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柔道整復師国家試験対策【第12回:一般臨床医学 ―消化器~膠原病疾患編―】

主要ポイント編 国家試験対策

今回で12回目となる国家試験対策講座。今回は前回に引続き、一般臨床医学をお送りします。2回目の今回は消化器疾患、代謝疾患、内分泌疾患、神経筋疾患、膠原病疾患をお送りします。

消化器疾患

1)食道癌の発生要因を3つ以上

アルコール、喫煙、熱いもの、辛いもの

2)食道癌の性差

3)食道癌の好発部位

中部

4)食道癌の初発症状

嚥下困難

5)食道癌の予後

早期発見困難、予後不良

6)消化性潰瘍の病態

胃、十二指腸粘膜の粘膜下層以下までの浸潤

7)胃潰瘍と十二指腸潰瘍の好発年齢と発生数

胃潰瘍 > 十二指腸潰瘍
胃潰瘍…40代、十二指腸潰瘍…30代

8)胃潰瘍の病因説の代表

ヘリコバクターピロリ菌による感染

9)十二指腸潰瘍、胃潰瘍の心窩部痛出現の特徴

胃潰瘍:食後、十二指腸:空腹時

10)消化性潰瘍時の便特徴

タール便

11)消化性潰瘍時の圧痛点

ボアス点 小野寺殿点

12)急性虫垂炎の腹痛発生機序

心窩部⇒右腸骨窩

13)急性虫垂炎時の圧痛点を3つあげよ

ランツ、モンロー、マックバーネ

14)腹膜刺激症状

ブルンベルグ(右圧迫)、ロブジング(左圧迫)、ローゼンシュタイン(左側臥位)

15)機械的イレウスと機能的イレウスの発生数

機械的イレウス > 機能的イレウス

16)機能的イレウスの代表例

麻痺性イレウス

17)腸閉塞時の腹部打診は

鼓音

18)機械的イレウスと麻痺性イレウス時のぐる音

機械的:増強、麻痺性:消失
⇒腸蠕動不穏

19)機械的イレウスと麻痺性イレウス時の手術適応

麻痺性は手術適応とならない

20)潰瘍性大腸炎の病態

直腸から始まる大腸粘膜のびらん潰瘍形成

21)クローン病の好発部

回腸末端部(慢性炎症性肉芽腫性炎)

22)大腸癌の好発部

直腸 ついでS状結腸

23)早期大腸癌と進行期大腸癌の特徴

早期:自覚症状なし、血便・粘血便
進行:自覚症状あり、血便・粘血便

24)大腸癌時の代表的腫瘍マーカー

CEA

25)急性ウィルス性肝炎の病態

肝細胞の急性炎症・壊死

26)A・B・C型肝炎の感染経路

A型:経口感染  B型:血液(血清) C型:血液(血清)

27)慢性化し易い肝炎は

B型、C型

28)劇症化し易い肝炎は

B型

29)自覚症状が最も少ない肝炎は

C型

30)C型肝炎の終末像は

肝硬変、肝細胞癌

31)肝硬変の代表的症状は

メズサ頭、クモ状血管腫、女性化乳房、手掌紅斑、泥土様黄疸、腹水

32)肝硬変症の合併症は

消化管出血、肝性昏睡、播種性血管内凝固症候群

33)胆石症の一般的な自覚症状は

あまりない⇒疝痛発作⇒激痛、エビ姿勢

34)膵炎の病因を挙げよ

アルコール過飲、胆石症、耳下腺炎、副甲状腺機能亢進症

35)膵炎の症状

心窩部激痛(エビ姿勢)、糖尿病症状(慢性)

36)膵炎で高値となる血清値

血清アミラーゼ上昇(尿中も)

代謝疾患

1)Ⅰ型、Ⅱ型糖尿病の病態を答えよ

I型:分泌不足 II型作用不足

2)Ⅰ型、Ⅱ型糖尿病の発症期

I型:小児、思春期 II型:成人以降

3)糖尿病の代表的症状

口渇、多飲、多尿、アセトン臭、体重減少、ケトアシドーシス、クスマウル呼吸

4)糖尿病の代表的合併症

網膜症、腎症、神経症、⇒動脈硬化を背景

5)高脂血症(脂質異常症)の病態

血中脂質成分が1つでも増加している状態
(コレステロール、遊離脂肪酸、リン脂質、中性脂肪)

6)高脂血症に基づく血管障害と代表的徴候

動脈硬化(粥状硬化)、黄色腫

7)痛風の病態

プリン体の代謝異常による尿酸の異常蓄積

8)痛風発作の好発部と原因は

第1中足指節関節、尿酸ナトリウムの針状結晶の沈着

内分泌疾患

1)成長ホルモン分泌過剰による疾患を2つ記せ

下垂体性巨人症 末端肥大症

2)成長ホルモン分泌過剰の原因疾患を記せ

下垂体腺腫

3)成長ホルモン分泌過剰疾患の分泌が過剰になる時期をそれぞれ記せ

下垂体性巨人症:骨端閉鎖前
先端巨大症:骨端閉鎖後

4)先端巨大症と下垂体性巨人症の骨変化部を答えよ

先端巨大症:顔面部 四肢末端部
下垂体性巨人症:長管骨

5)代表的な血液所見を記せ

血糖値上昇、血中遊離脂肪酸上昇、(血圧上昇)

