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柔道整復師国家試験対策【第24回:一般臨床 その1】

分野別問題 国家試験対策

いよいよあと2ヵ月に迫ってきました。今回から2回にわたり、一般臨床医学と病理学の基本問題を出題します。
今回は一般臨床の前半部です。

総論

問題1痩せを呈さないものはどれか。

  1. 甲状腺機能低下症
  2. アジソン病
  3. 悪性腫瘍
  4. 糖尿病

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解答 1

肥満・やせとその関連疾患

問題2低身長とならないものはどれか。

  1. マルファン症候群
  2. ターナー症候群
  3. クレチン病
  4. 下垂体性小人症

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解答 1

低身長を呈する疾患
くる病 クレチン病 モルキオ病 ターナー症候群 下垂体性低身長症など

高身長を呈する疾患
マルファン症候群 骨端閉鎖前の下垂体機能亢進症

問題3振戦を呈しないものはどれか。

  1. 多発性硬化症
  2. 肝硬変症
  3. 甲状腺機能亢進症
  4. ギランバレー症候群

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解答 4

異常運動とその疾患

ギランバレー症候群は、末梢神経障害であるために、異常運動は認められない。

問題4テタニーはどれか。

  1. チック
  2. 振戦
  3. 痙攣
  4. アテトーゼ

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解答 3

不随意運動について

痙攣
てんかん テタニー 破傷風

振戦
パーキンソン病 多発性硬化症(企図振戦) 肝硬変・ウィルソン病(羽ばたき振戦)

アテトーゼ運動
脳性小児麻痺

その他の不随意運動としてはチック、ミオクローヌス、舞踏病様振戦などが存在する。
不随意運動は錐体外路系障害により出現する。

問題5末梢性麻痺により出現しないものはどれか。

  1. 筋トーヌス低下
  2. 腱反射減弱
  3. 病的反射陽性
  4. 筋萎縮

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解答 3

中枢性麻痺
筋萎縮低度 筋トーヌス高度 腱反射増強 病的反射出現
→ 脳血管障害 筋萎縮性側索硬化症 仮性球麻痺

末梢性麻痺
筋萎縮高度 筋トーヌス程度 腱反射消失(減弱) 病的反射なし
→ 末梢神経損傷 ギランバレー症候群 球麻痺

問題6トレンデレンブルグ歩行はどれか。

  1. 患側立位時、骨盤が健側に傾く
  2. 患側立位時、骨盤が患側に傾く
  3. 健側立位時、骨盤が健側に傾く
  4. 健側立位時、骨盤が患側に傾く

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解答 1

トレンデレンブルグ歩行は、患側立脚時に、骨盤が健側へ傾く(墜下)する歩行であり、中殿筋麻痺や先天性股関節脱臼・変形性股関節症などで認められる。

問題7脊髄後根後索障害により出現する歩行はどれか。

  1. 千鳥足
  2. 脊髄運動性失調
  3. 随意性跛行
  4. 間欠性跛行

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解答 2

歩行とその疾患

問題8起座位を呈する疾患でないものはどれか。2つ選べ。

  1. 左心不全
  2. 気管支喘息
  3. 髄膜炎
  4. パーキンソン病

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解答 3・4

姿勢とその代表疾患

問題9腱反射の減弱が認められるものはどれか。

  1. 脳出血
  2. 腰椎椎間板ヘルニア
  3. 仮性球麻痺
  4. 膝クローヌス

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解答 2

腰痛椎間板ヘルニアには、神経根障害が認められるために、末梢神経障害となる。
そのために、腱反射は減弱する。

問題10顔面部の視診について誤りはどれか。

  1. 仮面様顔貌 ―――――――― パーキンソン病
  2. 眼瞼下垂 ――――――――― バセドウ病
  3. いちご舌 ――――――――― 猩紅熱
  4. コプリック斑 ――――――― 麻疹

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解答 2

顔面部の視診

仮面様顔貌 → パーキンソン病 強皮症
満月様顔貌 → クッシング症候群
眼球突出 → バセドウ病
眼瞼下垂 → 重症筋無力症 動眼神経麻痺
ベル現象 → 末梢性顔面神経麻痺
共同偏視 → 脳血管障害
いちご舌 → 猩紅熱
ハンター舌炎 → 悪性貧血
コプリック班 → 麻疹
黒色斑 → アジソン病

