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インタビュー:帝京平成大学ヒューマンケア学部柔道整復学科・樽本修和 氏

インタビュー 特集

昨年の第23回日本柔道整復接骨医学会で大会長を務められた冲永寛子氏は、帝京平成大学の学長である。いま、柔整大学が14大学ある中で、帝京大学グループの存在は大きいものがあり、当然優秀な指導者をそろえている。

中でも、帝京平成大学ヒューマンケア学部柔道整復学科の学科長を務める樽本教授は、30年もの長きにわたり柔道整復教育現場で指導にあたられ、研究者としても活躍され、その上、臨床経験も豊富である秀逸な人物といえよう。近年、柔整界は混沌としており、一筋の光明をみつけてくれる方である。研究論文や著書も数多く出されている樽本教授に、いま臨床の場で問題とされていることに対し、学問的に説明していただいた。

柔道整復物理療法のエビデンスを追及し、 臨床研修センターの創設を願っています!

樽本  修和  氏

帝京平成大学
ヒューマンケア学部
柔道整復学科学科長・教授
樽本  修和  氏

―第23回、今年の国家試験の合格率が素晴らしいですが、成功の秘訣は気合にあるのでしょうか?どういった教育指導をされていらっしゃいますか?

気合だけではうまくいきませんね(笑)。本学としては、学士を修得しかつ臨床に役立つ柔道整復師を目指しています。やはり国家試験に通るだけではなく、本学の建学の精神でも、「実学の精神」が掲げられておりますので、直ぐには出来ないかもしれませんが少しでも実務のことができるよう、実際に行われる実技実習や臨床実習に力を入れています。他の大学と比較してもそれ以上に行っているものと自負しております。

また私どもは最低でも90%以上が合格しなければと考えております。そのために我々は寺子屋方式と称して、学生が主体でお互いに教え合う方法です。教員は、その道しるべを示すだけです。勿論、勉強に取り組むためには気合いも必要ですが、大事なことは、プライドをくすぐることが重要です。例えば、専門学校では3年間の勉強で国家試験を合格することができるのに、「君達は4年間も通って国家試験に合格できなければ恥ずかしいじゃないか」というように彼らのプライドやモチベーションを上げることが重要です。

国家試験対策の方法にはいろいろあると思いますが、もう一つ重要なのは、4年時のカリキュラムが国家試験にうまく適合するように組まれている点です。つまり、総合演習を分けまして、解剖・生理・病理といった基礎専門科目の先生にも一緒に入って補習を行うやり方が功を奏しているのではないかと思っています。

また、過去問を沢山やれば良いというものではなく、この問題は何を意味しているのかをしっかり考えて行うこと。そしてその問題に関連する語句を必ず理解する。問題を一つひとつ意味深く把握しているところが、国家試験の合格率に繋がっていると思います。

また、国家試験対策というのは、やはり先生方のチームワークが良いか悪いかで決まります。本学国家試験対策の良いところは、先生方のチームワークが良いことです。ここが重要になってくると思います。多くの先生は国家試験対策をあまりやりたがらないので若い先生に任せることがみられます。勿論若い先生方に動いてもらわないといけない訳ですが、経験豊かな先生のやり方プラス若い人のバリバリやるやり方とをマッチングさせること、本学ではそれが上手くいったのではないかと思っております。果たして来年はどうなるか(笑)、ただ毎年90%以上を超えています。

―ある方が某大学で理学療法、看護、鍼灸、柔整などの学部がある中で、学力は別として、マナーの良さを含めて人間力みたいなものが優れて凄いものがあり社会からその辺をもっと評価されてもよいのではないだろうか、とおっしゃられていました。その辺について樽本教授が抱かれている感想や教育についてお聞かせください。

柔道整復師の置かれている立場は、いつも崖っぷちです。医療の社会では失敗できないのが宿命であります。特に外傷を機転として損傷する部位には、評価・治療法が的確に行われないと結果はすぐ患者さんに分かってしまいます。例えば、肩の脱臼を整復できなかったら患者さんは苦痛とセラピストに疑問を持ちます。ですからその技術の鍛錬が不可欠になります。麻酔や投薬・検査機器などは使用できないので、知識と経験と技術が頼りになるわけです。常に患者さんの気持ちを考え、少しでも苦痛のない肢位でより早くかつ安全な方法が要求される為、患者の精神状態を把握し、身体の機能をよく理解することが最も重要です。教育の現場では精神的な部分と身体機能の部分との両方を理解させることを教育しています。

