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ビッグインタビュー:日本赤十字社社長・大塚義治氏

インタビュー 特集

新型コロナウイルスの感染者が国内で初めて判明してから、またクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」に日赤から救護班等が派遣されてから半年が経過した。
国内の感染患者は増加の一途を辿り、一時やや収束の兆しを見せたが、再度増加の一途を呈している。そうした最中、「令和2年7月豪雨災害」が発生し、コロナ禍が続く中で、被災地の状況、復興の見通しはますます困難を極めることとなった。
日々状況が深刻化する中、私たちは今後新型コロナウイルスや頻発する大災害にどのように向き合うべきかを聞いた。

いのちと尊厳を守るために ―新型コロナウイルスと赤十字の対応―

日本赤十字社社長・大塚義治氏

日本赤十字社
社長
大塚 義治 氏

―新型コロナウイルスに対する、初期段階の赤十字の取り組みについて教えてください。

新型コロナウイルス感染症に対する日本赤十字社(以下、日赤)の活動は、 2月初旬に、厚生労働省からの要請を受けて、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」に救護班等を派遣したことがスタートでした。 同時期に派遣された、いわゆるDMAT( 災害派遣医療チーム)にも日赤のスタッフが多く参加していますが、 最初にこの要請があった時、正直に言いますと、私は、瞬時、逡巡しました。というのは、未だ何も分からない時期で、新型コロナウイルスもいわば得体の知れない状況でしたので、職員を送って良いものかどうか、職員の安全が守れるのだろうか、 という懸念があったからです。そうはいっても、日赤の役割からするとお断りすることは難しいとも思っていましたが、結論から言いますと、関係する 赤十字病 院の院長やスタッフから、〝やりましょう〟〝行きましょう〟という力強い答えが返ってきましたので、私の迷いも吹っ飛びました。

その際、日本赤十字社和歌山医療センターの感染症専門医に本社にしばらく詰めてもらって、派遣されるスタッフや本社の担当スタッフに様々なアドバイスをしてもらいました。例えば、派遣期間は2泊3日を限度とすることとか、1回派遣されたら交替し、再度の派遣は行わないこととか、任務終了後 2週間は各病院での業務復帰は避けること、というような幾つかの基本ルールを決めて、それで職員に乗船してもらいました。

最終的には、救護班等の医師・看護師等、延べ 142名のスタッフを送ることになりました。あの頃は、検疫官が感染したとか、厚労省の職員が感染したということもありましたが、幸いなことに、日赤のチームからは、感染者は出ませんでした。

後になって思ったことは、感染症専門医からやるべきことをしっかりと指示してもらったことはもちろん貴重だったのですが、現場に行くスタッフにとっても、専門の医師がいろいろなアドバイスをしてくれる、或いはウォッチしてくれているというのは、大きな安心感に繋がったのではないかという気がします。

さらに、これも日赤の強みだねと言っているのですが、この救護班は、海外救援の経験豊富なスタッフを中心に編成しました。クルーズ船の乗客も乗員も外国の方が多かったので、言葉や文化の問題がありました。そこで、外国語が堪能で多種多様な人々に接することに慣れた海外救護活動のベテランを中心に送ったわけです。これは、船内で大変喜ばれ、評価されたと聞いています。意思が通じ合うという意味で言葉の問題は非常に大事ですから、赤十字らしい活動が出来たかなと思っています。

また、これは日赤だけのことではありませんが、当時クルーズ船で業務にあたったスタッフ一人一人に、加藤厚生労働大臣から感謝の気持ちを込めたお礼状が届くというご配慮がありました。

―クルーズ船に医療班を派遣されて以降、あまり日赤の活動が報じられなかったのは?