問題11 紫斑を呈さないものはどれか。

  1. 多発性骨髄腫
  2. 悪性リンパ腫
  3. 血友病
  4. ファロー四徴症

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解答 4

紫斑は内出血の結果として皮膚に出現するものであり、出血傾向を呈する疾患にみとめられる。
ファロー四徴症は先天性心疾患であるが、出血傾向は認められず、心奇形により十分なガス交換が出来ない状態となる、チアノーゼを呈する疾患である。

問題12紅斑を認めないものはどれか。

  1. 白血病
  2. 肝硬変
  3. 全身性エリテマトーデス
  4. リウマチ熱

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解答 1

白血病は、紅斑でなく紫斑(出血傾向)を呈する。

肝硬変症        → 手掌紅斑
全身性エリテマトーデス → 蝶形紅斑
リウマチ熱       → 輪状紅斑

問題13くる病で認められる胸部変化はどれか。

  1. 樽状胸
  2. 鳩胸
  3. 漏斗胸
  4. 扁平胸

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解答 2

胸部の視診

樽状胸   → 肺気腫
漏斗胸   → マルファン症候群
鳩胸    → くる病
女性化乳房 → 肝硬変症

問題14呼吸音が減弱するものはどれか。

  1. 気管支炎
  2. 急性肺炎
  3. 気胸
  4. 肺結核

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解答 3

呼吸音の増強
気管支炎 肺炎 肺結核

呼吸音の減弱
胸水 気胸

ラ音聴取
気管支喘息 気管支炎 肺炎 肺結核 肺うっ血

問題15 病的反射でないものはどれか。

  1. バビンスキー反射
  2. チャドック反射
  3. アシュネル反射
  4. ホフマン反射

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解答 3

病的反射
錐体路障害により出現するもの。上肢に出現するものと下肢に出現するものがある。一部の者は、新生児期に認められるものも存在する。

上肢病的反射
ホフマン反射 トレムナー反射 ワルテンベルグ反射

下肢病的反射
バビンスキー反射 チャドック反射 オッペンハイム反射 ロッソリーモ反射 ゴートン反射 ゴンタ反射 シェーファー反射 メンデルベヒテルフ反射

※ アシュネル反射とは、自律神経反射であり、眼球圧迫反射ともよばれる。

問題16頻脈を呈するものはどれか。

  1. 貧血
  2. 脳圧亢進
  3. 甲状腺機能低下症
  4. アダムストークス症候群

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解答 1

頻脈:
毎分脈拍数100以上
甲状腺機能亢進症 バセドウ病 頻脈
徐脈:
毎分脈拍数60以下
甲状腺機能低下症 脳圧亢進症
アダムストークス症候群

問題17稽留熱を呈するものはどれか。

  1. 敗血症
  2. 腸チフス
  3. 膠原病
  4. ウィルス感染症

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解答 2

稽留熱
日内変動1℃以内で体温が持続的に高い
→ 腸チフス 髄膜炎 粟粒結核

弛張熱
日内変動1℃以上で、体温が持続的に高い
→ 敗血症 化膿性疾患 ウィルス感染症 膠原病

間欠熱
日内変動1℃以上で、平熱になることもある
→ マラリア 弛張熱と同様疾患

周期的発熱
高熱と平熱が周期的に繰り返す
→ ブルセラ ホジキン マラリア

問題18 疾患と特徴の組み合わせで誤りはどれか。

  1. 食道癌 ――――――― アルコール多飲
  2. 胃潰瘍 ――――――― ボアス点
  3. 急性虫垂炎 ――――― ブルンベルグ徴候
  4. 麻痺性イレウス ――― 蠕動運動亢進

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解答 4

食道癌
アルコールや熱性食物、煙草は発生因子となる。
一般に男性に多く発症し、食道中部に好発する。初発症状は嚥下困難である。

胃潰瘍
圧痛点としては背部に出現するボアス点、臀部に出現する小野寺殿点がる。
胃潰瘍では食後時の心窩部痛が強く、十二指腸潰瘍では空腹時が強くなる。
合併症として、大出血、穿孔、狭窄がある。

急性虫垂炎
腹膜刺激症状として、ブルンベルグ徴候、ローゼンシュタイン徴候、ロブジング徴候を認める。
圧痛点では、腹部に出現するマックバーネ点、ランツ点があり、初発症状は心窩部痛である。

麻痺性イレウス
機能的イレウスであり、言葉から推測されるとおり腸蠕動運動が不可能となる。
ゆえに、グル音が消失し、手術の適応にもなりえない。
一般にイレウスは、機能的イレウスと機械的イレウスに大別されるが、機械的イレウスが高頻度に発生する。