6)下垂体性小人症の低身長症の特徴

均整のとれた低身長症

7)下垂体性小人症のX線所見

骨年齢の遅延、骨端軟骨の長期存在

8)尿崩症とはなにか

抗利尿ホルモン(バソプレシン)の分泌障害

9)尿崩症の発症特徴

突然の口渇、多飲、多尿

10)尿崩症時の尿の濃度

低張液

11)原発性アルドステロン症とは何か

副腎障害によりアルドステロンが過剰分泌

12)原発性アルドステロン症の代表的血液性状

高ナトリウム血症⇒高血圧
低カリウム血症⇒筋力低下

13)クッシング症候群とは何か

コルチゾルの過剰分泌による障害

14)クッシング症候群の代表的症状

体型:中心性肥満
顔貌:満月様顔貌  

15)アジソン病とはなにか

副腎皮質ホルモンの分泌低下

16)アジソン病の代表的症状

色素沈着、消化器症状、体毛脱落

17)褐色細胞腫とはなにか

クロム親和性細胞の腫瘍化によるカテコルアミン分泌過剰

18)褐色細胞腫の代表症状

頭痛、動悸、高血圧、血糖値上昇などバンバン

19)バセドウ病とは何か

自己免疫的機序による甲状腺ホルモン分泌過剰状態

20)バセドウ病の好発年齢

20−50歳女性

21)バセドウ病の3徴+1

びまん性甲状腺腫、眼球突出、頻脈、(振戦)

22)バセドウ病の症状について記せ

体重:減少
発汗量:増大

23)バセドウ病の合併症

甲状腺クリーゼ 周期性四肢麻痺 重症筋無力症

24)甲状腺機能低下症を2つ答えよ

クレチン病(新生児期から)、粘液水腫(成人期から)

25)クレチン病の代表症状

低身長(不均整)、知能低下

26)粘液水腫の代表症状

圧痕を残さない浮腫
徐脈、低血圧、体温低下

27)橋本病とはなにか

自己免疫的に甲状腺を破壊(抗甲状腺抗体)して甲状腺機能低下

28)橋本病の代表症状

橋本病の代表症状

29)副甲状腺機能亢進症とは何か

パラソルモン分泌亢進による

30)副甲状腺機能亢進症の代表症状

高カルシウム血症⇒骨の脆弱か、結石形成

31)副甲状腺機能低下症とはなにか

パラソルモン分泌低下による

32)副甲状腺機能低下症の代表症状

低カルシウム血症⇒テタニー、クボステック徴候、トルソー徴候

神経筋疾患

1)髄膜刺激症状を記せ

頭痛、悪心嘔吐、ケル二非徴候、後部強直

2)頭蓋内圧亢進症上を記せ

頭痛、悪心嘔吐、徐脈、うっ血乳頭

3)出血系脳血管障害と梗塞系脳血管障害それぞれの代表的症状を記せ

出血系:激しい頭痛、意識障害を初発
梗塞系:片麻痺、知覚障害、言語障害

4)脳出血の原因と部位の好発を答えよ

高血圧性脳出血、(次が動脈瘤破裂)、被殻出血(次に視床出血)

5)くも膜下出血の原因で多いものを答えよ

脳動脈瘤破裂(次いで脳動脈奇形)、もやもや

6)脳血栓と脳塞栓の発症に違いを答えよ

脳血栓:徐々に発症、症状は段階的、前駆症状あり
脳塞栓:急に発症、症状は100%、前駆症状なし

7)脳血栓と脳塞栓の発症背景を答えよ

脳血栓:動脈硬化、高血圧、コレステロール、糖尿病、肥満、喫煙
脳塞栓:心臓疾患(心房細動、心臓弁膜症)、不整脈

8)パーキンソン病の病態を答えよ

中脳黒質メラニン細胞変性によるドーパミン生成不足

9)パーキンソン病時の振戦の特徴は

静止時振戦

10)パーキンソン病時の筋トーヌスは?それによる筋緊張の度合い、それによる動作の特徴

亢進、筋固縮、無動寡動

11)パーキンソン病時の代表的症状(顔貌、姿勢、歩行)

仮面用顔貌、前屈み、小刻み

12)発症特徴は(両側性?片側性?その後は)