そうでしょうか。だとすれば、ちょっと残念ですが(笑)。

これも正直に言いますと、クルーズ船の頃を含め、初期の段階では、私は、日赤の活動について問われたり、尋ねられたときに答えるのは当然としても、あえて積極的な広報をする必要はない、消極的な広報でいいと言っておりました。それには、幾つかの思いがあったのですが、未だ全体の状況が分からず、手探りの段階では、政府の全体的、統一的な方針に沿って、関係者それぞれが、要請された役割をきちんと果たしていくことが大事であって、個別の活動がピックアップされることはむしろ適当ではないと考えたからです。しかしながら、徐々に全体状況が見えてくると、むしろ医療現場が如何に大変な状態かということを知ってもらう必要があるということで、その時期には積極的広報に切り変えることにしました。

いずれにしても、クルーズ船の対応が終わった後、今度は全国的に、しかも急速に増える感染者を、病院で患者として受け入れるというのが次のフェーズになる訳です。現在、全国に91の赤十字病院がありますが、その3分の2にあたるおよそ60病院が何らかの形で患者を受け入れてきました。比較的大きな病院ででは、これも地方自治体の要請などに応じてベッドを確保し、重症者を含めた入院治療に対応していますが、感染の防止に最大限の注意を払わわなければならないこともあって、通常の医療よりはるかに多くのスタッフや施設設備、医療資器材を必要としますから、医療現場の苦労は並大抵ではありません。一時は、新規患者増大の前に、まさに〝医療崩壊〟といわれる状況寸前にまで至った病院も決して少なくありませんでした。

いくらプロの医療従事者でも、その業務は感染リスクを伴うものであり、大きなストレスを背負ってのものだったようです。例えば、高齢者に重症者が多くなるのは当たり前ですが、特にこうした患者さんは看護師さんたちが身の回りすべてのケアをしなければならない。いくらガードをしていたとしても、感染を防ぐのはそう容易なことではない。自分自身のこともさることながら、万が一自分が感染すると、お子さんや配偶者や両親といった家族にうつしてしまうかもしれない、もちろん病院にも迷惑をかけることになる、といったことが頭に浮かんできてしまう。現場のスタッフは、そんな大きなプレッシャーを常に感じていたという話をよく耳にしました。

―「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!~負のスパイラルを打ち切るために~」というキャンペーンについてお聞かせください。

いまお話したこともその一例なのですが、今回の新型コロナ感染症のひとつの重要な側面は、メンタルな問題がきわめて大きいということだと思います。このキャンペーンはそこに着目したものですが、実は、これは現場のスタッフからの提案でした。

例えば、陽性が確認された場合、患者さんご自身の不安感も大きいでしょうが、周辺から冷たい眼差しを向けられることなどもある。医療スタッフについても、本人と家族の問題に加え、周囲からの視線の中に、非常に厳しいというか、偏見に満ちたものがあることが決して少なくない、という現実が浮き彫りになってきました。お子さんが保育園・幼稚園に行くのを断わられたり、奥さんが病院の看護師であるご主人がその勤務先から出勤しないようにと言われたといったことが、信じられないことですが、実際問題としてあるわけです。さらに、一般の方々も、コロナに対する恐怖感、不安感はあるが、どう日々を過ごしていいかわからないで悩むという状況も指摘されていました。こうしたことに対し、何かできないだろうか、ということがスタートでした。

これも赤十字らしいところなのですが、香港の赤十字社が、同じような問題意識で、パンフレットを市民に配布する活動を行っているということがわかり、まずはそれを借りて複数の外国語に翻訳し、クルーズ船の乗員・乗客に提供するということをやりました。次に、日赤のオリジナルとして、まず、医療従事者向けの「新型コロナウイルス感染症対応に従事されている方のこころの健康を維持するために」を作成し、次いで一般の方を対象とした「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!~負のスパイラルを断ち切るために~」を作成して日赤のウェブサイトで公開しました。これはたいへん反響を呼び、私のところにも、ある大学の元学長から〝非常に感心した〟とお誉めの言葉を頂き、後輩の教授が是非授業で使いたいと言っておられるということでした。