柔道整復師の人間力といったものを考えた時に、柔道や野球等、スポーツをしていた時に培われてきているのではないかと思われます。ある意味で、器用貧乏だから柔道整復師の学校にくるので、器用で頭が良かったら医者になっています(笑)。簡単に言っているようですが、一番重要なことだと思います。「学生時代にスポーツで怪我をして接骨院の先生が優しくしてくれたから私もそういう仕事をしたい」という学生が殆どです。医者の世界も何処も一緒だと思いますが、医は仁術なりと言われていますけど、仁術が算術になっている人もいます。柔道整復師は弱い立場ですし、常に崖っぷちで、社会的又は法的な基盤は脆弱です。その中で雑草の如く生き残っていくというのは、地域の患者さん、大きくいえば国民の信頼を得るものを従事してきたからで、それでなければ今頃は消滅してしまっていると思います。

―今大学が多く出来ましたが、帝京平成大学では、どういったことに力を入れていらっしゃるかについてもお願いします。

帝京平成大学は建学の精神である実学をモットーにして教育しています。特に基礎医学的知識と先進的な実技実習や臨床実習の充実を図る様なカリキュラムを組んでいます。勿論評価も行っており、ゆくゆくは帝京グループのオスキー(OSCE)をつくろうということで取り組んでいます。また,医療の現場を考えますと、他の医療業種との交流も考えていますので、理学療法の教員や心理学・栄養学・作業療法士等の教員との特別講義や学生同士の討論会などを考えています。交流することで、理学療法士は、柔道整復師は、医師は、鍼灸師はどうやるだろうかということを考えて、やはり大学という大きなキャパを考えた時に、他業種の人たちとの交流によって情報交換、もしくは情報の共有をしていくことが重要です。

現在、柔道整復師のためのコンサルタント外来を開設する構想を考えています。コンセプトは本学の理念である「実学の精神」に則り、卒後も柔道整復師として社会に貢献できる人材を教育するために行う。卒業生の中には就職した先での臨床教育が不十分であったり、困った症例の相談の場がない、レントゲン撮影を依頼できる病院とうまく提携できていない、など多くの問題点を耳にします。各地域の柔道接骨師会で担当・日時を決めて整形外科医が相談を受ける形を取っていますが、実際十分機能していないのが実情です。そこで柔道整復学科として、卒後教育の一環として他大学には例をみない柔道整復師を対象とした(接骨院の患者)コンサルタント外来を開設し整形外科医と専任教員1名、臨床実習施設接骨院の柔道整復師1名で診療にあたり、評価・治療のアドバイスを行います。手術が必要な患者であれば、帝京大学病院に紹介します。卒後教育の意味合いが大きいので、紹介元の卒業生には事細かに評価・治療についてアドバイスをする返信を作成し郵送します。文献なども付け、卒後もしっかり勉強ができるようにサポートします。対象は帝京平成大学柔道整復学科を卒業した者や近隣地域の接骨師会の会員を対象にします。つまり医接連携の確立を目指します。

―今回は、学術的な視点でお話をお聞きしたいと思います。ある意味では初歩的といいますか、臨床上のお話をお聞かせください。樽本教授は、学術的な視点でみて、柔整業界でどのような問題が在るのかお聞かせください。

一つは、臨床に出て研修する場所、環境にも問題がありますし、国家試験に合格して柔道整復師の資格は取りますが、柔道整復術を知らないというのが一番問題であると思っています。これは教育者にも問題があると思いますし、受け入れる業界にも問題がある訳です。〝そこをどう解決していくか〟です。

では、どういったことが問題なのか、一つは、学校を出たばかりの人達は当然でしょうけれども、評価をする能力が著しく乏しい。また、適切な評価能力が備わっていないのに開業を早くしてしまう。しかも患者を抱え込んでしまう柔道整復師が多く、そういう人たちが沢山輩出されている現状がある訳です。免許を取ってしまえば、柔道整復師はいつ開業しても良い。もっと言えば医師との連携がとれない。その原因は、決められた期間の臨床研修を受けない柔道整復師や臨床の研究機関が整備されていない状況があります。これは非常に重大な事で、受け入れ側の整備、例えば接骨院の施設の整備・設置の問題もありますが、先生方の能力の問題もあります。

