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統合医療の確立 - 教育体制の整備
2010/05/20
西洋医学中心の医療に漢方やはり・きゅうなど古くからの療法を取り入れる「統合医療」の取り組みが、国レベルでも始まった。
厚生労働省は科学的根拠が乏しいことを理由に保険適用を制限するなど消極的だったが、現実に効果が報告されていることや、欧米で臨床研究が進んでいることから2月にプロジェクトチームを設置し、治験データの収集に乗り出した。
統合医療は臓器別に診断する西洋医学を補完する考え方だ。学術研究の取り組みは早く、国の医療行政に先行して2000年に日本統合医療学会が発足した。
統合医療の認知度はまだ低い。治療には一部の漢方薬を除いて公的な健康保険が適用されないことが、普及が進まないネックとされてきた。それでも、東北大の漢方外来には、がん、神経疾患などの患者で予約は2カ月待ちという現実がある。望みを託そうとする患者層は広がりさえ見せている。
こうしたニーズの高まりから、鳩山由紀夫首相は国会答弁で前向きに取り組む考えを表明し、2010年度予算に漢方を対象にした研究費10億円が計上された。
国は治療効果のデータを蓄積し、安全性が確かめられた療法から保険医療として認めるなど最適な方式で定着させる一方、専門知識を深められる教育体制の整備・拡充を図り、安心して頼れる新しい医療の確立を目指してほしい。
<ニュースソース>
河北新報 コルネット(2010/05/19)
http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2010/05/20100519s01.htm