さらに、この一連のものとして、絵本アニメーション「ウイルスの次にやってくるもの」を作成してYouTubeにアップしましたが、これは予想以上の大ヒットとなり、公開1か月で再生回数が200万回を超え、NHKの夜7時のニュースにも取り上げられるなど、驚くほどの反応がありました。お子さんがご覧になっても分かりやすいアニメーションになっていますので、まだ見ておられなかったら、どうぞご覧ください。

―多くの病院が赤字を抱えて医療危機を強く訴えておられますが…

医療現場の苦労は未だに続いています。悪戦苦闘の日々が、ようやくちょっと小康状態になったかと思っていたら、東京を中心に再び大幅な感染者増加の傾向となり、緊張感が走っています。

自治体から病床確保の要請が入れば、各病院では最大限対応することにしていますが、感染症病床のエリアは他とゾーンを分けなければなりませんから、どうしてもその規模というか必要なスペースが大きくなる。4人部屋であっても1人用としてしか使えませんし、見た目の数字以上に大きな医療資源をそちらに振り向けなければなりません。医療スタッフについても、他の場合の1.5倍~2倍は優に必要だと言われています。特に看護師さんのローテーションは緻密に作成されていますから、日々の患者さんの動向や状況に対応するために、看護部長さん方は毎日頭を痛めることになります。

このように、コロナのために特に人的な資源を非常に多く投入しますから、緊急でない手術は延期したり、外来も出来る限り控えてもらうというように、他の診療機能を抑えなければならないことになる。患者さんにも不便や不安を生じるので、これが病院としては一番頭を痛めるところですが、さらに病院長さん方の頭と胸を痛めているのは、病院の経営、収支の状況が物凄く落ち込んでいることです。ざっと試算してみても、赤字の額はとんでもないものになっています。国も、第二次補正予算などで、かなりの金額の枠取りをしてくれていますが、具体的にどういう形で、我々の手元にどれくらいいいただけるのかについてはこれからのことになります。

ほんとうに深刻な状況でして、私自身にとっても、当面する、および今後の、まことに重い課題です。

―医療現場の疲弊をどのように回復させるかについては?

それぞれの赤十字病院も厳しい状況の中で必死に頑張っていますが、ある意味では幸いなことに、我々は91のグループ病院ですので、情報交換したり、励まし合ったり、助け合ったりということができます。また本社・本部も、それを懸命に支援していまして、さらにその努力を継続したいと思っています。

しかし、今回の状況については、我々の努力だけでは本質的な解決はできません。財政的な支援についてはいま述べたとおりですが、例えば、感染者の増加に対して、ホテルなどの宿泊施設を使用して、軽症者の療養に活用する措置が講じられてきました。これによって、医療機関の負担は随分違ってきます。やはり、コロナ問題全体を見据えた国なり自治体の対応がまず重要ですし、さらに言えば、行政だけではなく、国民挙げての総力戦だと思います。端的には、市民一人一人が自ら感染しないように注意してもらうことが、医療に対する負荷を軽減する大きな力になる訳です。

そして、医療現場が大変な状況にあるということは、多くの人がよく知ってくださるようになって、いろんな形での応援を頂いています。物的なご支援もありますが、精神的な、気持の上での応援も本当にたくさん頂いて、現場としては大きな励みになっていると思います。

もちろん我々としては、各病院と協力しながら、医療スタッフに対するメンタル面でのケケに不足がないように、例えば相談体制をしっかり準備するとか、コロナに対応する看護師など医療スタッフの勤務ローテーションにきめ細かく配慮するとか、現場の状況に応じた工夫はしていますが、本質的、根本的には、国、行政の対応に期待せざるを得ないと思います。

―今のコロナ禍の中で、起きてほしくなかった「令和2年7月豪雨災害」が起きてしまいました。災害時の避難について、3密をどのように避けるかという問題も持ち上がり、日赤はどのような対応をされていらっしゃいますか?