よく卒後教育といわれますが、形式的な話で、殆ど個人接骨院に任せることになります。個人接骨院のレベルはどうであるとか、基準や評価が無いわけです。それが大きな問題で、業界全体で臨床研修できるような場所を開設することが必要です。これは私の考えですが、接骨院を開業している先生方に年間1万円でも良いから寄付をしてもらって基金を作ることです。柔道整復師としてプライドを持って国民のため、地域医療の一端を担っているという証明をするような取り組みが必要であると考えます。簡単にいえば、誰でも臨床研修ができるような場所を業界が作るべきじゃないかと、政治力も必要でしょうけれども、今もっと大事なのはやはり適切な評価をする能力が乏しくて患者を抱え込んでしまって他の業種の人と上手くやれない柔道整復師が弊害になっている訳です。それは何故かというと柔道整復師が開業権を持っているからで、開業権を持つということは勝手なことをやる訳です。勝手にやることを臨床整形外科医会の先生は問題視しています。それが問題視されているのであれば、研修できる場所をつくって、例えば卒後教育を2年行うというのであれば、その整備をしなければなりません。

臨床は重要ですので、臨床ができるシステムを如何につくるか、教育者も勿論ですが、これについては業界の仕事であるように思います。このように社会に役に立つようにしないと結局は新しく出た柔道整復師が研修する場所がない。外傷は答えが出ますから、上手い、下手、名医であるか、名医でないか、分り易いんです。其処は我々の特権ですので、痛みや慢性疾患的なものも重要ですが、それ以上に外傷に対する治療法を確立しておくことが重要です。私が一番大事にしているのは、それを証明することです。業界団体がある訳ですから、業界全体で、症例データの共有化をはかる、例えば足首の捻挫100症例より1000症例のほうが良い訳で、1000症例より10000症例がもっと良い訳です。そういうデータベースを作って、データの共有化をはかることです。

そして、もう一つ大事なのは、療養費の費用対効果であり、そのデータベースが作られていないのです。柔道整復師の治療が良いのか悪いのか、医療経済的な考えの中でみれば簡単に分かるデータが必要で、いま私がそのモデルを作って、論文を書いている最中です。適切な柔道整復師の原価を出せば、厚労省との交渉のベースにもなり得ます。根拠のある療養費費用対効果のデータベースを作って、それを活用することで、国民に柔道整復師は本当に役に立っているということを周知徹底することが重要だと思います。実際柔道整復師は一生懸命仕事をしているんです。処方箋を書いてお金をもらうわけではありませんから、汗かいて手足を動かして、手技療法・物理療法を施すなどその汗は尊いものです。柔道整復師を上手く活用することで、医療経済的にも国はうまくやれることになると思われます。

―学術的な問題点に関してどのような取り組みをされているのか教えてください。

基礎医学的な根拠と臨床機能的な観点から物理療法のエビデンスを追及しております。私は大学院でも教えておりますので、正常な健康人を対象にあらゆる検査機器を使用していろいろな刺激・介入をさせてデータを蓄積しています。まだまだ結果は出てきていません。また、臨床データとして新しい手技療法の開発(関節・軟部組織モビライゼーションなどのエビデンスを追及)を行い、柔道整復師の特徴を活かした手技療法を開発すること、急性期の足関節捻挫などの関節モビライゼーションの方法とそのエビデンスの追及などを検証しています。今まで自分たちが行ってきた治療法の裏付け根拠をもう一回見直すということです。例えば急性の足関節捻挫、足首を捻った場合、従来は安静固定です。しかし今は、安静固定ではなく動かすのです。関節モビライゼーションをすることによって、そのエビデンスを追及し検証しています。早く動かして早く治してあげるという国民のニーズに合うことをやろうとしています。今までは捻挫したらテーピング固定、包帯固定、ガッチリ固定していたものが逆に動かすことで腫れがひくのです。そういうことの裏付けをとっているというのが今の状況です。

なかなかエビデンスがない中で、少しずつですがエビデンスのある論文が出てきています。一つのモデルとして柔道整復的な手技療法のエビデンスをしっかり検証するということを、大学で研究をしています。まだまだ小さい点ですが、私どもの大学はグループがありますので、点がだんだん大きい丸になってきているところです。