問題19イレウスにおいて誤りはどれか。

  1. 腹腔内癒着では、蠕動運動が亢進する。
  2. 機能的イレウスでは麻痺性によるものが多い。
  3. 鼓音が増強する。
  4. 痛みを伴うことが少ない。

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解答 4

イレウスのポイント

定義

腸内容物の通過障害
機械的イレウス … 腸閉塞中 90% ⇒ 腹膜内癒着・腸重積
機能的イレウス … 麻痺性イレウス … 機能的の中で最多

症状

悪心・嘔吐・腹痛・便秘・ガス貯留による鼓音増強
ぐる音増強 ⇒ 機械的イレウス
ぐる音消失 ⇒ 麻痺性イレウス … 腸蠕動不隠 麻痺性イレウスは手術不適応

よって、答えは4となる。

問題20肝硬変症において認められないものはどれか。

  1. 黄疸
  2. 女性化乳房
  3. 蝶形紅斑
  4. 腹水

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解答 3

肝硬変症
不可逆性進行性病変であり、肝組織に広範に発生した炎症反応の結果で増殖した線維組織により肝内血管径が圧迫され、肝内循環障害が発生し、更に肝細胞が障害されていく疾患。

代表的症状
黄疸 くも状血管腫 手掌紅斑 女性化乳房 メズサの頭、出血傾向など

一般に、B型C型肝炎などから発生してくるケースが多い。

問題21経口感染による発症でない肝炎はどれか。

  1. B型肝炎
  2. A型肝炎
  3. C型肝炎
  4. E型肝炎

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解答 3

肝炎:肝細胞の炎症と急性壊死をみる
A型・E型は経口感染(飲料水,生牡蠣など)
B型は経口,血液感染
C型は血液感染

※ A型は慢性肝炎に移行せず予後良好

※ B型は劇症肝炎,肝硬変に移行し易く、C型は必ず慢性肝炎に移行する

問題22肝硬変について誤りはどれか。

  1. アルコール過飲、肝炎などにより発症する。
  2. 非可逆性病変である。
  3. 黄疸、クモ状血管腫、女性化乳房、蝶形紅斑を呈する。
  4. 血清アルブミン、尿素窒素の低下をみる。

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解答 3

肝硬変

肝機能障害の終極像
→ 非可逆性進行性病変
障害された肝細胞は再生せず、肝細胞には線維増殖が起こり、血管が圧迫され血行障害が生じる。肝炎によるものやアルコール過飲によるものが多い。

肝臓の機能がまだ残っている状態(代償期)
→ クモ状血管腫,女性化乳房,手掌紅斑

肝臓の機能が働かない(非代償期)
→ 黄疸,消化管出血,側腹血行路(メヅーサの頭,食道静脈瘤)

4…肝臓の機能が働かなくなり血漿タンパク生成や尿素生成が行われなくなる。

問題23胆道疾患について誤りはどれか。

  1. 胆嚢内結石は、ほぼ無症状である。
  2. 胆石が胆道に詰まると激痛を生じる。
  3. 胆嚢炎は、膵炎に合併することが多い。
  4. 胆嚢炎では、戦慄を伴う。

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解答 3

胆石症・胆嚢炎のポイント

【胆石症】

定義
胆汁から生成された胆石が胆嚢内・胆管内に発生したもの

胆石種類
コレステロール石 ビリルビン石 混合石

症状

ほとんど無症状
胆道に胆石がつまると胆石疝痛発作(上腹部激痛・悪寒・戦慄を伴う発熱・黄疸 ) 血清ビリルビン上昇・アルカリフォスファターゼ上昇

【胆嚢炎】

定義
胆嚢に発生した炎症
胆石症に合併して発生することが多い

症状
悪寒・戦慄を伴う発熱・右季肋部痛・黄疸・血清ビリルビン上昇・アルカリフォスファターゼ上昇

よって、答えは3となる。

呼吸器

問題24気管支喘息について誤りはどれか。

  1. 拘束性換気障害を呈する。
  2. 血清IgE増加。
  3. 発作時、体温上昇を伴う。
  4. 気道の過敏性が亢進する。

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解答 1

気管支喘息のポイント

定義
様々な因子により、気道閉塞が生じ呼吸困難を呈するもの
気道閉塞は可逆性で呼気性呼吸困難を呈する(閉塞性換気障害)
気道粘膜の反応性(過敏性)が増し、気道閉塞が起こってしまう状態