コロナ禍下での災害については、これまでとは違う対応が必要で、そのための準備をしなければならないということについては、かなり早くから問題意識を持っていました。ただ、コロナ問題そのものが、感染予防や病態・対処の方法も確立されているわけではありませんので、今後どう展開していくのか不透明です。しかし、手探りであっても、コロナ感染時における災害救護活動の指針をまとめておこうという趣旨で、いわば注意すべきことを整理し、支部や病院に連絡をしておりてました。マニュアルと称しても良いくらいの内容になっていると思いますが、そんなときに、正にそれが現実に起きてしまったわけです。

話が前後してしまいますが、最近は、災害時に政府が被災地に内閣府調査チームを派遣することが多いのですが、そのチームには、原則として日赤の医師が参加するという協定書を、5月に内閣府と日赤との間で交わしました。災害が起こった際、怪我をした方や一般の疾病を有する方に対する救護や治療のノウハウは、これまでの経験に立ってかなり確立しています。感染症についても、冬季の風邪やインフルエンザへの対応はありましたが、今回の新型コロナ禍における災害救護活動のようなものは初めての経験であり、特に医学的な知識が必要であるとして、日赤への協力要請があったわけです。

今回の「令和2年7月豪雨」においても、早速赤十字病院の医師らが内閣府のメンバーと一緒に現地に入って活動しています。この派遣チームの報告などを元に、行動指針を更に実態に即した内容に見直すことになると思います。派遣チームはそういう意識を持って現地に赴いています。 また自治体も、これまでであれば、被災者を1カ所に集めてできるだけ多く収容する避難所が多かったわけですが、今回は小規模なものを複数カ所に設けるとか、スペースや間隔を広く取るなど、避難所そのものや設備等について相当気を配っており、そういう意味でも、新しい課題にそれぞれがチャレンジして立ち向かっています。これらの経験が、今後蓄積されていくと思います。

―防災に対する指導は全国的に行われているのでしょうか?

「指導」という意味合いはありませんし、やはりそれも日赤だけで出来る仕事ではありませんが、人々に「防災意識」を持っていただくというのは、最近の日赤の活動の大きな柱になっています。日赤の災害救護活動において、医療救護などはこれからもその中心ではあるが、「防災・減災」ということが、それに並ぶ重要性を持つのではないか、という考えです。これも、阪神淡路大震災や東日本大震災の経験から学んだことです。

データでは明確に示されていることですが、阪神淡路大震災にしろ、東日本大震災にしろ、発災直後に消防や自衛隊や救護班が被災現場に到着できたわけではない。それまでの間は、被災者自らが、また地域住民が助け合って自身の命を守らなければならない。従って、個人個人が生活している地域で、いざという時にどうするかということを常日頃知っておくことによって、被害の状況がかなり違ってくるということが分かってきました。そこで、自助、共助の力をつけるための啓蒙、情報提供活動、すなわち防災・減災の教育活動を日赤の災害関係活動の柱の1つにしようということになったのです。

成人を対象とした「防災セミナー」なども実施していますが、加えて、小さい頃から防災の意識を持ってもらおうと、小学生~高校生を対象とした教材「まもるいのちひろめるぼうさい」、さらには保育園・幼稚園を対象にした教材「ぼうさいまちがいさがしきけんはっけん」を作成し、活用してもらっています。子供たちを対象とするのは、学校で習ったことを子どもが家に持って帰ると、親ごさん方も防災について関心を持っていただけるのではないか、という狙いもあります。