片側発症⇒両側性  ヤー分類

13)筋萎縮性側索硬化症の病態は

運動ニューロン(一次)障害による筋力低下、筋萎縮

14)発生し易い年齢は

中高年以降に多い

15)筋萎縮性側索硬化症における陰性徴候は

筋萎縮性側索硬化症における陰性徴候は

16)筋萎縮性側索硬化症における陰性徴候は

両側性発症で左右非対称が多い

17)筋萎縮性側索硬化症を分類し、最も多いのはどれか

普通型、球型、偽多発神経炎型

18)ギランバレー症候群の病態は

末梢神経に対する自己抗体による脱髄性疾患
⇒ 運動神経、感覚神経障害が出現

19)ギランバレー症候群発症の特徴は

先行感染を認める(感冒症状や消化器症状)

20)発症は両側性?片側性?またどこから、また左右差は

下肢から始まる左右差の乏しい弛緩性麻痺
両側性の顔面器麻痺、呼吸筋麻痺

21)ディシェンヌ型筋ジストロフィー症の病態は

遺伝性に発症する進行性の筋の変性、脱力疾患

22)ディシェンヌ型筋ジストロフィーの遺伝異常は

X染色体伴性劣性遺伝

23)ディシェンヌ型進行性ジストロフィーの代表的症状は(3つ)

仮性肥大、ガワース徴候(とはん性起立)、アヒル歩行

24)重症筋無力症の病態は

運動終板のアセチルコリン受容体に対する自己抗体による骨格筋の脱力、易疲労性

25)重症筋無力症の代表的症状

骨格筋の易疲労感、脱力感 、眼瞼下垂、複視

26)重症筋無力症の症状は午前と午後のどちらに強くでるか

午後

27)重症筋無力症の合併症

胸腺腫

28)アルツハイマー、認知症の容態は

大脳皮質神経細胞の萎縮

29)アルツハイマー病や認知症で初期に認められる症状は、その後の症状は

記憶障害、見当識障害 ⇒ 失行、失認、失語

膠原病疾患

1)関節リウマチで破壊される関節は

手部の関節(DIPは除く)、環軸関節、膝関節等

2)関節リウマチの初発症状

対称性の朝のこわばり

3)関節リウマチの代表変形

スワンネック、ボタンホール、手指尺側偏位、ハンマー足指、外反母趾

4)関節リウマチで合併しやすいもの

間質性肺炎(肺線維症)

5)シェーグレン症候群とは

自己免疫的に外分泌(唾液腺、涙腺)が破壊

6)シェーグレン症候群の代表症状

ドライアイ、ドライマウス

7)強皮症の初発症状は

レイノー現象

8)強皮症の皮膚病変は

皮膚硬化(浮腫⇒硬化⇒萎縮)

9)強皮症の合併病変

食道病変が多い

10)皮膚筋炎でみられる代表症状

対称性の筋力低下、ヘリオトロープ疹

11)皮膚筋炎で合併しやすいもの

悪性腫瘍

12)ベーチェット病の代表症状

口腔粘膜のアフタ性潰瘍  
皮膚毛嚢炎様皮疹(結節性紅斑)  

13)全身性エリテマトーデスの代表的症状

蝶形紅斑 日光過敏 口腔内潰瘍 脱毛

14)全身性エリテマトーデスの好発

20-50歳女性

15)全身性エリテマトーデスで障害されやすい臓器

腎、肺、中枢神経

如何でしたか。今回は、消化器36題、代謝8題、内分泌32題、神経筋29題、膠原病15題の計120題をお伝えしました。一般臨床医学は必修問題で2題、一般問題で22題の計24題出題されます。必修問題に関しては、総論から出題されるか、もしくは膠原関連や神経疾患などの各論からも出題されることもありますので、広く浅く取り組まれることが大事となります。また、一般問題の22題のうち16題ほどは比較的簡単な問題が多く出題される傾向ですので、前回と今回で提示する部分を十分に理解し、整理しておけば問題ないかと思います。

いよいよ国家試験までの残す所2ヵ月弱となってきました。今月までには、解剖、生理、柔整、一般臨床は仕上げておきたい所です。その他の教科に関しては、2月に過去問大を中心に把握しておく必要があります。昨年の1月、2月に私が投稿した内容を今一度確認して頂き、残り2ヵ月弱の予定を立てて勉強計画を立てて頂きたいと思います。過去問以外で実施しておくとよいものとすると、とにかく多くの問題を解くことです。比較的合格率の高い学校の模擬試験や対策プリント等を入手できるのであれば入手し実施するのも良いと思います。次回は、病理学のポイントを提示させて頂きます。では、残り2ヵ月弱、健闘を祈ります。

プロフィール

西村 雅道
柔道整復師、鍼灸師、柔道整復専科教員、医科学修士
北斗総合整骨院院長 (一社)日本整体協会NSTインストラクター、柔道整復師、鍼灸師、、柔道整復専科教員、医科学修士 
平成15年より平成26年まで学校法人杏文学園東京柔道整復専門学校に在職、同校の国家試験対策を牽引。また国家試験対策塾『杏文塾』の代表として同塾を運営。著書に一般臨床ポイントマスター。現在北里大学大学院博士課程に在学。

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