―所謂「単なる肩こり」と「肩こり」、あるいは「頚部捻挫」、これらの関係性を医学的な面でお聞かせ下さい。

単なる肩こりについて、医学的にお話するのは中々難しく、何故なら肩こりというのは病名ではなく症状だからです。頚部捻挫は「捻る、挫く」ですから、微小の外力が入る。例えば急性、亜急性という言葉がありますが、そういうものの捉え方によって変わってくる訳です。肩こりは一つの症状ですから、患者が肩こりと言ったとしても、病名ではないのです。そこの捉え方が健保組合さんなども勘違いをされています。

急性は一つの外力が入ったことによって起こる「捻る、挫く」で、引っ張られたり、圧迫されたりいろいろです。小さな外力の反復によって引き起こされる亜急性というものの中で、繰り返すことによって起こる症状として肩こりが出てきます。健保組合さんは何が間違っているかというと、患者さんの症状を病名として捉えていますので、それはいかがなものかと。整形外科と柔道整復師の違いは当然ありますが、共有する面もいっぱいあるのです。ただし、我々は病態を診ているのではなく、身体機能の動き、事象を診ているのです。そして捻挫も打撲も医学的には挫傷です。それをわざわざ病名で分けているのです。何故病名を分けているかというと、保険の取り扱いの中での話で、学問ではないからです。つまり、いわゆる「肩こり」「腰痛」というのは、学問の話としては無理なんですね。

長くなりますが、頚椎捻挫の説明をします。頚部捻挫は、交通事故やスポーツ事故などで頚に不意に衝撃を受け、頚椎(頚の骨)周囲の筋肉や靭帯、神経や血管などの組織に損傷を受けたもので、首の痛みなどのほか、ひどいときは頭痛、肩こり、吐き気、めまいなどがみられます。頚椎捻挫の多くは一部分の軽い症状にとどまりますが、重症例では、交感神経や筋肉の異常な緊張により、眼が疲れる、だるい、腰が重い、肩がこるなどの症状がみられます。これらは大きく分けて4つの病型に分類することができます。1つは、頚椎捻挫型で、頚椎捻挫といえば大半がこの型で、頚の周りの筋肉や靭帯、椎間関節(頚の骨の関節)が捻挫を起こしたものです。神経根症状型といって、頚の神経が圧迫されたり、刺激されて、頚椎動作時に上肢の痛みやしびれが強くなり、握力低下などもみられます。そして自律神経症状型というのは、不眠、頭痛、耳鳴り、めまい、肩こり、疲労感、食欲不振、抑うつ症状など多彩な症状がみられます。頚椎前方に自律神経の中枢、星状神経節があり、そこに影響がおよんだものです。もう1つは、脊髄症状型で、脊髄が損傷された場合は、両手のしびれや、筋力低下、重度では両下肢の麻痺もみられます。治療は急性期の場合、頚部を安静にします。頚部を保護するため、頚椎カラー固定(頚の装具)も使用します。後療法として手技療法を行い、頚のストレッチや牽引、温熱療法、低周波、干渉波などの電気療法、筋力強化など症状にあわせて治療します。

―「肩こり」についてもご説明ください。

やはり長くなりますが、肩こり(かたこり/肩凝り)とは症候名のひとつで、正式な病名ではありません。肩こりと言われますが、そのほとんどは首の後ろや背中(肩甲骨の間)に症状を有することが多いため、「首こり」と言ったほうが本当は正しいのかもしれません。肩こりの部位を解剖の言葉を用いると、肩こりとは項頚部から僧帽筋エリアの諸筋に生じるこり感・重苦しさや痛みにいたる症候です。肩こりの原因にはいろいろなものがありますが、肩こり自体の正確な定義がなく、その為、正しい評価や治療法が確立されていないのが現状です。一般的にその個人の体形や生活様式に起因し、病気によって二次的に引き起こされるものとに分ける傾向があります。また、この症状に対する原因には諸説あるものの、一説では、同じ姿勢をとり続けるなどして頭や腕を支える僧帽筋やその周辺の筋肉(肩甲挙筋・上後鋸筋・菱形筋群・板状筋・脊柱起立筋)の持続的緊張によって筋肉が硬くなり、局所に循環障害が起こってきます。それによって酸素や栄養分が末端まで届かず、疲労物質が蓄積し、これが刺激となって肩こりを起こすと考えられています。二次的に起こる肩こりは内臓疾患による関連痛や放散痛であることもあり、いわゆる「放置すると危険な肩こり」と考えられます。二次的に起こる肩こりは他に原因があり、その症状の1つととらえることができます。二次的に起こる肩こりの原因として他にも色々なものがあります。