―災害時要援護者等の方達への防災や救護における対処の仕方についても教えてください。

これも、我々が「指導」するという立場ではありませんが、例えば災害時要援護者といわれる方達の状況について、地域において予め知っておくこと、何所に一人暮らしの高齢の方が居る、体の不自由な方が居るということを常日頃把握しておくことがとても大切です。「防災マップ」というものにもいろいろありますが、自分の住んでいる地域で、地震が来た時の逃げるルートや場所を地図に記入ておくというのが代表的な例で、前述した防災教育の中でも学習してもらっています。それに加えて、特別に気を配らなければいけない方が何所に居るということを記入し、地域であらかじめ共有しておき、災害が起きた時には、誰が、例えば隣人が、あるいは町内や班でカバーするということを明確に決めておいたり、イメージしておくことが大事だと思います。さらに、実際の訓練をしておく、いわば癖をつけておくことが望ましいでしょう。そうしたことが、いざというときの「地域の力」ということになるのではないでしょうか。

もう1つ、ご紹介しておきたいのは、赤十字ボランティアについてです。
日赤には、幅広いボランティア組織「赤十字奉仕団」が、現在約120万人おります。地域に根差した「地域赤十字奉仕団」や、「青年赤十字奉仕団」、災害時に活動を行う「防災ボランティア」のほか、「特殊赤十字奉仕団」といって、技能を持っている人達がその能力を生かしたボランティアを行っている活動もあります。例えば「赤十字飛行奉仕団」というのがあり、自前の飛行機を保有していて操縦の出来る人がボランティアとして参加しています。驚かれませんか(笑)。 赤十字のボランティア活動についても、もっとご紹介したいことや様々な課題もありますが、別の機会に譲りたいと思います。

―コロナが沈静化するためには、治療薬やワクチンの開発が待たれると思います。他の国で開発した治療薬を待つのではなく自国で開発すべきだという声も聞きますが、大塚社長はどう思っていらっしゃいますか?

これは、私の立場でお答えできるお尋ねではありませんね(笑)。したがって個人的な感想みたいなものですが、いま各国がこぞって新型コロナウイルス・ワクチンの研究開発をしています。日本はワクチン後進国と称されることもあり、それは大いに残念なことですから、もちろん日本で開発できたらそれにこしたことはないと思います。大いに期待したい。しかしまずは、どこの国であれ、有効性の高いワクチンが早期に開発されることを望みます。そして、やはり本来は、特に今回のコロナのようなケースは、国際協力の意義と必要性が強調されるべきだと考えます。それぞれの国が、あるいは企業が、激しく競争し開発して、その成果は、人類のために国際的な協力・協調のもとに使用・活用する、公正な分配が図られるということが出来ないものだろうか。理想論かもしれませんが、本当にそう思います。

―最後に一言お願いいたします。

今回の新型コロナウイルスに関する日赤の取り組み、主として医療現場における活動について、たいへん多くの人々、企業などから、お励ましとご支援をいただいております。それには、海外からのものも含まれます。心から感謝を申し上げたいと思います。

コロナとの闘いは、これからもしばらく続くと思われますが、今年の日赤の広報に使われる言葉は「救うを託されている」です。いかなる時でも、またいかなる理由であれ、目の前で苦しんでいる人を助けることが赤十字の思想であり、使命です。

私たちには、多くの仲間と、私たちの活動に期待し、信頼を寄せてくださる多くの方々がいます。そうした方々の期待と信頼に応えるために、私たちは引き続き、多くの皆さま方と手を携えながら、たゆまぬ努力を続けてまいりたいと思います。

大塚義治氏プロフィール

1947年生まれ。栃木県出身。
1966年、東京都立上野高等学校卒業。1970年、東京大学法学部卒業。1970年、厚生省入省。1994年、同省大臣官房会計課長。1996年、同省大臣官房審議官、1998年、厚生大臣官房長。1999年、厚生省老人保健福祉局長。2001年、厚生労働省保険局長。2002年、厚生労働審議官。2003年、厚生労働事務次官。2004年、退官。2005年、日本赤十字社副社長就任、日本赤十字学園理事長兼務。2019年、日本赤十字社社長に就任。現在に至る。

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