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柔道整復師と介護福祉【第112回:介護保険の基礎知識ver9】

柔道整復師と介護福祉 特集

介護報酬改定の狙いvol.1

今回の全般的な改定の狙いは、今後ますます深刻化する人手不足にどうにか対応していくか?科学的根拠をもってADLを維持向上させ重度化予防を促進させたいと読み取れます。
以下、5つのポイントを解説します。

地域包括ケアシステムの深化と推進

地域包括ケアシステムの深化と推進について、居宅介護や訪問介護の特定事業所加算において、山間部や看取り対応。医療ニーズの対応が評価される内容が追加されました。

  1. 自立支援と重度化防止に向けた対応
  2. 良質なサービスの効率的な提供に向けた職場づくり
  3. 制度の安定性と維持可能性の確保
  4. 重要書類のWEB提示、通所系サービスの共同送迎
  5. 地域包括ケアシステムの深化と推進

医療と看護の連携推進

訪問介護の特定事業所加算を取得する一部要件に看取り経験や居宅管理指導(調剤)における医療用麻薬取り扱い時の新加算創立。各専門看護師を評価する制度が導入。

イ.緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師が計画的な管理を行った場合

対象

  • 悪性腫瘍の鎮痛療法又は化学療法を行っている利用者
  • 真皮を越える褥瘡の状態にある利用者
  • 人工肛門又は人工膀胱を造設している者で管理が困難な利用者

ロ.特定行為研修を修了した看護師が計画的な管理を行った場合

対象

  • 診療報酬における手順書加算を算定する利用者

質の高い公正中立なマネジメントケアの推進

居宅介護の特定事業所加算の取得するにあたり、ヤングケアラーや難病など高齢者介護以外の福祉ニーズへの知見獲得を要件としてモニタリングもオンラインで可能になりました。

地域の実情に応じた柔軟かつ効率的な取組

介護予防支援や訪問介護における特定事業所加算において、山間地域で介護サービスを提供する場合、新加算が取得できるようになりました。

看取り対応の強化

訪問看護において認定看護師による緩和ケア時の加算新設、居宅療養管理指導(調剤)における医療用麻薬使用における加算や施設系サービスでも看取り対応を強化。

感染症や災害への対応力強化、高齢者虐待防止の推進

新興感染症発生時の対応について、専門機関との連携に関する加算の新設。BCP対策、高齢者虐待防止対策が未整備の場合は基本報酬を減算。

認知症対応力の向上

施設系サービスにおけるチームによる認知症対策を講じる場合の加算の新設や各認知症加算が取得しやすいよう、要件が緩和。

福祉用具貸与・特定福祉用具販売の見直し

モニタリング機関の明確化や杖や固定スロープなど、安価な福祉用具に関して購入と貸与を比較して検討を促すようにする。
今回の選択制は全ての福祉用具に適用されるわけではなく、費用対効果の高い「単点杖(松葉杖は除く)、多点杖、歩行器(歩行車は除く)、固定用スロープ」に限られています。
いずれも利用者が購入の判断をしやすい比較的安価かつ、修理や整備の必要性が比較的低いと考えられているものです。
また「固定用スロープ」は複数必要になった場合、販売時に必要数支給するよう国から自治体へ周知されることになっています。
一方で福祉用具専門相談員に対しても、その必要性を十分に検討するよう求めています。

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