―同様に「単なる腰痛」と「腰痛」あるいは「腰部捻挫」、これらは、どのように違うのか、またどう関連しているのか、お聞かせください。

腰部捻挫(ギックリ腰を含む)についてですが、脊柱は合計24個の骨からなります。その内、3つの腰椎は、それぞれ左右に関節包につつまれた椎間関節があり、椎間板や靭帯の筋肉でつながれています。原因は、運動中に腰を無理にねじったり、中腰でものを持ち上げるような不用意な動作の瞬間に、この関節包、椎間板、靭帯、筋肉などの一部が引き伸ばされたり、断裂したりして起こります。突然はげしい痛みにおそわれ、身動きができなくなることもあります。この急性の腰痛症状が出た直後には、その原因を明確にすることが難しいので、腰痛の中に腰部捻挫、椎間板ヘルニア、骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折などが入っています。また症状と評価は、激しい体動時の腰痛、腰の両わきの痛みだけで、坐骨神経痛や下肢のしびれはみられません。咳やくしゃみをすると腰に痛みがひびきます。評価は、発病の状況を参考にして痛みの原因の多くは推定するしかありません。治療については、腰痛をできるだけ区別して治療方針を決める必要があります。しかし、急性の痛みの強い間は、もっとも痛みの少ない姿勢で1週間前後寝ていれば、たいていは楽になります。後療法として手技・物理・運動療法等を痛みの程度によって施術を行います。痛みが軽くなり次第、コルセットをつけて歩く練習と体操療法を少しずつ始めます。また、腰痛を起こしやすい動作や姿勢を避けることが重要です。

―柔道整復師の治療の優れている点とはどのような部分でしょうか?

かなり少なくなりましたが、骨折・脱臼の整復固定について、優れた知識と技術を持っている柔道整復師が現在もいます。上腕骨外顆骨折の回転骨折を整復でき非観血的に治療できるなど、優れた先生の技術を伝授できる場所の確保が必要不可欠であります。柔道整復師はあらゆる器具を使用し、骨折・脱臼の整復や固定を行い、軟部組織損傷においても痛みに対する処置を上手く行っています。

長文のため、後半を省略しております。
全文読みたい方は『からだサイエンス』にお問い合わせください。

樽本修和氏プロフィール

昭和30年8月11日生まれ、本籍地・高知県。
学歴:昭和51年3月、帝京医学技術専門学校柔道整復科卒業。同55年9月、日本鍼灸理療専門学校卒業。平成10年3月、専修大学経済学部経済学科卒業。同18年3月、帝京平成大学大学院情報学研究科情報学専攻修士課程修了。24年3月、同大学大学院健康科学研究科博士後期課程を修了、博士(健康科学)を修得。
学位:経済学士、修士(情報学)、博士(健康科学)。
職歴:昭和49年4月、帝京大学本部勤務。同52年5月、要町病院理学療法科勤務。54年5月、朝霞整形外科勤務。57年10月、樽本接骨院を開業。平成元年4月、帝京医学技術専門学校専任教員。同16年4月、帝京平成大学ヒューマンケア学部身体機能ケア学科トレーナー・整復技術専攻専任講師。19年4月、同大学ヒューマンケア学部身体機能ケア学科トレーナー・整復技術専攻准教授。22年4月、帝京平成大学地域医療学部柔道整復学科教授。24年4月、帝京平成大学大学院健康科学研究科柔道整復学専攻教授。26年4月、帝京平成大学ヒューマンケア学部柔道整復学科教授、学科長に就任、現在に至る。
海外研修:平成5年8月より2年間カリフォルニア州立ロングビーチ大学にてPNF及びモビリゼーションの研修。
学会活動:日本柔道整復接骨医学会会員、日本健康科学学会会員、日本健康行動科学会会員。
社会における活動:平成12年4月より6年間、財団法人柔道整復研修試験財団第5・6・7期柔道整復師国家試験委員。同2年~25年まで、全国柔道整復学校協会厚生労働大臣指定柔道整復師専科教員認定講習会講師。
賞罰:平成26年5月、(公社)日本柔道整復師会帰一賞受賞。
著書:編集・共著 メジカルビュー社 「柔道整復師 ブルー・ノート イエロー・ノート」、他多数。

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