する」(よく身に付いている)
  • 「骨を埋める」(一つのことに生涯を捧げる)
  • 「骨を休める」(一休みをする)

などがあり、「骨」という言葉が生活の中でも大切な位置付けであることがわかりますね。

「体」という字を昔は「體」、骨が豊かと書きました。その時代は「体育」という言葉を「體育」と書いたわけです。骨を豊かにする動きをイメージすると体育やスポーツもまた違った印象を受けませんか。楽しく有用に行わなくてはと思いますね。

技あり!ほねつぎの健康術 19

「背骨」について

身体を支える柱が背骨(せぼね)です。正式には「脊柱(せきちゅう)」といいます。脊柱は1本の骨でなく成人では26個の骨で構成されています。頸の部分は頸椎(けいつい)といい7個、胸の部分は胸椎(きょうつい)で12個、腰の部分は腰椎(ようつい)で5個、お尻の部分は仙骨1個、尾骨1個です。

驚くことに首の太いゾウも首の長いキリンも頸椎の数は7個です。ネコもイヌも同様です。哺乳類の頸椎は皆7個のようです。

ところで、頸椎・胸椎・腰椎は○椎というのに何故、仙骨・尾骨は○骨というのでしょう?

子供の頃、仙骨は仙椎と呼ばれ5個、尾骨は尾椎と呼ばれ3-5個あります。椎体の間に椎間円板があるのですが成長に伴い上下の椎体を結合していきます。そうして1つの骨となります。

また、腰椎の部分を見るとヒトだけが前湾しています。これを腰部前湾といいます。横から背骨を見るとS字状になっています。頸が前に胸が後ろに腰が前にお尻が後ろに出ています。このS字状があるからヒトは二本足歩行が出来るのです。

ヒトは直立歩行が出来るようになったことにより両手が器用に使え、進化してきました。背骨の26個の骨で成す強みや弱点を知ることによりケガの予防や機能強化が出来ます。

骨や筋肉、関節などのことで分からないことは、接骨院・整骨院の先生に気軽に相談して下さい。

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