原因

 アトピー型感染型混合型
外的原因アレルゲン不明瞭 
好発年齢幼小児中年以降 

喘息発生好発時期
秋・季節の変わり目・夜中~明け方

喘息発生因子
寒冷・刺激性ガス・運動・アルコール

症状
呼吸困難・咳・痰・喘鳴・チアノーゼ・起座呼吸・樽状胸郭変形・呼吸音減弱・呼気相の延長 血清好酸球増加 IgE抗体増加 1秒率の低下

よって答えは1となる。

循環器

問題25心筋梗塞の疑い患者に置いて注意を要してみるべき心電図部位でないものはどれか。

  1. P波
  2. Q波
  3. ST波
  4. T波

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解答 1

心筋梗塞のポイント

定義
冠動脈閉鎖によって、心筋壊死をおこしたもの
冠動脈閉塞により、血液供給が絶たれたために、心筋細胞が壊死してしまう

危険因子
高コレステロール血症・喫煙・高血圧・肥満・糖尿病

発生
粥状硬化・アテローム硬化によって発生することが多い

症状

胸部痛・胸部不快感
疼痛の持続時間は、数十分以上
疼痛発作はニトログリセリンが効かない(狭心症は有効)

心電図
異常Q波 ST上昇 冠性T波

よって、P波に特徴的波形は認められない。

問題26 虚血性心疾患発生の危険因子とならないものはどれか。

  1. 高コレステロール血症
  2. 喫煙
  3. 低血圧
  4. 肥満

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解答 3

虚血性心疾患危険因子
高コレステロール血症(高脂血症)喫煙 高血圧 肥満 糖尿病 ストレス

問題27疾患とその特徴の組み合わせで誤りはどれか。

  1. 狭心症 ―――――― ニトログリセリンの服用
  2. 心筋梗塞 ――――― 心筋細胞の壊死
  3. ファロー四徴症 ―― チアノーゼ
  4. バージャー病 ――― 大動脈瘤形成

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解答 4

狭心症
一過性の心筋虚血状態によって起こる胸痛
疼痛の持続時間も数分と短く、ニトログリセリンが有効となる。

心筋梗塞
冠動脈の完全閉塞により心筋の壊死をおこしたもの。
胸痛の程度も持続時間も強い。ニトログリセリンは無効。

ファロー四徴症
先天性心疾患であり、大動脈騎乗、肺動脈狭窄、心室中隔欠損、右室肥大を認め全身のチアノーゼを特徴とする疾患である。

バージャー病
閉塞性血栓血管炎ともいい、中小血管が閉塞される疾病であり、下肢に好発する。
間欠性跛行、冷感、疼痛、蒼白を呈し、発展すると壊死、切断となる。
喫煙との因果関係が強く、青壮年男性に好発する。動脈瘤の形成は認められない。

造血

問題28最も頻度の高い貧血症はどれか。

  1. 再生不良性貧血
  2. 悪性貧血
  3. 鉄欠乏性貧血
  4. 溶血性貧血

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解答 3

最も好発する貧血症:鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血
鉄の摂取不足もしくは鉄分の排泄増大により、発生する貧血、女性に多く発症する。

悪性貧血
ビタミンB12欠乏によって未熟な赤血球分化細胞、巨赤芽球が発生することによって起こる貧血症。貧血症状に加え、ハンター舌炎や白髪、消化器症状が出現する。

再生不良性貧血
骨髄造血細胞に障害がおこり、全血球の分化が障害されて起こる貧血。それゆえに、貧血症状や免疫障害、血液凝固障害が出現する。

問題29 小球性低色素性貧血となるのはどれか。

  1. 悪性貧血
  2. 鉄欠乏性貧血
  3. 再生不良性貧血
  4. 溶血性貧血

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解答 2

小球性低色素性貧血
赤血球容積(数)と赤血球色素の減少を示す貧血
ヘモグロビン合成障害が原因
大部分は鉄欠乏性貧血が多い

※~球性:赤血球数や大きさをさす
※~色素性:ヘモグロビンの色素をさす

鉄欠乏性貧血
体内鉄の欠乏により、ヘモグロビン合成障害が生じる貧血 

妊娠,出産,月経,小児,胃摘出(鉄吸収に関与),慢性出血
さじ状つめ,舌炎,口角炎,易疲労性,動悸,耳鳴りをみる
血清フェリチン(貯蔵鉄)低下
不飽和鉄結合能・総鉄結合能増加
小球性低色素性貧血

