これだけは知っておいて【第9回:「公益社団法人 日本柔道整復師会 会長」の重責と全柔道整復師の認識】
明治国際医療大学 教授 長尾 淳彦
「公益社団法人 日本柔道整復師会 会長」の重責と全柔道整復師の認識
平成27年6月28日 公益社団法人 日本柔道整復師会(以下、日整)の役員選挙が行われ、工藤鉄男会長(東京都)が再任された。(2期目)
日整の1万7千人の会員は勿論この結果を知っている。しかし、日整会員外の4万3千人の柔道整復師に「日整の会長は誰?」と問うた時、何人が答えられるだろうか?もしかしたら、「日整って何?」と逆に質問する柔道整復師もいるかもしれない。このような状況は、昭和63年までは考えられなかったことです。何県の誰が会長になり誰が理事になりどの職務に就いたかなど10日間ほどこの選挙結果の話題で持ちきりでした。この63年、日整会員外でも受領委任の取扱いが許され、その10年後(平成10年)には、全国で1学年1050名定員という枠も取り外され、雨後の筍のようにすごい勢いで養成施設が出来ました。その数100校を超え定員も1学年6000-7000名となっています。昭和63年以前を知る柔道整復師も徐々に少なくなり、日整も保険の請求団体のひとつという認識の柔道整復師もいることでしょう。支払側の保険者も行政もこの27年間で受領委任の取扱いにおける協定と契約の違いなど知る由もなくなってきています。
この原稿も「柔整ホットニュース」というネット媒体により配信されている。公益社団法人 日本柔道整復師会のホームページにも選挙結果はリアルに掲載されている。6万人を超える全国の柔道整復師はこのような情報を収集しようと思えば簡単に収集できます。
公益社団法人 日本柔道整復師会の会長イコール日本の柔道整復師全部の会長と言っても過言ではありません。 柔道整復師の地位向上や職域拡大、療養費の料金交渉、制度改革などのほとんどの交渉を担当省庁と公益社団法人 日本柔道整復師会が行っています。その組織の長は業界の長であります。その重責や想像すらできない凄いものと思います。
アイドルグループの数十名のフルネームは苦なく言えるのに、日本の首相名や日整会長名を知らないのはおかしいこと恥ずかしいことだとの認識が全柔道整復師には必要です。
「真面目に施術に取り組む柔道整復師が報われるようにしなければならない」と制度改革に挑む公益社団法人 日本柔道整復師会 工藤鉄男会長を6万人の全柔道整復師が支持することが、動き出した業界浄化システムにさらなる力を注入するものと思う。
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