悪性貧血
赤血球の合成に必要なB12や葉酸の不足により、赤血球代謝が行われず血球内に大きい未成熟な核が存在 ⇒ 巨赤芽球

胃壁障害による内因子の低下(内因子はビタミン吸収に必要!)や自己免疫異常による
DNA合成障害のため赤血球だけでなく、白血球,血小板も減少
汎血球減少(造血能は正常)
ハンター舌炎,神経症状(亜急性連合性脊髄変性症),消化器症状白髪
大球性正色素性貧血

再生不良性貧血
骨髄造血幹細胞の機能障害のため、汎血球減少が生じる貧血

特発性,感染性,薬剤性(ベンゼン)による
汎血球減少:赤血球、白血球、血小板のすべてが減少
易出血性,易疲労性,貧血
正球性正色素性貧血

溶血性貧血
造血能は正常だが、赤血球の破壊亢進を生じる貧血

免疫異常(自己抗体産生),赤血球の酵素異常,赤血球の膜異常などによる
ヘモグロビン尿(溶血によってヘモグロビンが大量に生じる)
脾腫(赤血球破壊が亢進する)
黄疸(間接ビリルビン増加による黄疸)
正球性正色素性貧血

問題30 疾患とその発症要因についてあてはまらないものはどれか。

  1. 鉄欠乏性貧血 ――― 出産
  2. 悪性貧血 ――――― ビタミンB1欠乏
  3. 慢性骨髄性白血病 ― 染色体異常
  4. 血友病 ―――――― 伴性劣性遺伝

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解答 2

血友病
伴性劣性遺伝による先天性疾患で血液凝固因子の欠如により出血傾向を示す。

※ 伴性劣性遺伝
X染色体劣性遺伝ともいい、男児に発症する遺伝形式
女児は保因者となり、ほとんど発症しない

病因
血友病A:血液凝固因子Ⅷの欠乏
血友病B:血液凝固因子Ⅸの欠乏

慢性骨髄性白血病
骨髄造血幹細胞がその機能を失うことなく成熟,分化をしながら無制限に増殖する 

染色体異常:フィラデルフィア染色体の出現(9番と22番の相互転座)
3系統の増殖(白血球,赤血球,血小板)
肝腫・脾腫をみる
ほぼ無症状で経過するが、発症後5~10年で急性期に入り症状は悪化し死亡する

問題31骨髄造血幹細胞の異常により発症する疾患でないのはどれか。2つ選べ。

  1. 急性骨髄性白血病
  2. 血友病
  3. 再生不良性貧血
  4. 血小板減少性紫斑病

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解答 2・4

上記参照

急性骨髄性白血病
骨髄の造血肝細胞が腫瘍化し、未分化(幼弱)な白血球(芽球)が増殖する。そのため正常な白血球は分化・成熟能を失う。

白血病裂孔:正常の分化能が障害されるため骨髄球が欠損する
汎血球減少(易感染性・貧血・出血傾向)
播種性血管内凝固症候群(DIC)血小板減少性紫斑病:血小板に対する抗体が産生されてしまう自己免疫異常による
急性(小児)と慢性(若年女性)に分類される

紫斑 → 皮膚,粘膜に生じる

問題32 白血病について誤りはどれか。

  1. 慢性では自覚症状が顕著である。
  2. 急性リンパ性は、小児に多く発症する。
  3. 慢性骨髄性では、染色体異常を認める。
  4. 急性・慢性共に肝脾腫を認める。

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解答 1

白血病のポイント

定義
骨髄内の血球成分分化細胞(造血幹細胞など)の悪性腫瘍の総称
実際に腫瘍化したレベルの分化細胞によって名称が決まる。

※ 急性リンパ性白血病 … 小児に多く発症
※ 急性骨髄性白血病 … 成人に多く発症
※ 慢性骨髄性白血病 … 染色体異常

⇒ フィラデルフィア染色体…第9・第22染色体転座

症状
貧血症状・易感染性・出血傾向・肝脾腫

如何でしたでしょうか。次回は一般臨床の後半部と病理学を出題します。
残り僅か、悔いののこらないように乗り切って下さい。また、昨年のバックナンバーもよく確認してみて下さい。

プロフィール

西村 雅道

医学博士 柔道整復師 鍼灸師 柔道整復師専科教員免許
一社)日本整体協会インストラクター
北斗総合整骨院院長

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